「SPF50なら50時間もつ?」「PA++++って何?」「UVAとUVBはどう違う?」「日焼け止めはどのくらい塗ればいい?」「曇りの日や室内でも必要?」
日焼け止めは身近なUVケア製品ですが、パッケージを見るとSPF、PA、UV耐水性、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤など、さまざまな表示があります。
日本では、日焼け止めは化粧品や医薬部外品として販売される製品があります。
数字や「+」が大きい製品を選ぶだけでなく、どの紫外線を防ぐ指標なのか、どのような条件で測定されているのか、自分がどの場面で使うのかを知ることで、日焼け止めはずっと選びやすくなります。
また、表示されているSPFやPAを活かすためには、製品選びだけでなく十分な量を均一に塗ること、汗・水・摩擦などに応じて塗り直すことも重要です。
この記事では、紫外線とは何か、UVA・UVBの違い、SPF・PAの意味、SPF50+、UV耐水性、ウォータープルーフ、紫外線吸収剤と散乱剤、ノンケミカル、UVインデックス、日本とニュージーランドの紫外線事情、塗る量、塗り方、塗り直し、曇り・冬・窓ガラス、子ども・敏感肌、使用期限、帽子や日傘との組み合わせまで詳しく解説します。
目次
日焼け止めとは?
日焼け止めは、太陽光に含まれる紫外線から肌を守るために使用するUVケア製品です。
日本では、化粧品や医薬部外品として販売される日焼け止めがあります。
製品には、紫外線を吸収したり散乱させたりする紫外線防止剤が配合されています。
日本では、日焼け止めの紫外線防止効果を比較する代表的な指標として、
-
SPF:主としてUVBに対する防止効果
-
PA:UVAに対する防止効果
が使われています。
さらに、水に濡れる場面での防止効果の維持についてはUV耐水性★・★★という表示も使われています。
これらはそれぞれ違う意味を持つため、ひとつの数字だけではなく、複数の表示を組み合わせて見ることがポイントです。
そもそも紫外線とは?
紫外線は英語でUltraviolet Radiation(UV)と呼ばれ、可視光線より波長が短い電磁波です。
紫外線は波長によって大きく、
に分けられます。
| 種類 |
おおよその波長 |
特徴 |
| UVA |
315~400nm |
地表に届く紫外線の大部分を占め、皮膚のより深い部分まで届きやすい |
| UVB |
280~315nm |
大部分は大気に吸収されるが、一部が地表へ届き、主として表皮に作用する |
| UVC |
100~280nm |
太陽由来のUVCは大気によってほぼ吸収され、通常は地表へ届かない |
日常の紫外線対策で特に重要なのがUVAとUVBです。
UVAとUVBの違い
UVAとUVBでは、肌への届き方や起こりやすい反応が異なります。
|
UVA |
UVB |
| 肌への届き方 |
皮膚のより深い部分まで届きやすい |
主として表皮に作用 |
| 代表的な皮膚反応 |
短時間で起こる黒化など |
数時間後に起こる赤い日やけなど |
| 表示の目安 |
PA |
SPF |
| 窓ガラス |
比較的通過しやすい |
一般的な窓ガラスでは多くが遮られる |
UVAは光老化と呼ばれる皮膚変化との関連でも研究されており、UVBはサンバーンや日やけによる色素変化との関係がよく知られています。
そのため日焼け止めを選ぶときは、SPFとPAの両方を見ることが基本になります。
SPFとは?
SPFはSun Protection Factorの略です。
主としてUVBによって皮膚が赤くなるサンバーンを防ぐ効果の程度を表します。
SPFは、日焼け止めを塗った皮膚と塗っていない皮膚に紫外線を照射し、かすかに赤くなるまでに必要な紫外線量を比較して求めます。
簡単に表すと、
日焼け止めを塗った場合に、塗っていない場合と比べてどの程度多くのUVB量までサンバーンを起こしにくくできるか
を示す指標です。
数値が大きいほど、試験条件下でのUVB防止効果が高いことを表します。
豆知識|SPF50の正しい読み方|UVB防止効果を示す指標
SPFについてよく知られている数字ですが、SPFは時間そのものではなく、UVB防止効果を比較するための指標です。
実際の紫外線量は、
などで変化します。
さらに実際の使用では、
- 汗
- 水
- タオル
- 衣服
- 手で顔を触る
- 塗布量や塗りムラ
などの影響も受けます。
そのため、SPFは「何時間もつか」ではなく、UVB防止効果の強さを比較するための目安として読むのが基本です。
SPF50+とは?
