草笛光子の美容法・健康習慣|90代のグレーヘア・スキンケア・筋トレ・食生活・睡眠

草笛光子の美容法・健康習慣|90代のグレーヘア・スキンケア・筋トレ・食生活・睡眠

OBARASOTARO

美しく輝くグレーヘア、鮮やかな口紅、背筋の伸びた立ち姿、そしてユーモアあふれる笑顔。俳優・草笛光子さんは、90代を迎えても自分らしい美しさと存在感で多くの人を魅了してきました。

2024年には90歳で映画『九十歳。何がめでたい』に主演。2025年には主演映画『アンジーのBARで逢いましょう』が公開され、70年以上にわたり培ってきた豊かな表現力を披露しています。

そんな草笛さんの美容法や健康習慣を調べていくと、華やかな姿の裏にある、意外なほど親しみやすい日常が見えてきます。

毎朝、身体を少しずつほぐしてから起き上がり、梅干しを入れた煎茶を楽しむ。72歳から始めたパーソナルトレーニングは、舞台で踊り続けたいという思いから生まれました。

食事では、セロリや野菜ジュースを取り入れる一方で、お肉やチョコレートも大好き。夜中にこっそり柿の種を食べるという、思わず笑ってしまうエピソードもあります。

そして、草笛さんの美意識は日常のおしゃれから俳優としての役作りまで、幅広く息づいています。ご近所の犬を迎える日にも口紅を塗り、映画では衣装の生地や眉の形にまでこだわる。おしゃれを楽しむ気持ちは、仕事にも暮らしにも自然につながっているのです。

今回は、草笛光子さんの美容法、スキンケア、グレーヘア、メイク、筋トレ、食生活、お茶、入浴、睡眠を中心に、経歴や代表作、結婚歴、家族、共演者とのエピソードまで詳しく紹介します。

草笛さんを初めて知る方にも、その魅力と長い人生で育まれてきた美容・健康哲学が伝わるよう、本人の言葉と具体的なエピソードをたどっていきましょう。

1. 草笛光子とは?経歴・代表作と90代の俳優人生

草笛光子(くさぶえ・みつこ)さんは、1933年10月22日生まれ、神奈川県出身の俳優です。2026年10月22日に93歳を迎えました。

1950年に松竹歌劇団へ入団し、歌とダンスを学びながら舞台経験を積みました。1953年には映画デビューを果たし、舞台と映像の両方で活躍の場を広げていきます。

1958年から始まった音楽バラエティ番組『光子の窓』では司会を務め、テレビ草創期の人気者となりました。現在の草笛さんを映画やドラマで知った方には、音楽番組の司会者としても活躍していた経歴は意外かもしれません。

舞台では『ラ・マンチャの男』『シカゴ』の日本初演に参加し、日本のミュージカル界で重要な役割を果たしてきました。『私はシャーリー・ヴァレンタイン』『グレイ・ガーデンズ』『ロスト・イン・ヨンカーズ』など、個性の異なる作品にも挑戦しています。

映画では、市川崑監督の『犬神家の一族』『悪魔の手毬唄』『女王蜂』などが代表作として知られています。さらに『沈まぬ太陽』『武士の家計簿』『老後の資金がありません!』など、幅広いジャンルの作品に出演してきました。

テレビドラマでも数多くの役を演じ、NHK大河ドラマ『真田丸』では真田家の祖母・とり役、『鎌倉殿の13人』では比企尼役で印象を残しました。2021年のドラマ『その女、ジルバ』でも、年齢を重ねた女性たちの世界を豊かに表現しています。

2024年公開の映画『九十歳。何がめでたい』では、作家・佐藤愛子さんを演じて主演を務めました。第48回日本アカデミー賞では優秀主演女優賞を受賞し、同じ2024年には文化功労者にも選ばれています。

翌2025年公開の『アンジーのBARで逢いましょう』では、謎めいたバーの店主・アンジーを演じました。90代になっても新しい役柄へ挑む姿勢は、草笛さんの俳優人生を象徴しています。

