「肩が重い」「首から肩にかけて張っている」「デスクワークをしていると肩がつらくなる」――。
肩こりは、年齢や性別を問わず多くの人が経験する身近な症状の一つです。
特に、パソコンやスマートフォンを長時間使う生活では、頭を前に出した姿勢や同じ姿勢を続ける時間が長くなり、首や肩まわりに負担がかかりやすくなります。
ただし、肩こりの原因を「血流が悪いから」「運動不足だから」「自律神経が乱れているから」と一つに決めつけることはできません。
姿勢、仕事内容、身体活動、ストレス、作業環境などさまざまな要因が関係することがあり、ときには頚椎や肩関節など別の病気に伴って肩こりのような症状が現れる場合もあります。
また、40代・50代の女性では「更年期だから肩がこるのでは?」と考えることもあるかもしれません。
肩こりは更年期にみられることがある症状の一つですが、肩こり=更年期と判断できるわけではありません。
この記事では、肩こりとはどのような状態なのか、デスクワークやスマートフォン、姿勢、運動不足、ストレス、更年期との関係、日常生活で意識したいこと、肩こりと五十肩の違い、そして医療機関へ相談した方がよい症状まで、わかりやすく解説します。
肩こりとは?どんな状態を指す?
一般に「肩こり」と呼ばれているのは、首すじや首の付け根から肩、背中にかけて、
- 張っている
- 凝っている
- 重く感じる
- だるい
- 痛みを感じる
といった感覚が現れる状態です。
人によって感じ方は異なり、肩だけではなく首の付け根や肩甲骨周辺に不快感を感じる場合もあります。
肩こりには複数の筋肉が関係している
首から肩、背中にかけては多くの筋肉があり、肩こりにはそのうち複数の筋肉が関係します。
代表的なのが僧帽筋です。
僧帽筋は首の後ろから肩、背中にかけて広がる大きな筋肉で、頭や首、肩甲骨周辺の動きや姿勢を支える役割があります。
ただし、「僧帽筋だけが硬くなるから肩こりになる」という単純なものではありません。
首や肩周辺にはさまざまな筋肉や関節があり、作業姿勢や身体の使い方などによって負担のかかる場所も変わります。
肩こりと「肩の病気」は同じではない
肩こりという言葉から、肩関節そのものに問題が起きていると考える方もいるかもしれません。
しかし、一般的な肩こりでは、首から肩・背中にかけての張りや不快感が中心となり、必ずしも肩関節そのものに病気があるわけではありません。
一方、肩関節そのものが動かしにくい、腕が上がらない、着替えなどの日常動作が難しい場合には、一般的な肩こりではなく、五十肩(肩関節周囲炎)など別の問題が関係している可能性があります。
詳しい受診の目安については、後半で説明します。
肩こりをシンプルに考えると
首すじ・首の付け根・肩・背中などに
張り、凝り、重さ、だるさ、痛みを感じる
↓
姿勢や身体の使い方などさまざまな要因が関係する
↓
肩関節の動きに大きな制限がある場合は、別の問題も考える
なぜ肩がこる?主な原因・関連要因
肩こりには一つだけの原因があるわけではありません。
同じ「肩が重い」という症状でも、人によって背景は異なります。
特に日常生活と関係しやすい要因として、次のようなものがあります。
長時間同じ姿勢を続ける
パソコン作業、デスクワーク、読書、細かな手作業などでは、長時間ほとんど同じ姿勢を続けることがあります。
その状態では、頭や腕を支えるために首や肩周辺の筋肉が長時間働き続けることになります。
特に作業へ集中していると、本人が気づかないうちに何十分、何時間もほとんど姿勢を変えていないことがあります。
肩こりが気になる場合には、単に「姿勢を良くする」だけでなく、同じ姿勢を長く続けすぎないことも重要です。
前かがみ・頭が前に出た姿勢
パソコンの画面を見るときやスマートフォンを操作するときには、自然と顔が画面へ近づき、頭が前に出やすくなります。
頭が身体の中心より前へ出た状態が長く続くと、頭を支える首や肩周辺への負担が大きくなることがあります。
ただし、「正しい姿勢を一日中維持すれば肩こりにならない」と考える必要はありません。
一つの姿勢を完璧に保つことよりも、作業環境を調整し、ときどき姿勢を変えることが大切です。
運動不足・身体を動かす機会の減少
日常的に身体を動かす機会が少ないことも、肩こりと関連する要因の一つとして挙げられています。
デスクワーク中心の生活では、仕事中だけでなく、移動や休憩時間にも座っていることが多くなりがちです。
肩こりがあるからといって激しい運動をする必要はありませんが、日常生活の中で身体を動かす時間を持つことは、健康管理の基本の一つです。
精神的なストレス
忙しい仕事や人間関係などで緊張した状態が続くと、無意識に肩へ力が入っていることがあります。
例えば、
