睡眠とは?必要な睡眠時間・睡眠の質・体内時計と眠りを整える生活習慣を解説

睡眠とは?必要な睡眠時間・睡眠の質・体内時計と眠りを整える生活習慣を解説

OBARASOTARO

「睡眠は何時間とればいい?」「7時間寝れば十分?」「睡眠の質って、深く眠ること?」「休日に長く眠ると平日の睡眠不足を補える?」「寝る前のスマホやコーヒーはどこまで影響する?」

睡眠は毎日繰り返している身近な行動ですが、実は脳・身体・体内時計・光・体温・生活習慣など、さまざまな仕組みが関係する複雑な生理現象です。

「8時間眠るのが理想」「睡眠は90分周期だから90分の倍数で起きるとよい」といった話を聞いたことがある方も多いでしょう。

現在の睡眠科学では、必要な睡眠時間には個人差や年齢差があり、睡眠周期にも一晩の中で変動があることが分かっています。

さらに、睡眠を考えるときは「何時間眠ったか」という量だけでなく、「睡眠によって休養がとれていると感じられるか」という質も重要です。

この記事では、睡眠とは何か、レム睡眠・ノンレム睡眠、睡眠周期、必要な睡眠時間、睡眠の質、体内時計とメラトニン、朝と夜の光、スマートフォン、運動、入浴、カフェイン、アルコール、昼寝、休日の睡眠、睡眠サプリ、機能性表示食品、睡眠計測まで詳しく解説します。


目次


睡眠とは?なぜ人は眠る?

睡眠中も、脳や身体ではさまざまな生理活動が続いています。

睡眠は、

  • 心身の休養
  • 記憶や学習に関わる脳機能
  • 代謝や内分泌機能
  • 免疫機能
  • 成長や発達
  • 翌日の認知機能や注意力

などと幅広く関係しています。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、睡眠は健康増進・維持に欠かせない休養活動として位置づけられています。

睡眠は、起きている時間に活動するために必要な、生理的な時間として考えると分かりやすくなります。


眠気はどうやって生まれる?睡眠圧と体内時計

私たちが「夜になると眠くなる」仕組みは、大きく2つの力によって説明できます。

1.起きているほど高まる「睡眠圧」

朝起きてから活動している時間が長くなるにつれて、眠ろうとする力が高まっていきます。

これを睡眠圧(homeostatic sleep pressure)と呼びます。

十分に眠ると睡眠圧は下がり、再び長く覚醒していることで高まっていきます。

2.時間帯を知らせる「体内時計」

もうひとつが、約24時間周期で睡眠と覚醒のタイミングを調節する概日リズム(サーカディアンリズム)です。

私たちの脳には体内時計の中枢があり、光などの環境情報を利用して外界の昼夜と身体のリズムを合わせています。

つまり眠気は、

「どのくらい長く起きていたか」+「体内時計が今を何時だと認識しているか」

という2つの仕組みの組み合わせによって調節されています。

この2つのリズムを意識することで、睡眠時間だけでなく「いつ眠るか」も理解しやすくなります。


レム睡眠とノンレム睡眠の違い

人の睡眠は大きく、

  • ノンレム睡眠(NREM sleep)
  • レム睡眠(REM sleep)

の2つに分けられます。

ノンレム睡眠

ノンレム睡眠はさらに、

  • N1
  • N2
  • N3

という段階に分類されます。

N1は比較的浅い睡眠で、N2を経て、N3では脳波にゆっくりとした波が多くみられる徐波睡眠(深いノンレム睡眠)になります。

深いノンレム睡眠は、一晩の中では比較的前半に多く現れます。

レム睡眠

REMはRapid Eye Movement(急速眼球運動)の略です。

レム睡眠中は脳活動の一部が覚醒時に近い特徴を示す一方、骨格筋の活動は大きく抑えられます。

夢を見ることが多い睡眠段階としてもよく知られています。

一晩の睡眠ではノンレム睡眠とレム睡眠が交互に現れ、前半は深いノンレム睡眠が多く、朝に近づくにつれてレム睡眠が長くなる傾向があります。


豆知識|睡眠は本当に「90分周期」?