そんな草笛さんが若い頃から刺激を受けてきたのが、ニューヨークのブロードウェイです。

海外のミュージカルを数多く鑑賞し、歌、ダンス、演技が一体となった舞台の魅力を吸収してきました。

40代半ばには、自分自身でも新たな舞台をつくりたいという思いが強まり、48歳の頃に貯金を使って自主制作ミュージカルへ挑戦しました。

すでに俳優として豊富な経験を重ねていた時期に、自ら作品づくりへ踏み出したのです。

この新しい表現への好奇心は、その後の一人芝居や90代での映画主演まで続く、大切な原動力となっています。

豆知識①|実はミシンが得意で、ジャケットも縫える

草笛さんの母親は戦後、洋裁店を営んでいました。草笛さんも店を手伝い、もらったお小遣いを松竹歌劇団の養成学校の費用に充てていたそうです。洋裁の腕前は確かで、本人によるとジャケットくらいなら自分で縫えるとのこと。現在のおしゃれへの思いにも、母親の洋裁店で過ごした経験が息づいています。

2. 草笛光子の美容法|石鹸洗顔・グレーヘア・口紅とファッション

石鹸洗顔とメイク落としを大切にする美容習慣

草笛光子さんの美容法で興味深いのは、日々の基本的なお手入れを大切にしていることです。

本人は、顔を石鹸でよく洗い、化粧をきれいに落としてから眠るなど、肌については自分なりに気を配っていると語っています。

長年にわたり舞台や映画、テレビで多彩なメイクを経験してきた草笛さん。役柄に合わせた華やかな化粧をする日も、一日の終わりには丁寧にメイクを落とす習慣を続けてきました。

ヘアケアについては、シャンプーで洗って乾かすというシンプルなお手入れを紹介しています。

もともと髪が太く、しっかりしていたこともあり、自分の髪質に合わせた自然なスタイルを楽しんできたそうです。

草笛さんの美容への向き合い方からは、自分の肌や髪を理解し、心地よく続けられる方法を選ぶ姿勢が伝わってきます。

69歳で白髪染めをやめた理由

草笛さんの美しいグレーヘアには、俳優人生の大きな転機が関係しています。

実は20代の頃から白髪に憧れていたという草笛さん。父親の髪が真っ白だったことも印象に残っており、街で白髪の女性を見かけると素敵だと感じていたそうです。

一方、俳優として幅広い年代の役を演じるため、白くなり始めた髪を長年染めていました。

転機となったのは2002年、69歳の頃に出演した舞台『W;t(ウィット)』です。

草笛さんが演じたのは、がんの治療を受ける大学教授。役柄に合わせて自分の髪を剃り、わずかに伸びてくるたびに繰り返し剃り上げるという、徹底した役作りを行いました。

舞台では身体をさらす場面にも挑み、俳優として役を生きることを大切にしました。

公演が終わり、再び髪が伸び始めると、そこには自然な白髪が現れました。

周囲からも白い髪が似合うと言われ、草笛さんは長年続けてきた白髪染めをやめることにしたそうです。

若い頃から憧れていた白髪を、自分自身のスタイルとして楽しむようになったことで、おしゃれの幅も広がりました。

白い髪には鮮やかな口紅が映え、ピンク、ブルー、黄色など明るい色の洋服を着る楽しみも増えたと語っています。

草笛さんのグレーヘアは、年齢を重ねた自然な姿であると同時に、長年の美意識と俳優としての経験から生まれた、新しい自己表現でもあるのです。

そして、その美意識は特別な外出の日だけに表れるものではありません。

2023年のインタビューでは、ご近所のゴールデンレトリバーが遊びに来るときにも、洋服を着替え、薄い口紅と頬紅をつけて迎えると語っています。

相手は犬なので、鏡を見ながら自分でも笑ってしまうことがあるそうです。

それでも、誰かを迎えるときに少しおしゃれをすることは、自分にとって自然な礼儀なのだと話しています。

何気ない日常にもお気に入りの口紅を使い、自分の気持ちを明るく整える。そこには、草笛さんらしい遊び心があります。

洋服についても、高価なブランドだけにこだわらず、自分の感性に合うものを選んできました。

母親の洋裁店で身につけた知識を生かして、男性用の服を女性用に仕立て直したり、着物を洋服に作り替えたりした経験もあります。

また、嫌なことがあったときには靴を買って気分を切り替えていた時期もあったそうです。年齢を重ねてからは、おいしいコーヒーを飲む時間にも心地よさを感じるようになりました。

