82歳になった今も、凛とした美しさと率直な言葉で人々を魅了する俳優・加賀まりこさん。若い頃には「小悪魔」の愛称で人気を集め、映画『月曜日のユカ』『乾いた花』からドラマ『花より男子』『やすらぎの郷』、映画『梅切らぬバカ』まで、60年以上にわたって活躍してきました。
2026年にはNHK連続テレビ小説『ブラッサム』で85歳の主人公を演じ、ドラマ『しあわせは食べて寝て待て』の特別編にも出演。長い俳優人生を歩んできた今も、新しい役柄との出会いを楽しんでいます。
そんな加賀さんの美容法は、化粧水、日焼け止め、就寝前のクリームを中心としたシンプルなスキンケア。3日に一度という独自の洗顔・洗髪習慣に加え、週に一度のオイルマッサージ、70歳から始めたピラティスなど、自分の感覚を大切にした習慣を続けています。
2023年には化粧水1本を中心としたお手入れを紹介し、2026年には日焼け止めや夜のクリームについても語りました。長年の経験を通して、自分にとって心地よい美容との付き合い方を見つけてきた様子がうかがえます。
健康面では、更年期による心身の変化を経験し、80代で禁煙を決意。聞こえやすさを大切にして補聴器を使用するなど、現在の自分が快適に暮らせる工夫も取り入れています。
食生活では、とんかつやお寿司、ラーメンなど好きな料理を楽しみ、80代になってからは仕事を通して旬の野菜や薬膳にも関心を持つようになりました。読書、麻雀、朝の散歩、友人との交流も、毎日の暮らしを豊かにしています。
今回は、加賀まりこさん本人のインタビューや公式資料をもとに、スキンケア、ヘアケア、運動、食生活、飲み物、健康管理、結婚・家族、交友関係まで詳しく紹介します。華やかな俳優人生の裏側にある、飾らない美容観と自分らしい年齢の重ね方を見ていきましょう。
1.加賀まりことは?代表作・経歴と自由な美意識の原点
神楽坂で育ち、10代で映画界へ
加賀まりこさんは1943年12月11日、東京都生まれ。2026年10月現在82歳です。
父親は映画会社・大映のプロデューサー、兄も松竹のプロデューサーという映画に縁の深い家庭で育ちました。姉も放送業界で働いており、幼い頃から芸能や文化の世界が身近にありました。
母親は自分の意思を大切にする江戸っ子で、世間体よりも自分で考えて行動することを重視していたそうです。
姉や兄とは年齢が離れていたため、大人たちに囲まれながら、自分の時間を楽しむことも多かったといいます。
学校の帰りには神保町の古本屋へ立ち寄り、夕方まで立ち読みをしていたことも。母親から渡されたお金を交通費に使うか、好きなものを買うかといった選択も、自分で考えていたそうです。
幼い頃から本を読み、興味を持ったことには自分で行動する。そんな少女時代の経験が、現在も続く好奇心や独立心の原点になったのでしょう。
高校在学中、映画監督の篠田正浩さんと劇作家の寺山修司さんに声をかけられたことをきっかけに芸能界へ。1962年、篠田監督の映画『涙を、獅子のたて髪に』でデビューしました。
1964年公開の『月曜日のユカ』では自由奔放なヒロインを演じ、同年の『乾いた花』でも独特の存在感を発揮。愛らしい容姿と率直な言動から「小悪魔」と呼ばれるようになりました。
当時から自分の考えを自分の言葉で伝える姿勢を大切にし、仕事の条件や出演料についても自ら交渉することがあったそうです。
華やかな芸能界に身を置きながら、仕事も人生も自分で選ぶ。その姿勢は、若い頃から加賀さんの大きな特徴でした。
20歳で単身パリへ|美意識と人生観を広げた経験
人気が高まっていた20歳の頃、加賀さんは俳優業を一時休み、単身フランス・パリへ渡りました。
自分の仕事で得た収入を使い、以前から興味を持っていた海外の文化に直接触れる道を選んだのです。