睡眠について、

「90分の倍数で起きるとスッキリする」

という話を聞いたことがあるかもしれません。

ノンレム睡眠とレム睡眠は周期的に繰り返され、成人ではおおよそ90~120分前後の睡眠周期がみられます。

一般的な一晩の睡眠では、この周期が4~6回程度繰り返されます。

ただし、睡眠周期の長さには個人差があり、同じ人でも一晩の中で周期ごとに長さが変化します。

実際に健康な人を調べた研究でも、睡眠周期にはかなり大きな個人差が確認されています。

そのため「90分×5=7時間30分」といった計算だけで起床時間を決めるより、自分に必要な総睡眠時間と、起床後の調子を確認する方が実用的です。


睡眠は何時間必要?成人の目安

成人では、6~8時間を中心に、自分に必要な睡眠時間を見つけることが基本です。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人について、

おおよそ6~8時間が適正な睡眠時間の中心であり、少なくとも6時間以上を確保できるよう努める

ことが推奨されています。

睡眠時間には個人差があります。

6時間台で十分な睡眠休養感が得られる人もいれば、8時間以上必要な人もいます。

つまり重要なのは、

  • 睡眠時間
  • 朝起きたときの休養感
  • 日中の眠気
  • 仕事・運転・学習などを無理なく行えるか

を合わせて見ることです。

寝床の長さより、自分に必要な睡眠時間を意識する

身体が必要とする睡眠時間より長く寝床で過ごすと、寝つくまでの時間が長くなったり、途中で目が覚める時間が増えたりする場合があります。

睡眠では、自分に必要な睡眠時間を確保しながら、寝床で過ごす時間とのバランスを見ることがポイントです。


必要な睡眠時間は年齢で変わる

必要な睡眠時間は年齢によっても変化します。

厚生労働省の睡眠ガイドでは、年齢が進むにつれて実際に眠れる時間が徐々に短くなる傾向が示されています。

成人後は、年齢に応じた睡眠の変化を理解しながら、自分に合った睡眠時間を考えることが大切です。

年代 考え方・目安
小学生 9~12時間を参考に確保
中学生・高校生 8~10時間を参考に確保
成人 おおよそ6~8時間を中心に、少なくとも6時間以上を目安として自分に必要な時間を確保
高齢者 睡眠時間と床上時間の両方を確認しながら生活リズムを整える

高齢になると「睡眠時間」と「床上時間」の違いが重要

高齢になると、実際に必要な睡眠時間は若い頃より短くなる一方、寝床で過ごす時間が長くなる傾向があります。

厚生労働省は高齢者について、床上時間が8時間以上にならないことをひとつの目安としながら、個人に必要な睡眠時間を確保する考え方を示しています。

日中の活動と夜の睡眠にメリハリをつけることが、年齢に応じた睡眠習慣を整えるポイントになります。


日本人はどのくらい眠れている?2024年国民健康・栄養調査

2024年(令和6年)の国民健康・栄養調査では、20歳以上の1日の平均睡眠時間で最も多かったのは6時間以上7時間未満でした。

全体では、

  • 5時間未満:7.2%
  • 5~6時間未満:30.4%
  • 6~7時間未満:34.9%
  • 7~8時間未満:19.2%
  • 8~9時間未満:6.3%
  • 9時間以上:2.0%