好きな洋服を着ること、指先を整えること、お気に入りの飲み物でひと息つくこと。草笛さんは、自分の気持ちに合った小さな楽しみを暮らしの中に見つけてきました。

豆知識②|真っ赤なマニキュアでピアニスト気分

2024年の取材では、自分で塗った真っ赤なマニキュアを披露し、こんな指先ならピアノが上手に弾けそうに見えるでしょう、と冗談を交えて話しています。指先のおしゃれにも、草笛さんらしい遊び心があふれています。

3. 草笛光子のメイクと役作り|『犬神家の一族』と高峰三枝子との約束

草笛さんの美容へのこだわりは、俳優としての役作りにも深く結びついています。

1976年公開の市川崑監督作品『犬神家の一族』で、草笛さんは犬神家三姉妹の三女・梅子を演じました。

この作品では、衣装選びにも積極的に関わっています。

用意された衣装について市川監督に意見を伝え、監督やスタッフとともに反物選びにも参加しました。

同じ家族の三姉妹でも、それぞれ性格や立場が異なります。草笛さんは、着物の柄や色からも人物の個性が伝わるように考えていたそうです。

草笛さんにとって、衣装は役柄を表現する大切な要素でした。

その考え方はメイクにも表れています。

草笛さんは役の化粧を自分で考えることが多く、眉の形一つでも人物の印象が大きく変わると語っています。

身分の高い人物なのか、庶民的な人物なのか。時代や性格によって、眉の描き方まで変えることを大切にしてきました。

また、『犬神家の一族』では、共演した三國連太郎さんの特殊なメイクにも強い関心を持ち、どのように作っているのか本人に質問したそうです。

三國さんは、ストッキングの素材を肌に貼り、その上からドーランを塗るなど、独自の工夫をしていました。

草笛さんは、そうした先輩俳優の役作りからも多くを学んだと振り返っています。

メイクや衣装を通して人物像を考えることも、長い俳優人生のなかで磨き続けてきた表現技術なのです。

高峰三枝子とのメイクにまつわる約束

草笛さんのメイクへの思いが伝わる、心に残るエピソードがあります。

『犬神家の一族』で共演した俳優・高峰三枝子さんは、草笛さんの化粧の腕前を褒め、いつか自分が舞台に立つときにもメイクをしてほしいと頼んだそうです。

草笛さんはその約束を大切に覚えていました。

1990年、高峰さんが亡くなったことを旅先で知った草笛さんは、急いで東京へ戻り、化粧道具を持って高峰さんの自宅を訪ねました。

そして、高峰さんの顔に口紅や頬紅を丁寧に施し、かつて交わした約束を果たしたのです。

草笛さんは、化粧を終えた高峰さんがとても美しかったと振り返っています。

この話から伝わってくるのは、草笛さんにとってメイクが、人の魅力を引き立てる技術であると同時に、大切な人への思いを伝えるものでもあるということです。

長い俳優人生で磨かれた美意識は、仕事の場面だけでなく、人との深い結びつきにも息づいています。

豆知識③|先輩俳優の化粧にも興味津々

草笛さんは撮影現場で、先輩俳優のメイク方法を熱心に観察してきました。三國連太郎さんの特殊メイクを見たときも、すぐに作り方を尋ねたそうです。経験を重ねても、新しい技術や表現方法に興味を持ち続ける姿が印象的です。

4. 草笛光子の筋トレ・健康習慣|72歳からの身体づくりと90代の変化

舞台で踊り続けるために始めたトレーニング

草笛光子さんが本格的な筋力トレーニングを始めたのは、72歳の頃です。

松竹歌劇団出身で、長年にわたりミュージカルの舞台に立ってきた草笛さんにとって、身体は大切な表現手段でした。

ハイヒールを履いて踊り、舞台上で美しい姿勢を保ち、観客へ台詞や感情を届ける。その仕事を続けていくため、年齢とともに変化する身体に合わせて筋トレを取り入れました。

2010年の取材では、自宅の稽古場で週1回、約2時間のパーソナルトレーニングを行っていたと紹介されています。

最初はストレッチやバランスボールを使った運動から始め、徐々に内容を充実させました。当時は腰に8kgのおもりをつけてスクワットを行うなど、専門家の指導のもとで身体を動かしていたそうです。