パリではフランス語を学び、映画監督やファッション関係者と交流。イヴ・サンローランさんの自宅を訪れる機会もありました。
現地で心を惹かれたのは、誰と食事をし、どんな服を着て、その日をどう過ごすかを大切にする生活文化でした。
ファッションや芸術が暮らしと自然につながり、一日一日を楽しむ感覚に触れたことは、加賀さんの美意識をさらに広げる経験となりました。
その後、劇団四季の舞台『オンディーヌ』への出演を機に帰国。観客からの拍手に心を動かされ、本格的に演技を学びたいという思いが芽生えます。
発声、ダンス、パントマイムなどを学び直し、俳優としての技術を磨きました。すでに人気を得ていた加賀さんが、新たな学びに向き合ったことも印象的です。
その後は『泥の河』『麻雀放浪記』、連続テレビ小説『澪つくし』『私の青空』など、映画・ドラマ・舞台で幅広い役柄を演じてきました。
2005年のドラマ『花より男子』では、松本潤さん演じる道明寺司の母親・道明寺楓役で登場。井上真央さん演じる牧野つくしとの恋愛に立ちはだかる厳格な母親を演じ、若い世代にも名前が広まりました。
2017年からの『やすらぎの郷』シリーズでは、浅丘ルリ子さんらベテラン俳優と共演。2021年の主演映画『梅切らぬバカ』では、自閉症の息子と暮らす母親を演じています。
2026年9月28日に放送が始まった連続テレビ小説『ブラッサム』では、主人公・葉野珠の85歳の姿を担当。松たか子さん演じる秘書・藤川優子とともに、第1〜3回に登場しました。
若き日の珠を演じる石橋静河さんと、人生の晩年を演じる加賀さん。それぞれの年代を通して、一人の女性の生き方を描く作品です。
10代で映画界へ入り、80代になっても新しい役柄に向き合う。仕事を通して学び続ける姿勢は、加賀さんの美容や健康への考え方にもつながっています。
豆知識①|小学生でオードリー・ヘプバーンの髪型に挑戦
映画『ローマの休日』で見たオードリー・ヘプバーンのショートカットに憧れた加賀さん。小学生の頃、自分も同じ髪型にしたいと思い、一人で美容院へ出かけたそうです。おしゃれな美容院を自分で選んで足を運んだというエピソードからは、幼い頃からの美意識と行動力が伝わってきます。
2.加賀まりこのスキンケア|化粧水・日焼け止め・夜のクリーム
2023年は化粧水を中心に、2026年には日焼け止めとクリームも紹介
加賀さんの美容法で注目したいのが、シンプルなスキンケアです。
2023年12月放送のNHK『あさイチ』では、普段のお手入れについて、身近なお店で購入した化粧水1本を使っていると明かしました。
当時80歳だった加賀さんが登場すると、スタジオではその美しい姿に驚きの声が上がりました。
スキンケアについて尋ねられた加賀さんは、化粧水をたっぷり使っていることを紹介。30代には高級な化粧品を使っていた時期もあり、年齢と経験を重ねる中で自分に合うお手入れを大切にするようになった様子がうかがえます。
さらに2026年9月のインタビューでは、普段使っているものとして、化粧水、日焼け止め、夜寝る前につけるクリームを挙げています。
2023年には化粧水を中心に紹介し、2026年には日中の紫外線対策や夜のクリームにも言及。取材時期によって本人が紹介したアイテムに違いがあり、美容への考え方を年代ごとに知ることができます。
使うアイテムの数や価格にこだわるより、自分の肌に心地よく使えるものを選ぶ。長年の経験を通して、自分なりのお手入れを続けている様子が印象的です。
若い頃から映画やドラマの撮影でプロのメイクに接し、さまざまな美容アイテムに触れてきた加賀さん。その経験を経て、私生活ではシンプルな方法を大切にしています。
3日に一度の洗顔と母親から受け継いだ美意識
2026年のインタビューで特に話題になったのが、顔を洗うのは3日に一度という独自の習慣です。