でした。

「健康日本21(第三次)」で使われる基準では、20~59歳は6~9時間、60歳以上は6~8時間を「十分な睡眠時間」として評価しています。

2024年調査でこの範囲に入った人は、20歳以上全体で56.0%でした。

睡眠で「休養がとれている」と感じる人は約8割

同じ調査で、

  • 「十分とれている」:24.8%
  • 「まあまあとれている」:54.8%

を合わせた、睡眠で休養がとれている人の割合は79.6%でした。

この数字からも、睡眠では「何時間眠ったか」と「眠って休養がとれたか」を別々に見ることが大切だと分かります。


「睡眠の質」とは?一晩の睡眠全体を見る

「睡眠の質」という言葉はよく使われますが、睡眠を評価するときには複数の要素があります。

  • 必要な睡眠時間が確保できているか
  • 寝つくまでにどのくらい時間がかかるか
  • 夜中にどの程度目覚めるか
  • 実際に眠っていた時間
  • 寝床にいた時間に対してどの程度眠れたか(睡眠効率)
  • 朝起きたときに休養がとれたと感じるか
  • 日中に強い眠気がないか

厚生労働省では、睡眠時間を「量」の指標、睡眠休養感を「質」を反映する重要な指標として位置づけています。

深い睡眠だけでなく、一晩の睡眠全体を見る

睡眠には浅いノンレム睡眠、深いノンレム睡眠、レム睡眠など異なる段階があり、一晩の中で自然に移り変わります。

それぞれに異なる生理的特徴があるため、一晩を通じた睡眠全体と翌日の状態を見ることが大切です。


体内時計とは?

私たちの身体には、約24時間周期の概日リズム(サーカディアンリズム)があります。

睡眠・覚醒だけでなく、

  • 体温
  • ホルモン分泌
  • 代謝
  • 覚醒度

など、さまざまな生理機能が時間帯によって変化します。

脳では視床下部にある視交叉上核(SCN)が中心的な体内時計として働きます。

体内時計は外界から時間情報を受け取りながら、毎日のリズムを調整しています。

その中でも特に重要なのがです。


メラトニンとは?睡眠との関係

メラトニンは、主に脳の松果体から分泌されるホルモンです。

光と暗さの周期、そして体内時計によって分泌リズムが調節されています。

一般的には夜になると分泌が高まり、身体に「生物学的な夜」が来たことを伝える役割があります。

メラトニンは、単純な「体内の睡眠薬」というより、体内時計と夜間の時間情報に関わるホルモンとして理解すると分かりやすいでしょう。

夜間の強い光は、メラトニン分泌のタイミングや量に影響することがあります。

豆知識|海外の「メラトニンサプリ」と日本での扱いは異なる

海外ではメラトニンがサプリメントとして販売されている国があります。

一方、日本ではメラトニンは「専ら医薬品として使用される成分本質」として扱われています。

そのため、海外製品を見るときは、使用する国での法的な位置づけまで確認することが大切です。


朝の光と夜の光を上手に使う

光は、睡眠・覚醒リズムを整える重要な時間情報です。

朝~日中は明るい光を取り入れる

朝に明るい光を浴びることで、体内時計は朝の時間を認識し、睡眠・覚醒リズムの調節につながります。

また、日中に十分な光を浴びることは、夜間のメラトニン分泌や睡眠リズムにも関係します。

朝起きたらカーテンを開け、可能であれば日中に屋外で過ごす時間を持つことが、生活リズムを整えるひとつの方法です。

夜は明るさを少し落とす

夜遅い時間に強い光を浴びると、体内時計が後ろへずれやすくなります。

就寝前は部屋の照明を少し落とし、昼と夜の明るさにメリハリをつけることで、身体に「夜」の情報を伝えやすくなります。


寝る前のスマホはなぜ睡眠に関係する?