興味深いのは、草笛さん自身が運動をサボりたいと感じる日もあると、率直に語っていることです。

トレーニングが苦しくなると、先生に冗談交じりの文句を言い、トレーナーも遠慮なく言い返す。二人の会話は、まるで漫才のようになることもあったそうです。

また、自宅までトレーナーが来てくれる仕組みも、運動を続ける後押しとなっていました。

自分だけでは休みたくなる日でも、約束の時間になると先生がやって来る。そんな工夫が、長年の身体づくりを支えていたのです。

草笛さんは身体を動かすための環境を整え、会話やユーモアも楽しみながらトレーニングを続けてきました。

コロナ禍を経て変化した日々の運動

長年続けてきたパーソナルトレーニングですが、生活環境の変化とともに運動の方法も変わっていきました。

2024年の取材では、週1回の本格的なトレーニングを続けていたのは新型コロナウイルス感染症の流行前までだったと説明しています。

その後は、散歩や自宅の階段の上り下りなど、日常生活の中で身体を動かす方法を取り入れるようになりました。

また、東京オリンピックの聖火ランナーに選ばれた際には、走行に向けて身体を動かす準備をしていました。

最終的には感染症対策に伴う代替のセレモニーへの参加となりましたが、新しい目標に向かって取り組む機会にもなりました。

舞台で踊るための本格的な筋トレから、自宅で身体を動かす工夫へ。草笛さんは、その時々の生活や身体の状態に合わせて方法を選んできました。

2026年のインタビューでは、90代になってからの運動についても率直に語っています。

散歩に行こうと思っても気が進まない日には、手足を動かしたり、耳をマッサージしたりと、今の自分が取り組みやすい小さな目標を見つけるようにしているそうです。

できた日は自分を褒め、休んだ日は翌日また始める。

72歳からの本格的な身体づくりと、90代になってからの小さな運動目標。そのどちらにも、自分の変化と向き合いながら工夫してきた草笛さんの姿勢が表れています。

豆知識④|バランスボールは食卓でも活躍

2021年の映画関連インタビューでは、草笛さんが自宅の食卓でもバランスボールに座っていることが紹介されています。長年の舞台活動を通して、身体を使うことが日常の身近な習慣になっていた様子が伝わります。