加賀さんは、洗いすぎると肌に必要なものまで失われるように感じると語っています。
長年の生活の中で、自分の肌の状態や感覚を大切にしながらお手入れを続けてきたそうです。
肌質や生活環境、メイクや日焼け止めの使用状況によって、適切な洗顔方法は異なります。加賀さんの洗顔頻度は、本人の経験から生まれた独自の美容習慣です。
幼い頃から自分で考え、行動することを大切にしてきた加賀さん。その姿勢は、美容についても自然に表れています。
また、美しいフェースラインについては、90歳で亡くなった母親の姿が印象に残っているそうです。
母親は年齢を重ねてもあごから首にかけてのラインが美しく、加賀さん自身も似た特徴を受け継いでいると感じていると語っています。
母親は美意識とともに、自由な生き方にも影響を与えた存在でした。自分の容姿の中に母親の面影を見つけるという話からは、家族への温かな思いも伝わってきます。
豆知識②|若尾文子さんから教わったフェースラインの話
10代の頃、撮影所で若尾文子さんがよくガムを噛んでいる姿を見かけた加賀さん。理由を尋ねると、フェースラインを意識していると教えてくれたそうです。加賀さん自身はガムが好きではなかったものの、あごのラインに関心を持つきっかけになった出来事として覚えています。
3.加賀まりこのヘアケアとオイルマッサージ|仕事から生まれた美容習慣
3日に一度の洗髪は昭和の映画撮影がきっかけ
顔と同じく、加賀さんは髪を洗うのも3日に一度と語っています。
その背景には、映画デビューした昭和30年代の撮影現場での経験がありました。
映画では一つの場面を数日に分けて撮影することがあり、前後の映像で衣装やメイク、髪型をそろえる必要があります。
加賀さんが髪を洗って撮影所へ行くと、前日と髪の状態が変わってしまい、スタッフから注意されたことがあったそうです。
それ以来、洗髪の間隔を空けるようになり、長年の生活習慣として定着しました。
本人は現在の豊かな髪についても、この習慣との関係をユーモアを交えて語っています。
髪質や頭皮の状態には個人差があり、洗髪の頻度はそれぞれの生活に合わせて考える必要があります。加賀さんの場合、若い頃の仕事の経験が80代の美容習慣にまでつながっている点が興味深いところです。
60年以上前の撮影所の出来事が、現在のヘアケアを語る中に登場する。長い俳優人生ならではのエピソードです。
週に一度のオイルマッサージと、新しい撮影への挑戦
2026年9月のインタビューでは、週に一度のオイルマッサージとピラティスを、忙しくても欠かさないと話しています。
加賀さんは80代になった現在も、映画やドラマの撮影、取材などの仕事を続けています。
長年にわたって体を使う仕事に向き合ってきた中で、定期的に自分をいたわる時間を確保しているのでしょう。
日々のスキンケアはシンプルにしながら、体と向き合う時間には手間をかける。そんな美容との付き合い方が見えてきます。
2026年8月には、NHKドラマ『しあわせは食べて寝て待て~早春の養生編~』で、長い俳優人生でほとんど経験のなかった入浴シーンにも挑戦しました。
加賀さんは80代の自分の肌を見せるつもりで楽しみにしていたと、ユーモアを交えて語っています。
60年以上も俳優として活動していながら、新しい撮影体験がある。その出来事を楽しんでいるところに、現在の加賀さんの魅力が表れています。
豆知識③|85歳の役作りで選んだ眼鏡と姿勢へのこだわり
『ブラッサム』で85歳の主人公を演じる際、加賀さんはモデルとなった作家・宇野千代さんを思い浮かべ、役に合う眼鏡を探しに出かけたそうです。東京・青山で気に入った眼鏡を見つけたことで、役を演じるイメージが膨らんだといいます。さらに、演出家から背中を丸めるよう提案された際には、自身の普段の姿勢と、年齢だけで姿勢を決めない考えから、背筋を伸ばした役作りを大切にしました。