スマートフォンやタブレットと睡眠の関係では、よくブルーライトが話題になります。

短波長の光を含む夜間の明るい光は、体内時計やメラトニン分泌に影響する可能性があります。

スマートフォンでは、光に加えて利用時間やコンテンツによる覚醒もポイントです。

SNS、動画、ゲーム、仕事のメールなどによって、

  • 就寝時刻が遅くなる
  • 頭が覚醒した状態が続く
  • 通知などで睡眠が中断される
  • 画面を近い距離で長時間見る

といった要因も重なります。

厚生労働省の睡眠ガイドでは、寝室へスマートフォンやタブレットを持ち込まず、できるだけ暗い環境で眠ることが推奨されています。

就寝前の明るさとデジタル機器を使う時間の両方を整えると考えると実践しやすくなります。


運動と睡眠の関係

日中の身体活動や運動は、良い睡眠を支える生活習慣のひとつです。

近年発表された複数のシステマティックレビュー・メタ解析でも、運動介入と主観的な睡眠の質や睡眠効率との関連が報告されています。

ウォーキングなどの有酸素運動、筋力トレーニング、ヨガやピラティスなど、さまざまな種類の運動が研究されています。

自分が無理なく継続できる身体活動を習慣にすることが実践しやすい方法です。

夜に運動する場合は、強度と終了時刻を調整する

夜に運動する場合は、運動の強度と終了時刻を調整すると日常生活へ取り入れやすくなります。

就寝直前の激しい運動では、覚醒度や体温が高い状態が続くことがあります。

厚生労働省では、強度の高い運動をする場合は、可能であれば就寝2~4時間前までに終え、その後にリラックスする時間を設ける方法を紹介しています。


入浴と深部体温|寝る前のお風呂はいつがいい?

眠りと体温には深い関係があります。

人の身体では夜になると、手足などから熱を逃がしながら深部体温が低下していきます。

この体温変化と睡眠のタイミングは密接に関係しています。

入浴でいったん身体を温めると、その後に手足から熱が放散され、深部体温が下がっていく流れが作られます。

厚生労働省の睡眠ガイドでは、就寝1~2時間前に入浴し身体を温める方法が紹介されています。

温浴に関するメタ解析でも、40~42.5℃程度の温浴を就寝1~2時間前に行った研究で、寝つきや睡眠効率などが評価されています。

自分がリラックスできる入浴方法を取り入れ、その後の体温変化を利用すると考えると分かりやすいでしょう。


食事の時間と睡眠

睡眠・覚醒リズムは、光だけでなく毎日の生活時間とも関係しています。

食事の時間もそのひとつです。

特に夜遅い時間の重い食事が習慣になると、就寝時間や朝食時間まで後ろへずれやすくなります。

仕事などで夕食が遅くなる場合、厚生労働省の睡眠ガイドでは、夕方に主食などを一部食べ、帰宅後には軽めの副食をとる「分食」という方法も紹介されています。

食事全体から睡眠との関係を考える

魚、野菜、果物、ナッツ、豆類などを含む食事パターンと睡眠についても研究されています。

一般的な食生活では、主食・主菜・副菜などを組み合わせ、必要な栄養素を幅広く摂ることが基本です。


カフェインは何時まで?