日本で日焼け止めを見ると、
SPF50+
という表示をよく見かけます。
日本化粧品工業会では、SPF測定によってSPFが50より有意に高いと判断される場合に「SPF50+」と表示します。
つまり「50+」は、単純に「51」という意味ではなく、SPF50を超える領域の表示です。
通勤・買い物などの日常生活と、真夏の長時間の屋外活動、海・山・スポーツでは紫外線を浴びる条件が異なります。
使用する場面に合わせてSPFを選ぶことが実用的です。
PAとは?+の数は何を意味する?
PAはProtection Grade of UVAの略で、UVA防止効果を表す日本で広く使われている表示です。
UVAによって短時間で起こる皮膚の黒化反応を指標にして測定します。
日本では、
| 表示 |
UVA防止効果 |
| PA+ |
UVA防止効果がある |
| PA++ |
UVA防止効果がかなりある |
| PA+++ |
UVA防止効果が非常にある |
| PA++++ |
UVA防止効果が極めて高い |
つまり、
SPF=主にUVB
PA=UVA
と覚えると分かりやすくなります。
SPF・PAはどのくらいの量を塗って測る?
これは日焼け止めを理解するときに非常に重要なポイントです。
SPFの標準的な測定では、日焼け止めを1cm²あたり2mg塗布して評価します。
つまり、パッケージに書かれたSPF値は、決められた試験条件と塗布量によって確認されたものです。
環境省の資料では、実生活では試験時よりかなり少ない量しか塗られていないことがあり、塗布量が少なくなると表示されたSPFの防止性能を十分に得にくくなることが指摘されています。
豆知識|SPF・PAを活かすポイントは「製品+使い方」
日焼け止めでは、
製品のSPF・PA × 実際に塗る量 × 塗りムラ × 塗り直し
の組み合わせが実際の紫外線対策に影響します。
そのため数字の高さだけでなく、自分が十分な量を毎日使いやすいテクスチャーを選ぶことも大切なポイントです。
紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の違い
日焼け止めに使われる紫外線防止剤は、大きく、
に分けられます。
|
紫外線吸収剤 |
紫外線散乱剤 |
| 基本的な仕組み |
紫外線を吸収し、別のエネルギーへ変換することで肌へ届く紫外線を減らす |
主に粉体によって紫外線を散乱・反射し、あわせて一部を吸収することで肌へ届く紫外線を減らす |
| 代表例 |
メトキシケイヒ酸エチルヘキシルなど |
酸化亜鉛、酸化チタンなど |
現在の日焼け止めには、どちらか一方を使用する製品もあれば、複数の紫外線防止剤を組み合わせた製品もあります。
どちらが一律に優れているというより、SPF・PA、使用感、肌との相性、白浮き、耐水性、使用する場面などを含めた製品全体で比較することが大切です。
豆知識|「散乱剤」も反射だけで紫外線を防いでいるわけではない
紫外線散乱剤と呼ばれる酸化亜鉛や酸化チタンは、名前から「紫外線を鏡のように反射しているだけ」と思われることがあります。
実際の紫外線防御では、粒子による散乱・反射に加えて、紫外線の吸収も関わることが研究されています。
そのため「吸収剤=吸収だけ」「散乱剤=反射だけ」と完全に二分するより、化粧品表示上の分類と、実際の光学的な働きには少し違いがあると覚えておくと理解しやすくなります。
「ノンケミカル」とは?