4.加賀まりこの運動・健康習慣|ピラティス・更年期・補聴器・禁煙
70歳から始めたピラティスと毎日の運動
加賀さんの健康習慣の中心となっているのが、70歳頃から始めたピラティスです。
2023年の『ESSEonline』のインタビューでは、週1〜2回の頻度で通っていると語っています。
自分の足で歩き続け、好きな場所へ出かけられることを大切にしている加賀さん。ピラティスを通して、体の動かし方にも意識を向けるようになりました。
特に、歩くときには足の親指を意識して使うようになったそうです。
2026年1月のテレビ出演でも、ピラティスを約12年間続けていることを明かしています。
70代で新しく始めた運動が、80代になっても生活の一部になっていることは印象的です。
2023年の写真撮影では、加賀さんが次々とポーズを変える姿に、撮影スタッフがその柔軟性や体幹の強さを感じたというエピソードも紹介されています。
普段の暮らしでは、朝起きたら自宅前の坂道を往復することもあるそうです。
距離は数十メートルほどですが、加賀さんにとっては朝の大切な時間。すれ違う人に心がときめくなど、身近な場所にも小さな楽しみを見つけています。
また、自宅ではテレビを見ながらV字開脚をすることも。ピラティスの時間に加えて、毎日の暮らしにも自然に体を動かす機会があります。
2026年4月には、東京の街を歩いていて、途中で気軽に座って休めるベンチが少ないと感じることも語りました。
歩くことを大切にしている加賀さんだからこそ、年齢を重ねても快適に外出できる街への関心があるのでしょう。
更年期に経験した心身の変化と、好きなことを楽しむ時間
華やかな俳優人生を送ってきた加賀さんですが、40代から50代にかけて、更年期による心身の変化を経験したことも率直に語っています。
2023年の『あさイチ』では、45歳頃に更年期を迎えたと振り返りました。
大量の汗をかき、暑さと寒さを繰り返し感じるようになり、それまで興味を持っていたことに気持ちが向かなくなる時期もあったそうです。
2025年のインタビューでは、49歳頃から約5年間にわたり更年期の不調を経験したとも紹介されています。
取材によって語られた年齢には違いがありますが、40代から50代にかけて体調の変化と向き合ってきたことがわかります。
そんな時期に気分転換の一つとなったのが、長年の趣味である麻雀でした。
友人たちと集まり、目の前の牌に集中していると、気持ちを切り替えられたそうです。仕事のせりふも、気分転換した後には覚えやすく感じたと振り返っています。
2023年の『あさイチ』では、黒柳徹子さん、風吹ジュンさんとともに、人生経験を通して得た考え方を伝える企画に参加しました。
更年期が始まったと打ち明けた女性アナウンサーに、加賀さんは自分の経験を重ねながら温かな言葉をかけています。
かつて自分が経験した戸惑いや体調の変化を、今はほかの女性に伝えられる。長い人生経験から生まれる優しさが感じられる場面でした。
補聴器の使用と80代で決意した禁煙
2025年の『ハルメク』で精神科医の和田秀樹さんと対談した際、加賀さんは80代になってから感じる体の変化について率直に語っています。
朝起きたときの体のこわばりや、首、腰、目などの不調を感じることがあるそうです。
さらに、聞こえにくさに対応するため補聴器を使っていることも明かしました。
加賀さんが大切にしているのは、相手の言葉をきちんと聞き、会話を楽しめることです。
必要な道具を自然に取り入れ、毎日の生活を心地よく過ごす。そんな前向きな健康観が伝わってきます。