コーヒーや紅茶、緑茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインには覚醒作用があります。

そのため、摂取する量と時間によっては、

  • 寝つくまでの時間
  • 深い睡眠
  • 夜中の覚醒
  • 総睡眠時間

などに影響することがあります。

カフェインの半減期は3~7時間程度

厚生労働省の睡眠ガイドでは、日本人のカフェインの血中半減期はおよそ3~7時間とされています。

つまり夕方に飲んだコーヒーのカフェインが、就寝時にも体内に残っている可能性があります。

カフェインを分解する速さには個人差もあります。

1日400mgと夕方以降をひとつの目安に

厚生労働省では、成人について1日の総カフェイン量を400mgを超えないようにするとともに、睡眠を考える場合は夕方以降の摂取を控えめにすることを勧めています。

カフェインに敏感な方は、さらに早い時間からデカフェコーヒーや、麦茶・黒豆茶・ハーブティーなどのカフェインを含まない飲み物へ切り替える方法もあります。


アルコールと睡眠

アルコールを飲むと眠気を感じることがあります。

実際、アルコールには一時的に寝つきを早める作用があります。

一方、アルコールが代謝されていく睡眠後半では、

  • 途中で目覚める回数が増える
  • 眠りが浅くなる
  • 睡眠の連続性が低下する

といった変化がみられることがあります。

睡眠のための生活習慣としては、飲む場合も量とタイミングを意識し、睡眠全体への影響を見ることがポイントです。


昼寝・仮眠との上手な付き合い方

昼寝や仮眠は、状況によっては日中の眠気を和らげたり、注意力を保ったりするために利用されます。

特に夜勤など特殊な勤務環境では、適切な仮眠を取り入れる研究も行われています。

一方、日中に長時間眠る習慣は、夜になってからの睡眠圧を弱め、夜の寝つきや睡眠の連続性へ影響する場合があります。

昼寝を利用する場合は、夜間睡眠とのバランスを見ながら、自分の生活時間に合わせて調整するのが基本です。

特に高齢者では長時間の昼寝が増えやすいため、日中に光を浴びたり、身体活動や社会活動を取り入れたりして、昼夜のメリハリを保つことが勧められています。


休日の睡眠はどう考える?

平日に睡眠時間が短い人が、休日に長く眠ることをweekend catch-up sleepと呼びます。

休日に少し長く眠ることで、短期的な眠気や疲労感が和らぐ場合があります。

一方、慢性的な睡眠不足については、休日の睡眠による回復と、平日の睡眠時間を日常的に確保することの両方が研究されています。

休日の睡眠は「補うこと」と「リズムを保つこと」の両方を見る

休日に長めに眠ることは、平日の不足をある程度補う手段として利用できます。

同時に、休日の起床時刻が平日より大きく遅くなると、平日と休日で睡眠時間帯にずれが生じます。

このずれは社会的時差ボケ(social jetlag)と呼ばれます。

休日の睡眠を上手に活用するには、平日の睡眠時間も確保しながら、平日と休日の起床時刻をできるだけ近づけ、生活リズムを保つことが体内時計を整えるうえで大切です。


寝室の光・温度・音を整える

睡眠は身体の中だけでなく、眠る環境からも影響を受けます。

睡眠中はできるだけ暗い環境をつくることが基本です。

寝室の照明だけでなく、スマートフォン、テレビ、外から入る強い光なども確認してみましょう。

温度

暑さや寒さは、寝つきや睡眠の持続に影響します。

季節、寝具、衣服なども合わせて、自分が快適に感じられる温熱環境を整えることがポイントです。

人は眠っていても音を完全に遮断しているわけではありません。

交通音、テレビ、通知音などが気になる場合は、できる範囲で静かな環境を作ることで睡眠を妨げる刺激を減らせます。

睡眠環境はひとつの数字だけで決めるより、光・温度・音・寝具を含めて自分が快適に眠れる環境を作ることが基本です。


スマートウォッチの「睡眠スコア」はどう見る?

最近では、スマートウォッチやスマートリングなどで、

  • 睡眠時間
  • 睡眠段階
  • 夜間の覚醒
  • 心拍数
  • 睡眠スコア

などを確認できるようになりました。

こうした機器は、自分の就寝・起床時間や睡眠習慣の変化を知るための参考になります。

医療機関で行う睡眠検査では、脳波、眼球運動、筋活動、呼吸など複数の生理情報を測定します。

一般向けウェアラブル端末では、心拍や身体の動きなどから睡眠状態を推定しています。

そのため、

「昨夜の深い睡眠が12分少なかった」

という1日の数値だけを見るより、

  • 就寝・起床時刻の傾向
  • 総睡眠時間
  • 数週間単位での変化
  • 自分自身の睡眠休養感

と合わせて見ると、睡眠管理に活用しやすくなります。

睡眠スコアは生活習慣を振り返る参考情報として使う

睡眠スコアや睡眠段階の表示は、日々の生活を振り返るきっかけになります。

機器の数値と、自分の体調・睡眠休養感・日中の状態を組み合わせて見ることで、より実用的な睡眠管理につながります。


睡眠サプリメントはどう考える?