日本の日焼け止めでよく見るのが「ノンケミカル」という表現です。
一般的に日焼け止めでいうノンケミカルとは、
紫外線吸収剤を使用していないタイプ
を意味します。
多くの場合、酸化亜鉛や酸化チタンなどの紫外線散乱剤を利用します。
豆知識|「ノンケミカル」の意味は「紫外線吸収剤不使用」
化粧品で使われる「ノンケミカル」という表現は、一般に紫外線吸収剤を使用していないことを表しています。
製品には紫外線散乱剤のほか、油性成分、保湿成分、乳化剤などさまざまな化粧品原料が配合されています。
そのため日焼け止めを選ぶときは、「ノンケミカル」という言葉だけでなく、実際の全成分や使用感、肌との相性を見ることがポイントです。
日焼け止めの選び方
日焼け止めは、使う場面と続けやすさを考えると選びやすくなります。
1.日常生活
通勤、買い物、散歩などでは、日常生活で浴びる紫外線量と外にいる時間を考えて選びます。
毎日無理なく十分な量を使える使用感も大切です。
2.長時間の屋外活動
屋外スポーツ、観光、キャンプなど、長時間強い紫外線を浴びる場面では、SPF・PAの高い製品が選択肢になります。
3.海・プール・水辺
水に濡れる場面では、SPF・PAに加えてUV耐水性の表示も確認すると選びやすくなります。
一般に「ウォータープルーフ」と呼ばれる日焼け止めを比較するときも、日本ではUV耐水性★・★★の表示を確認すると、水に濡れる場面での製品の特徴を比較しやすくなります。
4.毎日使う顔用
顔に毎日使用する場合は、
- のび
- べたつき
- 白浮き
- 乾燥感
- 化粧下地との相性
- 落とし方
なども確認すると、十分な量を継続して使いやすくなります。
UVインデックスも選び方の参考になる
紫外線の強さを知る指標としてUVインデックスがあります。
UVインデックスは世界共通で使われる指標で、数値が高いほど紫外線による影響が大きくなります。
| UVインデックス |
強さ |
| 0~2 |
弱い |
| 3~5 |
中程度 |
| 6~7 |
強い |
| 8~10 |
非常に強い |
| 11以上 |
極端に強い |
WHOでは、UVインデックスが3以上になったときに紫外線対策を行うことを推奨しています。
天気予報などでUVインデックスを確認すると、季節だけで判断するより、その日の紫外線状況を把握しやすくなります。
豆知識|日本のUVインデックスは季節・地域で大きく変わる
日本全国をひとつの数字で表した「年間平均UVインデックス」という値を、普段の紫外線対策の目安として使うのはあまり実用的ではありません。
日本は南北に長いため、紫外線の強さには地域差と季節差があります。
例えば気象庁の観測では、つくばの2025年の「日最大UVインデックスの月平均値」は、 1月1.9、4月4.9、7月8.5、10月3.4、12月1.6でした。
12か月の値を単純平均すると約4.6になります。
ただし、この4.6は「日本全国の年間平均UVインデックス」でも、「一日を通した平均UVインデックス」でもありません。 各日の中で最も高かったUVインデックスを月ごとに平均した値を、さらに12か月で単純平均した参考値です。
つまり日本では、全国平均のひとつの数字だけを見るより、自分がいる地域・季節・当日のUVインデックスを確認する方が実際の紫外線対策には役立ちます。
豆知識|ニュージーランドの夏はUVインデックス12前後まで上がる
Brilliant Life Products NZの拠点であるニュージーランドは、紫外線が非常に強くなる地域として知られています。
ニュージーランドの公的研究機関Earth Sciences New Zealand(旧NIWA)によると、 夏の日最大UVインデックスは一般に12前後まで上がり、北部では13を超えることもあります。
一方、冬の日最大UVインデックスのピークは、多くの地域で1~2程度です。
さらにSunSmart New Zealandでは、ニュージーランドのUV放射レベルは、 同程度の緯度にある北半球の国々と比較して約40%高いと紹介されています。
日本とニュージーランドの数値を比べるときには、同じ測定条件・同じ季節の値を比較することが大切です。
例えば、つくばの年間参考値約4.6と、ニュージーランドの夏の日最大値12前後をそのまま比べることはできません。 ただし、ニュージーランドでは夏にUVインデックスが「極端に強い」とされる11以上へ達する日があることは、現地で生活するうえで知っておきたい特徴です。
日本でもニュージーランドでも、年間平均だけを見るより、その日のUVインデックスを確認し、外出時間や行動に合わせて日焼け止め・衣類・帽子・日陰などを組み合わせる方法が実用的です。
日焼け止めはどのくらい塗る?