また、2024年の『婦人公論』で内田有紀さんと対談した際には、禁煙したことを明かしました。
きっかけとなったのは、心臓のカテーテル検査です。
検査中に自分の心臓や血管の映像を見て、これからの体をもっと大切にしたいと感じたそうです。
医師から血管の状態について説明を受けたことも、長年の生活習慣を見直す決断につながりました。
対談では、禁煙後はタバコを吸いたいと思わなくなったとも話しています。
70歳からピラティスを始め、80代になって禁煙する。年齢に合わせて新しい選択ができるところに、加賀さんの柔軟さと行動力が表れています。
豆知識④|心臓の検査室を宇宙空間のように感じた
2024年に心臓のカテーテル検査を受けたとき、加賀さんは検査室の光景を宇宙空間のようだと感じたそうです。初めて目にする医療機器や検査の様子にも興味を持ち、独特の感想を残しました。緊張する場面でも、目の前の出来事に関心を向ける加賀さんらしいエピソードです。
5.加賀まりこの食生活と飲み物|好きな料理・コーヒー・旬の食材
食べる楽しみを大切にする自然体の食生活
加賀さんは食べることが好きで、2025年の対談では、とんかつ、お寿司、ラーメンなどを楽しんでいると話しています。
野菜もさまざまな種類を食べているそうです。
2026年8月には、自分の食生活について、80代になってもジャンクなものをよく食べると冗談交じりに語りました。
日々の食事を楽しみながら、自分の体調にも関心を向けています。
2026年のテレビ出演でも、食欲があることを元気の目安の一つにしていると話しています。
好きなものをおいしく食べられることは、加賀さんにとって日々の生活の大切な喜びなのでしょう。
現在のパートナーと外食する機会も多く、一緒に食事を楽しんでいるそうです。
料理は自分で作ることが少ないと話していますが、食べ物への好奇心は豊かです。
小説に登場する料理の描写にも関心を持ち、原田ひ香さんの『ランチ酒』を読んだ際には、登場する餃子や広島焼きがおいしそうで食べたくなったと語っています。
読書、食事、人との交流が、加賀さんの暮らしの中で自然につながっています。
80代で旬の野菜や薬膳への関心が広がる
2026年、加賀さんはNHKドラマ『しあわせは食べて寝て待て』の撮影を通して、旬の食材や薬膳について新しい発見をしたと語っています。
作品では、桜井ユキさん演じる主人公が、団地での暮らしや人との交流、食事を通して日々の生活を見つめ直していきます。
加賀さんが演じたのは、主人公が暮らす団地の90歳の大家・美山鈴です。
撮影の中で特に印象に残ったのが、旬のナスのおいしさでした。
旬の時期に食材の持ち味を生かして調理することで、こんなにもおいしくなるのかと驚いたそうです。
80代になっても、まだ知らなかった食べ物の魅力がある。そのことを素直に楽しみ、今も勉強していると話しています。
また、2026年8月の取材では、以前より軽やかに歩けるようになった気がするという近況も語っています。
長年親しんできた好きな料理に加えて、旬の食材や調理法への興味が芽生えたことは、80代になってからの新しい発見といえるでしょう。
若い頃の六本木「キャンティ」とコーヒー
加賀さんには、若い頃から六本木のレストラン「キャンティ」に通い、芸術家や文化人たちと交流していた時代があります。
そこには三島由紀夫さんや建築家の丹下健三さんなど、さまざまな分野で活躍する人々が集まっていました。
華やかな交友関係からお酒を楽しむイメージを持たれることもありましたが、加賀さん自身はお酒を飲むと具合が悪くなる体質だと語っています。
周囲がワインなどを飲んでいても、加賀さんが注文していたのはコーヒーでした。
しかも、飲み物の代金は必ず自分で支払っていたそうです。