「気づくと肩をすくめている」
「パソコンに集中していると肩に力が入っている」
という経験がある方もいるでしょう。
精神的ストレスは肩こりと関連する要因の一つとされていますが、肩こりを「自律神経が乱れている証拠」と判断したり、ストレスだけが原因だと決めつけたりすることはできません。
作業環境や身体の使い方
机や椅子、ディスプレイ、キーボード、マウスなどの位置が自分の身体に合っていないと、無理な姿勢を長時間続けやすくなります。
また、片側だけで重いバッグを持ち続けるなど、身体の一部へ負担が偏る習慣も肩周辺の不快感に関係する場合があります。
「肩こり=血流が悪いだけ」ではない
肩こりについては、「血流が悪いから起こる」という説明をよく見かけます。
筋肉の緊張と血流は関係しますが、肩こりを血流だけですべて説明することはできません。
姿勢、運動量、仕事内容、ストレス、筋肉や関節の状態、他の病気など、複数の要因を考える必要があります。
そのため、「血流を良くすれば肩こりは必ず治る」「血の塊や老廃物を流せば解消する」といった単純な説明には注意しましょう。

パソコン・スマートフォンと肩こりの関係
現代の生活では、パソコンやスマートフォンを長時間使用することが珍しくありません。
こうした機器と肩こりを考えるときに重要なのは、画面を見るときの姿勢や作業時間など、身体への負担を含めて考えることです。
長時間の画面作業では姿勢が固定されやすい
パソコン作業では、
- 頭が前に出る
- 背中が丸くなる
- 肩が上がったままになる
- 腕を同じ位置で保持する
- 長時間ほとんど身体を動かさない
といった状態になりやすくなります。
厚生労働省の情報機器作業に関するガイドラインでも、自然で無理のない姿勢で作業できるよう、椅子、机、ディスプレイ、キーボード、マウスなどを調整することが重要とされています。
ディスプレイの位置を見直す
パソコンを使う場合には、画面を見るために首を大きく前へ突き出したり、長時間うつむいたりしなくてもよい位置へディスプレイを調整することが大切です。
厚生労働省のガイドラインでは、デスクトップ型パソコンの場合、ディスプレイの上端が眼の位置より下になるようにし、画面との距離をおおむね40cm以上確保することなどが示されています。
ただし、体格や視力、使用する機器などには個人差があります。
数字だけにこだわるのではなく、無理に首を曲げたり身体を前へ乗り出したりしなくても画面を見られる環境をつくることが重要です。
椅子と机の高さも確認する
座って作業するときには、椅子へ深く腰をかけ、背もたれを利用し、足裏が床につく状態を基本として考えます。
足が床へ届かない場合には、足台などを使う方法もあります。
キーボードやマウスも遠すぎると腕を前へ伸ばし続けることになるため、自然に操作できる位置へ調整しましょう。
「良い姿勢」でも長時間続けすぎない
肩こり対策というと、つい「正しい姿勢をずっと維持しなければ」と考えがちです。
しかし、どれだけ整った姿勢でも、同じ姿勢を長時間続ければ身体への負担が増えることがあります。
情報機器を使う仕事では、長時間連続して画面を見続けないようにし、ときどき姿勢を変えたり、身体を動かしたりすることが大切です。
厚生労働省のガイドラインでは、一定の情報機器作業について、一連続作業時間が1時間を超えないようにし、作業の間に休止時間や短い小休止を設ける考え方が示されています。
仕事の内容によって同じ方法を取れないこともありますが、長時間まったく動かない状態を減らすという考え方は参考になります。
スマートフォンでは「うつむく時間」に注意
スマートフォンはパソコンより画面が小さく、手元で操作することが多いため、顔を下へ向けた姿勢になりやすい特徴があります。
SNS、動画、ゲーム、読書などへ集中すると、その姿勢を長時間続けてしまうこともあります。
肩や首が気になる場合には、
- 長時間続けて使わない
- ときどき端末から目を離す
- 姿勢を変える
- 首や肩へ力が入り続けていないか確認する
といった使い方を意識してみましょう。
なお、ブルーライトそのものを肩こりの直接的な原因として単純に結びつけるのではなく、画面を長時間見る際の姿勢や作業時間なども含めて考えることが大切です。
デスクワーク・スマホで意識したいこと
画面を見るために頭を前へ出し続けない
↓
机・椅子・画面の位置を調整する
↓
長時間同じ姿勢を続けない
↓
ときどき姿勢を変えて身体を動かす
更年期と肩こりの関係
40代、50代の女性で肩こりを感じると、
「更年期だから肩がこるのでは?」
「女性ホルモンが減ったことが原因?」
と考えることもあるでしょう。
肩こりは、更年期にみられることがある症状の一つとして挙げられています。