5. 草笛光子の食生活|セロリ・肉料理・お菓子・梅干し入り煎茶

毎朝のセロリと野菜ジュース、そして肉料理も大好き

草笛さんの食生活で知られているのが、毎朝セロリを食べる習慣です。

2018年の本人取材では、長年続けてきた習慣として紹介し、地方で仕事をするときにも大切にしていると語っています。

同年のテレビ出演では、手作りの野菜ジュースを朝に飲むことも紹介されました。

こうした習慣がある一方で、草笛さんは肉料理が大好きです。

焼き肉やご飯、果物などを好み、近年の取材ではヒレカツを好きな食べ物として挙げています。

朝ご飯を食べながら、その日の夕食には何を食べようかと考えることもあるそうです。

おいしいものを楽しみにする気持ちは、草笛さんの日常に欠かせないものなのでしょう。

さらに、チョコレート、おせんべい、ナッツ、柿の種などのおやつも好きだと語っています。

2024年の本人エッセイでは、夜中にお腹が空いたときのために、あらかじめ部屋へお菓子を用意しておくという話を披露しました。

家に泊まり込んでいるお手伝いさんに見られると少し恥ずかしいため、こっそり食べているのだそうです。

準備を忘れた夜には、家の人を起こさないようスリッパを脱ぎ、静かに階段を下りて台所へ向かうこともあるといいます。

90代の大女優が、夜中にそっと柿の種を楽しんでいる。そんな意外な一面も、草笛さんの親しみやすさにつながっています。

豆知識⑤|実は苦手な食べ物もある

草笛さんは肉料理やお菓子が好きな一方で、うなぎ、あなご、タコなどは苦手だと話しています。自分の好みを率直に語るところにも、草笛さんらしい人柄が感じられます。

祖母のおにぎりと朝茶に込められた家族の思い出

草笛さんの食生活について知るうえで、戦時中の記憶も欠かせません。

幼い頃に疎開生活を経験した草笛さんは、食べ物が十分にない時代を過ごしました。

そんな中、祖母が人目を避けながら届けてくれたおにぎりは、長い年月を経ても忘れられない味として心に残っています。

食べ物が貴重だった頃の経験は、今でも食事を大切にする気持ちと結びついています。

2024年の著書では、撮影現場でいただくお弁当を残すことにも申し訳なさを感じると語っています。

家族との思い出は、毎朝のお茶にも息づいています。

草笛さんは幼い頃、祖母から「朝茶はその日の難を逃れる」という言葉を教わりました。

その教えが長年心に残り、朝は煎茶を淹れ、梅干しを少し入れて飲む習慣を大切にしてきました。

草笛さんにとって、朝のお茶は一日の始まりを整える大切なひとときです。

また、熱い急須や湯飲みを安全に扱うため、朝は起き上がる前に指を一本ずつ動かし、身体を少しずつほぐしてから支度を始めるそうです。

お気に入りの一杯を味わうことと、自分の身体に合わせて丁寧に暮らすこと。その二つが、草笛さんの朝の習慣では自然につながっています。

紅茶やハーブティー、ルイボスティーなど、好みのお茶を日常的に楽しむ人にとっても、自分だけの一杯を淹れる時間を大切にするという考え方は、暮らしの身近な楽しみとして親しみやすいでしょう。

6. 草笛光子の入浴・睡眠・休息|日々の身体と向き合う習慣

2018年のインタビューで草笛さんは、冷えを意識した生活習慣として、夏でも湯船に約10分つかることを紹介しています。

入浴剤やバスソルトを取り入れ、お風呂で過ごす時間を楽しんでいたそうです。

長年にわたって舞台で身体を動かす仕事を続けてきた草笛さんにとって、入浴も自分の身体と向き合う大切な日常のひとときだったのでしょう。

また、舞台での台詞や歌、ナレーションなど声を使う仕事を大切にしてきたことから、就寝時の乾燥にも気を配ってきました。

過去の取材では、枕元に湿らせたタオルを置いたり、加湿器を使用したりする工夫も紹介されています。

睡眠の悩みもユーモアを交えて語る

草笛さんは睡眠についても率直な悩みを明かしています。

2024年の本人エッセイでは、年齢を重ねてから寝つきが悪くなり、夜になるとかえって目が冴えてしまうことがあると語りました。

眠れない夜には、考え事をしたり、新聞を読んだり、片付けを始めたりすることもあったそうです。

睡眠に関する本を読み、睡眠を目的として販売されているサプリメントを試した経験も紹介しています。

さらに、日中に身体を動かすことや、昼寝の取り方にも気を配り、自分なりの方法を探してきました。

草笛さんの話で印象的なのは、こうした悩みを語るときにもユーモアが感じられることです。

眠れない夜にテレビで美しい星空や自然の映像を見ると、いつかその場所へ行ってみたいと想像が広がり、さらに目が冴えてしまうこともあるそうです。

自分の身体の変化に率直に向き合いながら、何気ない出来事も面白がる。その姿勢には、長い人生を過ごしてきた草笛さんらしさが表れています。

豆知識⑥|華やかな舞台の一方で、一人の時間も好き

草笛さんは人前に立つ仕事を長年続けていますが、一人で過ごす時間も好きだと語っています。舞台や映画で多くの人と関わりながら、自分自身と静かに向き合う時間も楽しんできたところに、意外な一面が感じられます。