年上の人々と交流する中でも、自分の好きなものを自分で選び、自分のお金で楽しむ。幼い頃から大切にしてきた独立心が、ここにも表れています。
コーヒーを片手に映画や芸術、人生について語り合う時間は、若い加賀さんにとって多くの刺激に満ちたものだったのでしょう。
豆知識⑤|沢村貞子さんの忘れられない手作り弁当
若い頃から憧れていた俳優の一人が沢村貞子さん。大船撮影所で一緒になった際には、沢村さんが加賀さんのために手作りのお弁当を持ってきてくれたそうです。丁寧に炊いた野菜料理のおいしさと、先輩の温かい心遣いは、80代になっても忘れられない思い出となっています。
6.加賀まりこの読書・麻雀・猫との暮らし|毎日を楽しむ習慣
読書と暗算で好奇心を楽しむ
加賀さんは昔から読書が好きで、2021年のインタビューでは、一日に1〜2冊ほど本を読むことがあると話しています。
小説に描かれる人々の人生や、さまざまな考え方に触れることを楽しんでいるそうです。
また、移動中にも自分なりの遊びを見つけています。
タクシーに乗っているときには、前を走る車のナンバーを使って足し算や掛け算を楽しむことがあるそうです。
何気ない数字を見つけて頭の中で計算する。特別な準備がなくても、毎日の暮らしを楽しめるところが加賀さんらしい習慣です。
2023年の『あさイチ』では、今欲しいものについて尋ねられ、以前に比べて物欲が薄くなったことも話していました。
読書や趣味、人との交流を楽しむ時間が、暮らしの中でますます大切になっているようです。
麻雀と愛猫との穏やかな時間
加賀さんが長年親しんできた趣味の一つが麻雀です。
友人たちと集まり、会話を楽しみながら牌に集中する時間を大切にしてきました。
麻雀を通して多くの人との交流が生まれ、現在のパートナーである清弘誠さんとも、もともとは麻雀仲間でした。
自宅では、愛猫との時間も大切にしてきました。
2021年のインタビューでは、仕事がない日は飼い猫を中心に生活していると語っています。
猫の名前は「宙(そら)ちゃん」。2003年にパートナーと一緒に保護した猫です。
撮影現場では芯の強い女性や厳格な母親を演じる一方、家では身近な存在との穏やかな時間を楽しむ。
華やかな芸能生活と自然体の私生活、その両方が加賀さんの魅力を形づくっています。
豆知識⑥|マネージャーを置かずに仕事を続ける
加賀さんは長年、特定の芸能事務所に所属せず、マネージャーも置かずに仕事を続けてきました。2021年のインタビューでは、撮影現場へ持っていく荷物が多いとき、パートナーの清弘さんが運ぶのを手伝ってくれることも語っています。独立した仕事の進め方と、二人の自然な支え合いが伝わるエピソードです。
7.加賀まりこの結婚・夫・家族|清弘誠さんとの事実婚と家族への思い
結婚と離婚を経て、清弘誠さんと事実婚
加賀まりこさんは30歳頃にテレビプロデューサーと結婚し、その後離婚を経験しています。
その後、59歳頃から人生をともにしているのが、ドラマ演出家・清弘誠さんです。
二人は法律上の婚姻届を出さず、事実婚の関係を続けています。
長年の麻雀仲間だった二人ですが、加賀さんが50代半ばに清弘さんへの気持ちを改めて自覚したことが、関係の転機になりました。
清弘さんは当時、仕事や子育てに向き合っており、交際が始まるまでには時間がかかったそうです。
加賀さんは約5年間、思いを伝え続けたと語っています。
2021年のインタビューでは、戸籍上の形よりも、二人で生活をともにすることを大切にしていると話しています。
長い時間をかけて育まれた関係には、互いの人生を尊重する心地よさがあるようです。
パートナーの家族と映画『梅切らぬバカ』に込めた思い
清弘さんには前の結婚で生まれた息子と娘がおり、加賀さんも家族として関係を築いてきました。