ただし、更年期になれば肩こりになる、あるいは女性ホルモンの低下だけが肩こりを起こす、と単純に考えることはできません。
更年期女性にも肩こりを感じる人はいる
日本女性医学学会では、更年期女性にも肩こりを訴える人は少なくないとしています。
一方で、更年期にみられる肩こりがどのような特徴を持つのか、日常生活へどのような影響を与えるのかについては、まだ十分に解明されていない部分があります。
また、更年期になって突然肩こりが始まる人だけではなく、若い頃から肩こりがあり、それが続いている人もいます。
「ホルモンバランスが乱れたから肩こり」と決めつけない
更年期にはエストロゲンが大きくゆらぎながら低下していき、身体にはさまざまな変化が起こります。
しかし、肩こりについては、
「女性ホルモンが減少する」
↓
「自律神経が乱れる」
↓
「血流が悪くなる」
↓
「肩こりになる」
という一つの流れだけで説明できるものではありません。
40代、50代では、
- 長時間のデスクワーク
- スマートフォンの使用
- 運動量の変化
- 仕事や家庭での負担
- 睡眠の変化
- 精神的ストレス
- 頚椎や肩関節の変化
など、複数の要因が同時に関係している可能性があります。
「更年期だから仕方がない」と放置しない
肩こりを感じても、
「年齢のせいだから」
「更年期だから仕方がない」
と考えてしまうことがあります。
しかし、肩の痛みや首の症状の背景には、頚椎や肩関節などの病気が隠れている場合もあります。
特に、肩関節が動かしにくい、腕が上がらない、手や腕にしびれがあるなど、通常の肩こりとは異なる症状がある場合には、年齢や更年期だけで判断しないことが重要です。
更年期と肩こりを考えるときのポイント
肩こりは更年期にみられることがある
↓
しかし、更年期だけに起こる症状ではない
↓
女性ホルモンだけを原因と決めつけない
↓
姿勢・作業環境・運動・ストレス・身体の状態なども含めて考える
肩こりを感じるときに生活で意識したいこと
肩こりを感じると、
「マッサージをした方がよい?」
「運動不足だから筋トレをした方がよい?」
「温めた方がよい?」
と、一つの対処法を探したくなることがあります。
しかし、肩こりには姿勢、作業時間、運動量、ストレス、身体の状態など、さまざまな要因が関係します。
そのため、一つの方法だけで対処しようとするより、日常生活の中で首や肩へ負担がかかり続けていないかを見直すことが大切です。
長時間身体を同じ状態に固定しない
デスクワークやスマートフォンの使用では、作業へ集中するほど同じ姿勢が続きやすくなります。
肩や首が気になる場合には、
- 姿勢を変える
- 立ち上がる
- 少し歩く
- 肩や腕を無理のない範囲で動かす
など、身体を長時間同じ状態に固定しないことを意識してみましょう。
また、机・椅子・ディスプレイ・キーボード・マウスなども、首や肩に無理な力を入れなくても作業できる位置へ調整します。
「正しい姿勢をずっと保つ」ことだけを目標にするのではなく、ときどき姿勢を変えることも大切です。
無理のない範囲で身体を動かす
運動不足は肩こりと関連する要因の一つとして挙げられています。
一方で、肩こりがあるからといって急に強度の高い筋力トレーニングを始める必要はありません。
日常生活では、
- 歩く時間を増やす
- 長時間座り続ける時間を減らす
- 軽い体操を取り入れる
- 自分の体力に合った運動を続ける
といった方法から考えてみましょう。
特定の運動を「肩こりを治す運動」と考えるのではなく、無理のない身体活動を日常的に続けることを健康管理の一つとして考えます。
温めることが心地よい場合もある
入浴や蒸しタオルなどで首や肩周辺を温めると、心地よく感じる方もいます。
ただし、すべての肩や首の症状に温める方法が適しているとは限りません。
転倒やスポーツなどによる急なけがの直後、腫れや熱感が強い場合などには、自己判断で強く温め続けず、必要に応じて医療機関へ相談してください。
睡眠や休養も含めて生活全体を見る
疲労が蓄積しているときや睡眠が不足しているときには、首や肩の不快感をより強く感じる場合があります。
一方で、
「肩こりがあるから不眠症になる」
「睡眠不足だから肩こりになる」
と、一方向だけの原因として考えることはできません。
肩や首が気になるときには、姿勢や身体活動だけでなく、睡眠や休養も含めて日々の生活全体を振り返ってみましょう。
毎日の生活で確認したいポイント
長時間身体を同じ状態に固定しない
↓
作業環境を無理のない位置へ調整する
↓
自分に合った範囲で身体を動かす
↓
心地よい範囲で休養を取り入れる
↓
睡眠も含めて生活全体を振り返る
ストレッチ・マッサージはどう考える?