日焼け止めでは、十分な量をムラなく塗ることが基本です。
製品によって剤型や容器が異なるため、具体的な使用量についてはメーカーの使用方法を確認してください。
顔では、
など、塗り忘れやすい部分まで均一になじませます。
一度に大量に広げにくい製品では、少量ずつ複数箇所へ置いて伸ばし、必要に応じて重ねる方法も使いやすいでしょう。
塗り忘れやすい場所
- 耳
- 首の後ろ
- 髪の生え際
- フェイスライン
- 手の甲
- 足の甲
- 肩
露出している部分を一度確認すると、塗りムラを減らしやすくなります。
スキンケア・日焼け止め・メイクの順番
一般的な朝のスキンケアでは、
洗顔 → 化粧水・美容液・乳液やクリーム → 日焼け止め → メイク
という流れで使用する製品が多くなっています。
ただし、
- 日中用乳液
- UV美容液
- 化粧下地兼用の日焼け止め
- ファンデーション一体型
など、製品によって役割が異なります。
商品に記載された使用順序を優先するのが基本です。
日焼け止めを塗った直後に強くこすってメイクするとムラになる場合があるため、肌全体へ均一になじませてから次のステップへ進むと使いやすくなります。
日焼け止めは何時間ごとに塗り直す?
日本化粧品工業会では、紫外線防止効果を保つため、少なくとも2~3時間おきを目安に、状況を見て塗り直すことを案内しています。
特に、
- 汗を多くかいた
- 泳いだ
- タオルで拭いた
- 衣服や手でこすれた
といった場合は、時間だけにこだわらず塗り直します。
メイクをしている顔では、製品の使用方法に合わせてUV機能のある乳液・スティック・クッション・パウダーなどを活用する方法もあります。
大切なのは、実際の生活状況に合わせて紫外線防止膜を整え直すという考え方です。
UV耐水性★・★★とは?
日本では、日本化粧品工業会の自主基準として2022年12月から「UV耐水性」表示が導入されています。
ISO 18861に基づく試験で、水浴前と水浴後のSPF保持率を確認し、一定の基準を満たした製品に表示されます。
| 表示 |
試験時の水浴条件 |
| UV耐水性★ |
合計40分(20分×2回) |
| UV耐水性★★ |
合計80分(20分×4回) |
なお、UV耐水性の表示には「★」のほか「☆」が使われる場合もあります。 塗りつぶしの有無による効果の違いはなく、星の数が1つか2つかによってUV耐水性の段階を示します。
豆知識|UV耐水性の40分・80分は「試験条件」として読む
表示される40分・80分は、製品の水への耐性を評価するための試験条件です。
実際の使用では、泳ぎ方、タオル、衣服、摩擦など条件が人によって異なります。
そのためUV耐水性表示がある製品でも、汗・水・摩擦などの状況に応じて塗り直します。
UV耐水性は「水への耐性」を示す指標
現在の日本のUV耐水性表示は、外側から肌へ接触する水に対する紫外線防止効果の維持を評価したものです。
汗への耐性については、製品ごとの表示やメーカーの説明を確認すると比較しやすくなります。
曇りの日にも紫外線は届く?
紫外線量は雲によって変化しますが、曇っている日にも紫外線は地表へ届きます。
WHOも、紫外線は晴天時に強くなる一方で、雲がある状況でも高いレベルになる場合があるとしています。
特に薄い雲では紫外線を十分に遮らないことがあります。
そのため「太陽が見えるかどうか」だけで判断するより、UVインデックスや外出時間も合わせて確認すると実用的です。
室内・窓ガラス越しの紫外線は?