息子に自閉症があることも、加賀さん自身が本人インタビューで公に語っています。
清弘さんは離婚後、母親の協力を得ながら息子を育て、将来も安心して暮らせる場所を探してきました。
加賀さんは、そんな清弘さんの誠実な姿に心を動かされたそうです。
2021年の『徹子の部屋』では、清弘さんの娘とも親しく付き合い、孫もいることを明かしました。
息子についても、自分にとって大切な存在であると語っています。
コロナ禍には、施設で暮らす息子となかなか会えない時期が続きました。
そんな中、清弘さんが息子を訪ねた際、息子が加賀さんの名前を口にしたことがあったそうです。その話を聞いた加賀さんは、うれしそうに振り返っています。
2021年公開の映画『梅切らぬバカ』では、加賀さんは自閉症の息子と暮らす母親を演じました。息子役は塚地武雅さんです。
作品のテーマには、加賀さん自身の家族との経験が重なる部分がありました。
当初は撮影日程の厳しさから出演を迷っていましたが、パートナーの清弘さんに相談したところ、出演を後押しされたそうです。
撮影では、母親が息子に感謝の気持ちを伝える場面を加えたいと、加賀さん自身が監督に提案しました。
清弘さんが息子を育てる中で、人としてさらに優しくなっていく姿を見てきた加賀さん。家族の存在そのものに感謝する気持ちが、作品への思いにもつながっていました。
また、加賀さん自身も若い頃に生まれた子どもを早くに亡くした経験があります。
母親とは長年、同じ屋根の下で暮らしていましたが、亡くなった後には、もっと何かできたかもしれないという思いを語っています。
人生の中でさまざまな出会いと別れを経験してきたからこそ、現在ともに過ごせる家族への思いを大切にしているのでしょう。
豆知識⑦|親友の冨士眞奈美さんが二人の関係を祝福
約60年来の親友・冨士眞奈美さんは、加賀さんと清弘さんの関係を温かく見守ってきました。2026年1月の『徹子の部屋』でも、二人の関係を喜んでくれたことが話題になりました。長い友情が、人生の大切な節目にも寄り添っています。
8.加賀まりこの交友関係と人生哲学|年齢を重ねて広がる豊かな暮らし
浅丘ルリ子・天海祐希・内田有紀との交流
加賀さんの人生を語るうえで欠かせないのが、長年の友人たちとの交流です。
浅丘ルリ子さんとは、同じ美容院へ通い、映画や舞台を観に行ったり、食事を楽しんだりしてきました。
『やすらぎの郷』などで共演した仕事仲間でもあり、プライベートでも趣味や時間を共有する親しい関係です。
2026年4月のテレビ番組では、しばらく浅丘さんと話していないと気になり、きちんと食事をしているか心配になることも語っています。
美容院や観劇をともに楽しむ関係から、年齢を重ねた今は互いの健康を気遣う友情へ。長年の付き合いの温かさが感じられます。
天海祐希さんとは20年以上の交流があります。
2021年の『ボクらの時代』では、加賀さんが自身のパートナーを天海さんに紹介したときのエピソードが語られました。
天海さんは清弘さんについて、肩の力を抜いて自然体でいられる人という印象を持ったそうです。
また、内田有紀さんとも長年の親交があります。
内田さんが17歳の頃からの知り合いで、2024年の『婦人公論』では、俳優という仕事への向き合い方や、年齢を重ねてからの健康について語り合いました。
世代を超えて互いの個性を尊重し、率直な言葉を交わせる関係が続いていることがわかります。
さらに、約60年来の親友である冨士眞奈美さんとは、2026年1月に『徹子の部屋』で共演。昔の思い出を語り合い、長い年月をともに過ごしてきた友人ならではの温かな会話を見せました。
松たか子さんとの再共演と、新しい世代へのまなざし
2026年の連続テレビ小説『ブラッサム』では、松たか子さんと久しぶりに共演しました。