肩こりを感じたとき、ストレッチやマッサージをする方も多いでしょう。
軽く身体を動かしたり、ときどき姿勢を変えたりすることは、日常生活で取り入れられるセルフケアの一つです。
ただし、強く押したり、痛みを我慢して伸ばしたりすればよいわけではありません。
ストレッチは痛みのない範囲で
首や肩を動かす場合には、無理をせず、痛みのない範囲でゆっくり行いましょう。
例えば、
- 肩をゆっくり上げて力を抜く
- 肩を前後へゆっくり動かす
- 腕を無理のない範囲で動かす
- 長時間座ったあとに立ち上がって身体を伸ばす
などがあります。
「肩こりにはこの運動が絶対に効く」という一つの方法にこだわる必要はありません。
年齢、運動経験、肩関節や頚椎の状態などによって、無理なくできる運動は異なります。
首を勢いよく大きく回さない
肩や首が重いと、首を大きく回したくなることがあります。
しかし、首に痛みがある場合や頚椎に問題がある場合には、無理な動きが負担になる可能性があります。
首を動かす場合には、勢いをつけて大きく回すのではなく、痛みのない範囲でゆっくり動かしましょう。
強い刺激を加えればよいとは限らない
「強く押した方がよい」と考える方もいますが、強い刺激を続ければよいとは限りません。
痛い場所へ無理に強い圧を加えたり、硬い物を身体の下へ置いたまま長時間圧迫したりする方法は避けた方がよいでしょう。
セルフマッサージを行う場合にも、痛みを我慢するほど強く行わないことが大切です。
しびれや筋力低下がある場合はセルフケアだけで済ませない
肩こりに加えて、
- 腕や手にしびれがある
- 手に力が入りにくい
- 物を落としやすくなった
- 腕を動かしにくい
などの症状がある場合には、頚椎や神経など別の問題が関係している可能性があります。
ストレッチやマッサージだけを続けず、医療機関へ相談することを考えましょう。
肩こりと食事・サプリメント・アロマの考え方
肩こりについて調べると、食事や栄養素、サプリメント、ハーブティー、アロマなどとの関係を紹介する情報を目にすることがあります。
しかし、肩こりは姿勢、身体の使い方、運動量、作業環境、ストレス、筋肉や関節の状態など、さまざまな要因が関係するため、特定の食品や健康食品だけで対処しようと考えることは適切ではありません。
食事は健康管理の基本として考える
たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素は、健康な身体を維持するために必要です。
ただし、特定の栄養素や食品を肩こりの改善や予防を目的として結びつけることは適切ではありません。
普段の食事では、一つの食品や栄養素だけに偏るのではなく、食事全体のバランスを考えることが基本です。
サプリメントは医療の代わりではありません
サプリメントは食品であり、肩や首の症状の原因を診断したり、頚椎や肩関節などの病気を治療したりするものではありません。
肩や首の症状が長く続いている場合には、サプリメントなどだけに頼って医療機関への相談を遅らせないことが大切です。
ハーブティーやアロマは日常の楽しみとして
ハーブティーを飲んだり、好みの香りを楽しんだりする時間が、休憩や気分転換のきっかけになる方もいるでしょう。
ただし、それらを肩こりの治療方法として位置づけるのではなく、日常生活の中で香りやティータイムを楽しむことと、肩や首の症状への医学的な対応は分けて考えることが大切です。
食事・健康食品について覚えておきたいこと
食事は日々の健康管理の基本
↓
特定の食品や栄養素だけに偏らない
↓
サプリメントは医療の代わりではない
↓
症状が続く場合には原因を確認する
「ただの肩こり」ではないことも|受診の目安
肩こりは非常に身近な症状なので、
「いつもの肩こりだから」
「長年あるから大丈夫」
と考えてしまうことがあります。
しかし、首や肩の不快感の背景には、頚椎や肩関節の病気など、別の原因が隠れている場合があります。
腕や手のしびれが続く
首や肩の症状に加えて、腕から手にかけてしびれが続いている場合には、神経が関係する病気なども考える必要があります。
特に、
- しびれが続いている
- しびれる範囲が広がっている
- 手や腕に力が入りにくい
- 細かな作業がしにくくなった