UVAとUVBでは窓ガラスの通り方にも違いがあります。
一般的な窓ガラスではUVBの多くが遮られますが、UVAは比較的通過しやすい性質があります。
そのため、
- 大きな窓のそばで長時間過ごす
- 日当たりの良い室内で仕事をする
- 長時間車を運転する
といった場面では、窓越しのUVAを意識する場合があります。
ただし、ガラスの種類やUVカット加工、フィルムなどによって透過率は異なります。
窓との距離や日当たり、滞在時間、ガラスの種類を見ながら対策を調整すると実用的です。
冬でも日焼け止めは必要?
紫外線量は季節によって変化しますが、UVA・UVBとも一年を通じて存在します。
夏だけを見るのではなく、
- 季節
- 時間帯
- 地域
- 標高
- 屋外で過ごす時間
- 地面からの反射
などを合わせて考えることが大切です。
特に雪面は紫外線を強く反射するため、スキーや雪山などでは冬でも紫外線量が大きくなることがあります。
その日のUVインデックスと行動に合わせて紫外線対策を調整する方法が合理的です。
子どもの日焼け止めはどう選ぶ?
子どもの皮膚は大人より薄く、刺激に対してデリケートです。
日本化粧品工業会では、子どもには子ども向けとして設計された日焼け止めを選ぶことを勧めています。
さらに子どもの紫外線対策では、日焼け止めだけでなく、
- 日陰を利用する
- 帽子をかぶる
- 衣類で覆う
- 長時間の屋外活動ではラッシュガードを使う
などを組み合わせると取り入れやすくなります。
乳幼児については年齢によって推奨される対応が異なるため、製品の対象年齢や使用方法を確認してください。
敏感肌の日焼け止め選び
敏感肌では、SPF・PAだけでなく処方全体と肌との相性を見ることが大切です。
選ぶときの確認ポイントとして、
- 敏感肌向けとして設計されているか
- 紫外線吸収剤の有無
- 香料やアルコールなど気になる成分
- 落とし方
- 使用感
- パッチテスト・アレルギーテスト等の表示
などがあります。
「ノンケミカル」という分類だけで判断するより、製品全体の処方と自分の肌との相性を確認すると選びやすくなります。
肌が特に敏感な時期は、腕など狭い範囲から試したり、医師の治療を受けている場合は使用する化粧品について相談したりする方法もあります。
日焼け止めはどう落とす?
日焼け止めの落とし方は製品によって異なります。
製品には、
- 洗顔料で落とせる
- 石けんで落とせる
- ボディソープで落とせる
- クレンジングが必要
など、さまざまなタイプがあります。
UV耐水性の高い製品やメイクアップ効果を持つ製品では、専用クレンジング等を推奨している場合もあります。
商品の使用方法・落とし方を確認し、必要な洗浄方法を選ぶのが基本です。
強くこするより、適切な洗浄料を十分になじませて落とす方が肌への摩擦を抑えやすくなります。
去年の日焼け止めは使える?使用期限と保管
日本の化粧品には、使用期限が書かれていないものも多くあります。
日本では、適切な保存条件のもとで、製造または輸入後3年以内に性状や品質が変化するおそれのある化粧品には、使用期限の表示が必要とされています。
使用期限の表示がない化粧品は、未開封かつ適切に保管された状態で3年以上品質を保つよう設計されていることが基本です。
ただし、一度開封した化粧品は、空気、手、温度、保管環境などの影響を受けます。
日本化粧品工業会では、開封後はできるだけ早めに使い切り、保管する場合は、
- 高温多湿を避ける
- 温度変化の大きい場所を避ける
- 直射日光を避ける
- キャップをきちんと閉める
ことを案内しています。
久しぶりに使用する場合は、におい、色、分離、質感などに変化がないかも確認しましょう。
帽子・日傘・衣類も組み合わせる
紫外線対策は、日焼け止めとほかの方法を組み合わせることで、より取り入れやすくなります。
日焼け止めと、
を組み合わせることで、肌に届く紫外線を減らしやすくなります。
WHOも、紫外線対策では日陰や衣類などを活用し、衣類で覆えない部分に日焼け止めを使用する考え方を示しています。
つまり、SPFだけを見るのではなく、紫外線を浴びる量そのものを減らすことも大切な対策です。
化粧品として表示できる日焼け止めの効果
日本では、化粧品として認められている効能表現の中に、
があります。
これは、日焼け止めやUV機能を持つ化粧品を理解するときにも重要なポイントです。
一方、紫外線は光老化やさまざまな健康影響との関連について医学・皮膚科学分野で研究されています。