二人は1998年の舞台『ハムレット』などでも共演しており、長い仕事上のつながりがあります。
2026年の取材で松さんは、加賀さんの率直さやチャーミングな雰囲気が昔から変わっていないと語っています。
さらに、加賀さんが今も多くの舞台や作品を観て学んでいることにも、深い尊敬を示しました。
長い俳優人生を歩んできた加賀さんですが、共演者から見ても勉強熱心な姿勢が印象に残っているようです。
また、『しあわせは食べて寝て待て』では、桜井ユキさんや宮沢氷魚さんとの共演についても語っています。
若い俳優の私生活を尊重しながら、仕事では相手を大切に思い、自然な距離感を保つことを心がけているそうです。
長年の経験を持つ先輩俳優として、相手の個性を尊重しながら交流を重ねる姿勢が感じられます。
二人のヘプバーンに重なる美意識と、今を楽しむ人生観
加賀さんの美意識を振り返ると、若い頃から海外の俳優や文化に強い関心を持ってきたことがわかります。
少女時代にはオードリー・ヘプバーンの髪型に憧れ、自分から美容院へ出かけました。
一方、年齢を重ねてからは、晩年まで凛とした存在感を放ち続けたキャサリン・ヘップバーンの姿にも魅力を感じてきました。
若い頃に憧れた愛らしい髪型や華やかな美しさから、人生経験を重ねた人の自然な佇まいや生き方へ。
年齢とともに美しさを見る視点が広がってきたことは、加賀さんの美容哲学を知るうえで印象的です。
また、日本画家の堀文子さんや美術家の篠田桃紅さんなど、年上の人々との交流からも多くのことを学んできました。
会いたいと思う人には、自分から行動する。そんな積極的な姿勢は、若い頃から変わっていません。
相手の年齢や職業にとらわれず、その人が持つ魅力や経験に興味を向けることが、加賀さんの人生を豊かにしてきたのでしょう。
俳優として長年活躍する中で、更年期による体調の変化や家族との別れ、生活習慣の見直しなど、さまざまな経験がありました。
80代になった今も、自分の足で歩き、好きな場所へ出かけ、友人と食事や会話を楽しむ。そんな日常の一つひとつを大切にしています。
新しい作品や人との出会いから刺激を受け、日常の小さな出来事にも興味を向ける。長い俳優人生を通して育まれた好奇心が、加賀さんの暮らしを彩っています。
豆知識⑧|色紙に書く言葉は「転ばない、風邪ひかない」
2026年1月の『徹子の部屋』では、色紙に言葉を求められると「転ばない、風邪ひかない」と書くことがあると紹介されました。華やかな俳優人生を送ってきた加賀さんが大切にするのは、自分の足で歩き、元気に毎日を楽しむこと。飾らない言葉に、80代ならではの健康観が表れています。
まとめ|加賀まりこの美容法・健康習慣から見える自分らしい年齢の重ね方
加賀まりこさんの美容法と健康習慣を調べると、少女時代から80代まで、自分の感覚と好奇心を大切にしてきた姿が浮かび上がります。
化粧水、日焼け止め、夜のクリームを中心としたシンプルなスキンケア。3日に一度という独自の洗顔と洗髪。週に一度のオイルマッサージ。そして70歳から続けているピラティス。
健康面では、更年期や年齢による体の変化を経験し、80代では禁煙を決意。補聴器を自然に取り入れるなど、日々の暮らしを快適にするための工夫も大切にしています。
食生活では好きな料理を楽しみ、旬の食材や薬膳への新しい関心を育みながら、読書や麻雀、散歩など、毎日の暮らしにも喜びを見つけています。
長年のパートナーや家族、友人との関係を大切にし、年齢の異なる人々とも積極的に交流しています。
自分に合った習慣を続け、好きなことを楽しみ、必要だと感じたときには新しい一歩を踏み出す。
82歳の今も新しい役柄に向き合う加賀まりこさん。その魅力は、年齢を重ねながらも、自分の人生を自分の意思で楽しみ続ける姿勢にあるのでしょう。