といった変化がある場合には、単なる肩こりとして放置せず、整形外科などへ相談しましょう。
腕が上がらない・肩関節を動かしにくい
肩こりと五十肩(肩関節周囲炎)は同じものではありません。
一般的な肩こりでは首から肩・背中の張りや凝りなどが中心ですが、五十肩など肩関節の問題では、
- 腕を上へ上げにくい
- 髪を整える動作が難しい
- 服を着たり脱いだりしにくい
- 背中へ手を回しにくい
- 夜に肩が痛む
など、肩関節そのものの動きに支障が出ることがあります。
こうした症状がある場合には、「肩こりがひどくなっただけ」と決めつけないことが大切です。
外傷のあとから痛みが続いている
転倒、交通事故、スポーツ中のけがなどをきっかけに肩や首が痛くなった場合には、一般的な肩こりとは分けて考える必要があります。
強い痛みがある場合や、時間がたっても症状が続いている場合には医療機関へ相談してください。
強い痛みや発熱などを伴う場合
肩や首の症状に加えて、
- 強い痛みが急に現れた
- 発熱がある
- 体調が明らかに悪い
といった場合には、一般的な肩こりのセルフケアだけで様子を見ず、症状に応じて医療機関へ相談してください。
胸の痛みや息苦しさなどを伴う場合
肩や首の不快感に加えて、胸の痛みや圧迫感、息苦しさ、冷や汗、吐き気などが急に現れた場合には、「肩こりだろう」と自己判断しないことが重要です。
こうした症状は緊急の対応が必要な病気でもみられるため、症状が強い場合や急に現れた場合には、速やかに救急医療を利用してください。
長く続いて日常生活へ影響している場合
強いしびれや急な痛みがなくても、
- 肩や首の症状が長期間続いている
- 仕事や家事に支障が出ている
- 夜眠れないほど痛む
- セルフケアを続けても症状が変わらない
といった場合には、一度医療機関で原因を確認することを考えましょう。
「肩こりだから病院へ行くほどではない」と我慢する必要はありません。
原因が分からない場合には、まず整形外科などで相談することが一つの選択肢です。
まとめ|肩こりの原因を一つに決めつけないことが大切
肩こりは、首すじや首の付け根から肩、背中にかけて、張り、凝り、重さ、だるさ、痛みなどを感じる状態です。
身近な症状ですが、その背景は人によって異なります。
今回覚えておきたいポイントは、
- 肩こりには姿勢や身体の使い方など複数の要因が関係する
- 長時間同じ姿勢を続けることは首や肩への負担につながることがある
- パソコンやスマートフォンでは姿勢や使用時間も含めて考える
- 肩こりを「血流が悪いだけ」「自律神経の乱れだけ」と決めつけない
- 肩こりは更年期にもみられるが、更年期だけの症状ではない
- ストレッチやマッサージは無理に強く行わない
- 食事や健康食品だけで肩こりへ対処しようとしない
- 肩こりと五十肩など肩関節の病気は同じではない
- しびれ、筋力低下、強い痛み、肩の動かしにくさなどがある場合には医療機関へ相談する
- 胸の痛みや息苦しさなどが急に現れた場合には、肩こりと自己判断しない
という点です。
肩こりが気になるときには、まず長時間同じ姿勢になっていないか、机や椅子、画面の位置に無理がないか、身体を動かす時間が極端に少なくなっていないかなど、日常生活を振り返ってみましょう。
無理のない範囲で身体を動かしたり、適度に休憩したり、入浴など自分が心地よく感じる方法を取り入れることも選択肢です。
一方で、肩や首の症状が続いている場合や、腕・手のしびれ、筋力低下、肩関節の動かしにくさなどを伴う場合には、「いつもの肩こり」と自己判断せず、医療機関へ相談しましょう。
【ご注意】
本記事は、肩こり、首や肩への負担、姿勢、デスクワーク、スマートフォン、運動、ストレッチ、更年期などについて一般的な情報を紹介することを目的としています。疾病の診断、治療、治癒または予防を目的としたものではありません。
肩や首の強い痛み、腕や手のしびれ・筋力低下、肩関節の動かしにくさ、外傷後の痛みなどがある場合や、症状が長く続いて日常生活へ影響している場合には、自己判断だけで済ませず医師などの医療専門家へご相談ください。胸の痛みや圧迫感、息苦しさなどが急に現れた場合には、必要に応じて速やかに救急医療を利用してください。