睡眠に関連する商品では、

  • マグネシウム
  • GABA
  • グリシン
  • L-テアニン
  • 植物由来成分

など、さまざまな成分を目にします。

これらの中には睡眠やリラクゼーションとの関係についてヒト研究が行われている成分もあります。

研究では、特定の原料、摂取量、対象者、摂取期間、評価方法などを設定して調べています。

そのためサプリメントを比較するときは、「睡眠成分」というイメージだけを見るより、

  • 何の成分が配合されているか
  • 1日分にどのくらい含まれているか
  • どのような原料を使用しているか
  • ほかのサプリとの成分の重複状況
  • 商品の表示内容がどの範囲まで認められているか

を確認することが大切です。

睡眠サプリと睡眠薬は目的と位置づけが異なる

食品・サプリメントと、不眠症などの治療に使用される医薬品では、目的・評価・用量・使用方法が異なります。

特に日本では、海外でサプリメントとして販売されることがあるメラトニンも医薬品成分として扱われています。

海外の商品を選ぶ場合は、販売国だけでなく、使用・輸入する国での成分の法的位置づけまで確認することが重要です。

マグネシウムについて詳しく知りたい方は、 マグネシウムとは?働き・多い食品・1日の摂取量・不足とサプリの選び方を解説 もあわせてご覧ください。


日本の機能性表示食品は「届出内容」を確認する

日本では、睡眠に関する機能を表示した機能性表示食品も販売されています。

機能性表示食品は、事業者が食品の安全性や機能性に関する科学的根拠などを消費者庁へ届け出たうえで、届出した範囲の機能を表示する制度です。

商品を比較するときは、

  • 届出番号
  • 機能性関与成分
  • 1日摂取目安量
  • 「表示しようとする機能性」の具体的な内容

を確認すると分かりやすくなります。

たとえばGABAやL-テアニンなど、同じ名称の成分を使用した商品でも、商品ごとの原料、含有量、科学的根拠、届出内容によって表示される機能性は異なります。

つまり、商品を選ぶときは「GABA入り」「テアニン入り」という成分名だけでなく、その商品について何が届け出られているのかを見ることがポイントです。

消費者庁の機能性表示食品データベースでは、商品ごとの届出内容や公開資料を確認できます。

なお、機能性表示食品は特定保健用食品(トクホ)とは制度が異なり、国が商品ごとに機能性を個別審査して許可する仕組みではありません。

届出表示を確認しながら、食品として日々の生活習慣に取り入れるという位置づけで考えると分かりやすいでしょう。


睡眠の悩みが続くときに確認したいこと

睡眠時間や生活習慣を整えても、睡眠休養感が得られない場合があります。

その背景には、

  • 不眠症
  • 閉塞性睡眠時無呼吸
  • むずむず脚症候群
  • 概日リズム睡眠・覚醒障害
  • そのほかの身体・精神的な健康状態

などが関係することもあります。

特に、

  • 大きないびきが続く
  • 睡眠中に呼吸が止まっていると指摘された
  • 十分寝ているのに日中に強い眠気がある
  • 運転中などに眠気が強くなる
  • 寝つけない・途中で目が覚める状態が続き生活に支障がある
  • 脚の不快感で眠りにくい