商品を紹介する場合は、研究上の紫外線の影響と個別商品の効能を分け、SPF・PA・UV耐水性やメーカーが確認している使用方法など、その商品について確認された情報の範囲で説明することが基本です。
なお、医薬部外品は化粧品とは制度が異なり、その製品ごとに承認された効能・効果の範囲で表示されます。
まとめ|SPF・PAだけでなく「量・塗り直し・使う場面」を見る
日焼け止めを選ぶときは、SPFやPAの数字だけでなく、どの場面でどのように使うかまで合わせて考えることで、より実用的な紫外線対策ができます。
この記事のポイントを整理すると、
- UVAとUVBでは肌への届き方や起こりやすい反応が異なる
- SPFは主にUVB、PAはUVAの防止効果を比較する指標
- SPFは持続時間ではなく、UVB防止効果を比較するための数値
- SPF・PAは規定の試験条件と塗布量で測定されるため、実際の使用量も重要
- 紫外線防止剤には吸収剤と散乱剤があり、ノンケミカルは一般に紫外線吸収剤不使用を意味する
- UVインデックスは地域・季節で大きく変わり、ニュージーランドでは夏に12前後、北部では13を超えることもある
- 日焼け止めは十分な量をムラなく塗り、2~3時間を目安に状況に応じて塗り直す
- 帽子、衣類、日傘、日陰などを組み合わせることで総合的な紫外線対策につながる
日焼け止めは、SPF・PA・UV耐水性・UVインデックス・使用感・肌との相性・使う場面を確認して選ぶのが基本です。
そして表示された紫外線防止効果を活かすためには、十分な量を均一に塗ること、汗・水・摩擦のあとに塗り直すことまで含めて考えることが大切です。
あわせて読みたい関連記事
主な参考情報
- 日本化粧品工業会「紫外線防止の基本」
- 日本化粧品工業会「気になる紫外線用語CHECK!」
- 日本化粧品工業会「UV耐水性の表示に関するQ&A」
- 日本化粧品工業会「紫外線防止剤」
- 日本化粧品工業会「SPF・PA測定法および紫外線防止に関する自主基準」
- 環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」
- 気象庁「紫外線のデータ集」
- 気象庁「日最大UVインデックス(観測値)の月平均値」
- 厚生労働省「化粧品の効能の範囲について」
- Earth Sciences New Zealand(旧NIWA)「UV Index Information」
- SunSmart New Zealand「UV and Sun Protection Facts」
- World Health Organization. Ultraviolet Radiation.
- World Health Organization. Radiation: Protecting against skin cancer.
- ISO 24444. Cosmetics — Sun protection test methods — In vivo determination of the sun protection factor.
- ISO 24442. Cosmetics — Sun protection test methods — In vivo determination of sunscreen UVA protection.
- ISO 18861. Cosmetics — Sun protection test methods — Percentage of water resistance.
ご注意
本記事は、紫外線、日焼け止め、SPF・PA、スキンケアについての一般的な美容・健康情報を分かりやすく紹介することを目的としています。
疾病の診断・治療・治癒・予防を目的としたものではなく、特定の化粧品や医薬部外品について医学的な効果を示すものでもありません。
日焼け止めのSPF、PA、UV耐水性、使用方法、対象年齢、落とし方などは製品によって異なります。実際に使用する際は、各商品の表示やメーカーが案内する使用方法をご確認ください。
UVインデックスは地域、季節、天候、時刻などによって変化します。記事内の日本・ニュージーランドの数値は、それぞれの公的機関が公表している観測値や一般的な傾向を紹介したものであり、毎日のUVインデックスを固定的に示すものではありません。
肌に赤み、腫れ、かゆみ、強い刺激などの異常が現れた場合は使用を中止し、症状が続く場合は皮膚科医などの医療専門家へご相談ください。
皮膚疾患の治療中、医師から紫外線について特別な指示を受けている方、光線過敏症などがある方は、使用する紫外線対策について医師へご相談ください。