7. 草笛光子の結婚歴・家族・共演者との心温まるエピソード

芥川也寸志との結婚、母親と祖父母との絆

草笛光子さんは1960年、作曲家の芥川也寸志さんと結婚しました。

芥川也寸志さんは、文豪・芥川龍之介の三男で、作曲家や指揮者として幅広く活躍した人物です。

二人はその後離婚し、草笛さんは2018年のテレビ出演で、結婚生活が1年9か月だったことを振り返っています。

当時、祖父母の養女となっていた草笛さんは、結婚式の日に祖父母へ、少し出かけてくるような気持ちで挨拶したそうです。

後年、その短い結婚生活をユーモアを交えて語ったことからも、過去の出来事を自分なりに受け止めてきた様子が伝わります。

そして、草笛さんの人生には母親や祖父母との深い結びつきがあります。

母親は戦後に洋裁店を営み、その後、草笛さんの芸能活動を支えるマネージャーとしても長く仕事に関わりました。

厳しい時代を共に過ごし、華やかな芸能界でも支え合ってきた母娘。その関係の中で大切にしてきたのが「きれいに生きましょうね」という言葉です。

外見の美しさに加えて、人に対して誠実であること、自分の生き方に誇りを持つこと。母親から受け継いだ価値観は、草笛さんの人生哲学の中心となっています。

戦時中には疎開生活を経験し、幼い妹を亡くした悲しい記憶もあります。家族との思い出は、楽しい出来事だけでなく、苦しい時代を生き抜いてきた経験としても心に残っています。

山口百恵・三浦貴大との親子二世代の共演

草笛さんの長い俳優人生には、時代を代表するスターたちとの印象的な出会いがあります。

1976年から放送されたドラマ『赤い衝撃』では、山口百恵さんと母娘役で共演しました。

当時17歳だった山口さんについて、草笛さんはその落ち着きや、しっかりした仕事への姿勢に感心したと振り返っています。

また、山口さんが自分の好きな音楽を録音したカセットテープを渡してくれたことも、温かな思い出として語っています。

それから長い年月が過ぎた2018年、草笛さんは映画『ばぁちゃんロード』で、山口百恵さんの息子である俳優・三浦貴大さんと共演しました。

かつて母娘役で共演した女優の息子と、今度は同じ映画の現場に立つ。長年にわたって俳優を続けてきたからこそ生まれた、世代を超えるつながりです。

草笛さんは三浦さんとの共演を喜び、時の流れを感じたと語っています。

一つの作品で出会った人との縁が、何十年も経ってから新しい形でつながる。俳優という仕事ならではの素敵なエピソードです。

内野聖陽との長年の交流と食事の思い出

俳優・内野聖陽さんとは、舞台『裸足で散歩』での共演をきっかけに、長年交流を続けてきました。

2024年の『婦人公論』の対談では、二人が約25年にわたる関係を振り返っています。

初めて会ったとき、草笛さんは内野さんに対して、昔からの知り合いのような親しみを感じたそうです。

その後も交流は続き、内野さんが草笛さんの自宅を訪れて一緒に食事をしたこともあります。

また、舞台終演後に焼き肉店で内野さんが体調を崩し、草笛さんが病院まで付き添ったというエピソードも披露されました。

二人は時代劇『蝉しぐれ』でも仕事上のつながりがあり、内野さんが主人公を演じ、草笛さんがナレーションを担当しました。

内野さんは草笛さんの声による表現を高く評価し、草笛さんも内野さんの俳優としての姿勢に愛情のこもった言葉をかけています。

年齢の違いを超えて、仕事について語り合い、食事を共にし、互いを気遣う。二人の交流からは、草笛さんの温かな人柄が伝わってきます。

さらに『老後の資金がありません!』で共演した天海祐希さんや、『九十歳。何がめでたい』で共演した唐沢寿明さんなど、異なる世代の俳優たちとの仕事も、草笛さんの長いキャリアを彩っています。

豆知識⑦|『赤い衝撃』の役柄は草笛さんの提案で変化

山口百恵さんと初めて共演したとき、草笛さんは17歳とは思えない山口さんの落ち着きに驚いたそうです。そして、しっかり者の娘と少し頼りない母親という関係を描いてはどうかと、制作側へ提案したと語っています。共演者の個性を見ながら役を考える、草笛さんらしい観察力が伝わります。