といった場合は、医療機関で原因を確認することで適切な対応につながります。

「睡眠の質が気になる」と感じたときは、睡眠時間・生活リズム・睡眠環境・身体の状態を順番に確認することで、自分に必要な対策を整理しやすくなります。


まとめ|睡眠時間と睡眠休養感の両方を見る

睡眠は、脳と身体の健康を支える基本的な休養活動です。

この記事のポイントを整理すると、

  • 睡眠は心身の休養だけでなく、記憶・代謝・内分泌・免疫など幅広い機能と関係する
  • 眠気は、起きているほど高まる睡眠圧と、約24時間周期の体内時計の両方によって調節される
  • 睡眠はノンレム睡眠とレム睡眠が周期的に繰り返される
  • 睡眠周期はおおよそ90~120分だが、個人差や一晩の中での変動がある
  • 成人ではおおよそ6~8時間を中心に、自分に必要な睡眠時間を確保することが基本
  • 睡眠の質を見るときは、睡眠時間・睡眠休養感・日中の状態を合わせて見ることが大切
  • 朝~日中の光、運動、入浴、カフェイン、食事、夜の明るさなど、1日の生活全体が睡眠リズムに関係する
  • 睡眠関連商品は、成分・量・商品区分・機能性表示の届出内容まで確認すると比較しやすい

睡眠について考えるときは、自分に必要な睡眠時間を確保し、朝に休養がとれたと感じられるか、日中に無理なく活動できるかを確認することが基本です。

そのうえで、朝の光、日中の活動、夜の明るさ、入浴、食事、カフェイン、寝室環境などを少しずつ整えていくことで、自分に合った睡眠習慣をつくりやすくなります。


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主な参考情報

  • 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
  • 厚生労働省「令和6年 国民健康・栄養調査報告」
  • 厚生労働省「健康日本21(第三次)」
  • 厚生労働省「医薬品の範囲に関する基準/食薬区分」
  • 消費者庁「機能性表示食品について」
  • 消費者庁「機能性表示食品の届出情報検索」
  • Scammell TE, Arrigoni E, Lipton JO. Neural Circuitry of Wakefulness and Sleep. Neuron. 2017.
  • Bastianini S, et al. Ultradian sleep cycles: Frequency, duration, and associations with individual and environmental factors. Sleep Health. 2023.
  • Zhou X, et al. Effects of exercise on sleep quality in general population: Meta-analysis and systematic review. Sleep Medicine. 2025.
  • Xie W, et al. The optimal exercise intervention for sleep quality in adults: A systematic review and network meta-analysis. Preventive Medicine. 2024.
  • Haghayegh S, et al. Before-bedtime passive body heating by warm shower or bath to improve sleep: A systematic review and meta-analysis. Sleep Medicine Reviews. 2019.
  • Weaver MD, et al. The importance of sleep regularity: a consensus statement of the National Sleep Foundation sleep timing and variability panel. Sleep Health. 2023.
  • Hsiao FC, et al. The sleep paradox: The effect of weekend catch-up sleep on homeostasis and circadian misalignment. Neuroscience & Biobehavioral Reviews. 2025.
  • Zhou Y, Xue F. Can weekend catch-up sleep repay the sleep debt? Sleep and Breathing. 2025.

ご注意

本記事は、睡眠についての一般的な健康・生活習慣・栄養情報を分かりやすく紹介することを目的としています。

疾病の診断・治療・治癒・予防を目的としたものではなく、特定の食品やサプリメントによる不眠症・睡眠障害などへの治療効果を示すものでもありません。

記事内で紹介した睡眠や栄養成分に関する研究は、それぞれ特定の対象者、摂取量、期間、評価方法などの条件に基づくものであり、個別の商品について同じ結果を保証するものではありません。

機能性表示食品については、商品ごとに届出されている機能性関与成分、摂取目安量、表示内容、注意事項などをご確認ください。

大きないびき、睡眠中の呼吸停止、強い日中の眠気、長く続く不眠などがある場合や、睡眠の問題によって日常生活に支障が生じている場合は、医師などの医療専門家へご相談ください。

治療中・服薬中、妊娠・授乳中の方は、睡眠に関連するサプリメントや健康食品を利用する前に、医師・薬剤師などへご相談ください。

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