8. 草笛光子が大切にする「きれいに生きる」という人生哲学

草笛さんは、長いキャリアを重ねてからも新しいことに挑戦してきました。

48歳で自主制作ミュージカルに取り組んだ後、58歳の頃には、それまでのミュージカルとは異なる一人芝居にも挑戦しました。

2026年のインタビューでは、師匠のような存在の人物から背中を押され、自分にはまだ登っていない山があることに気づいたと振り返っています。

新しい表現を見つけることが、長い俳優人生のなかで大きな喜びになってきたのでしょう。

草笛さんは80代の頃、老いとはおっくうな気持ちと向き合うことだと語っていました。

朝起きること、身体を動かすこと、外に出ること。以前は自然にできたことにも、気持ちの準備が必要になる。

そんな変化を感じながら、毎日の暮らしを整えてきたのです。

そして2026年のインタビューでは、老いを受け入れ、自分の変化を面白がるという考え方を語っています。

92歳を初めて生きているのだから、自分は92歳の新人なのだという趣旨の言葉も印象的です。

長い人生経験があっても、新しい年齢を迎えることは初めての体験。その変化に気づき、自分にできることを見つけていく。

草笛さんの人生観には、年齢を重ねることそのものを新しい経験として楽しむ姿勢があります。

そして、その生き方の根底にあるのが、母親と大切にしてきた一つの言葉です。

「きれいに生きましょうね」。

2024年には、この言葉を題名にした著書『きれいに生きましょうね 90歳のお茶飲み話』も出版されました。

草笛さんにとっての「きれい」とは、外見を美しく整えることに加え、人として誠実に生きること、自分の心を大切にすることも含まれています。

母親は洋裁店を営み、草笛さんの芸能活動も支えてきました。その母親が伝えてくれたのは、洋服の美しさだけでなく、その服を着る人自身のあり方を大切にするという考え方でした。

草笛さんが白髪を染めるのをやめ、自分の自然な姿を楽しむようになったことも、好きな洋服や口紅を選び続けることも、その価値観とつながっているのでしょう。

また、近年のインタビューでは、過去に戻りたいとは思わないという考え方も語っています。

これまでの人生を大切にしながら、今の自分を楽しむ。その姿勢には、年齢を重ねることへの前向きな気持ちが感じられます。

豆知識⑧|今の自分は、その年齢の「新人」

草笛さんは92歳の取材で、自分は92歳を初めて生きている新人なのだと語っています。長いキャリアを持つ俳優が、自分の年齢についても初めての体験として受け止める。そんな考え方に、草笛さんの柔軟な人生観が表れています。

93歳を迎えた草笛光子さんの歩みから伝わるのは、年齢によって楽しみ方を変えながら、自分らしい暮らしを続けていくことの魅力です。

華やかな俳優人生の中で、自分の身体と向き合い、人とのつながりを大切にし、日々の小さな楽しみを積み重ねてきた草笛さん。

何歳になっても自分の好きなものを楽しみ、新しい出来事に興味を持ち、今の自分にできることを見つけていく。

草笛さんが長い年月をかけて大切にしてきた「きれいに生きる」という言葉には、これからの人生を自分らしく、豊かに楽しむための温かなヒントが込められています。

参考情報

  1. CREA「90歳の草笛光子が語る“グレーヘア”の楽しみ方」
    https://crea.bunshun.jp/articles/-/50248
  2. MOVIE WALKER PRESS「草笛光子が明かす、45年目の『犬神家の一族』秘話。高峰三枝子に施した“死に化粧”」
    https://press.moviewalker.jp/news/article/1061186/
  3. 週刊女性PRIME「草笛光子、90歳を目前に『毎日、毎時、億劫と戦っています』」
    https://www.jprime.jp/articles/-/26772
  4. 女性自身「草笛光子の美の秘訣『毎朝セロリ』『ユニクロも着る』」
    https://jisin.jp/entertainment/interview/1616135/
  5. 文藝春秋PLUS「昼間に疲れておくこと、ウトウトは禁物」
    https://bunshun.jp/bungeishunju/articles/h7505
  6. 婦人公論.jp「草笛光子×内野聖陽 年齢差35歳、2人を結ぶ絆とは」
    https://fujinkoron.jp/articles/-/12238
  7. キューサイ「92歳、女優の草笛光子さんに聞く『初めての老いの楽しみ方』」
    https://corporate.kyusai.co.jp/wellaging/columns/?id=16266

※本記事は公開情報や本人インタビューをもとに構成しています。紹介する習慣は取材当時の内容を含みます。

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