Ariana Grande(アリアナ・グランデ)といえば、腰まで届くハイポニーテール、鋭く跳ね上がったキャットアイ、ふっくらとしたリップ、オーバーサイズの服とニーハイブーツ──一目見ただけで「Ariana」と分かるほど強いビジュアルアイデンティティを作り上げてきたアーティストです。
その美容史を約20年の時間軸で追うと、強いシグネチャーを持ちながら、人生や作品に合わせてその意味を何度も更新してきたことが分かります。
8歳頃から地元の舞台へ立ち、演じる役ごとに違うメイク道具を使うことを楽しんでいた少女時代。
10代にはテレビドラマの役のため、長期間にわたって髪を頻繁に赤く染め、そのダメージをきっかけにポニーテールが生まれました。
その後はキャットアイ、ハイポニー、リップラインが世界的なシグネチャーとなりますが、30歳を迎えた2023年には、若い頃はメイクや髪を「隠れるため」に使っていた時期があったと率直に振り返りました。
現在は美容を、「ここにある自分を生かすための自己表現」として考えるようになったと話しています。
その変化を最も劇的に見せたのが映画『Wicked』でした。
長年の象徴だった濃いブルネット、強い眉、ウイングライナー、ハイポニーから一度離れ、髪をブロンドにし、眉まで明るくし、Glindaという人物へ入り込む。
映画では彼女のトレードマークであるポニーテールを意図的に避け、若いGlindaから成長したGlindaまで、髪の長さ、ブロンドの色味、頬の色、まつ毛の強さまで細かく変えています。
そして2025年秋、約3年間続いたブロンドからブルネットへ。
2026年3月には肩ほどの長さになったブルネットの自然なカールも久しぶりに公開。6月から9月にかけては再びシグネチャーのハイポニーテールをまとい、Eternal Sunshine Tour全41公演を完走しました。
Arianaの健康習慣を深く見ると、さらに興味深いテーマがあります。
2017年には、一日の中でこまめに体を動かすことが自分には心地よいと説明。ツアー先にジムがなくても、会場の廊下でウォーキングランジをするような方法を取り入れていました。
2013年に始めた植物性中心の食生活については、2024年にも「まだ植物性の食生活を続けている」と本人が確認しています。
一方、体型については、本人が何度も「外見だけで他人の健康状態を判断できない」と発信してきました。
そして歌手として見逃せないのが「声」のケアです。
何百回ものライブで長時間歌うため、ボーカルコーチとのウォームアップ、声を使わない短い休憩、日によって変わる声の状態への対応まで細かく積み重ねてきました。
2024年に話し声の高さが話題になった際にも、本人は歌唱量に合わせて声の位置を意識的に高くしたり低くしたりすることがあり、以前から声を大切にするために行ってきた習慣だと説明しています。
さらに2017年のマンチェスター公演後には、本人がPTSDや強い不安について公表。セラピー、家族との時間、ランニング、休息、音楽、瞑想など、その時々で自分に必要な方法を取り入れてきました。
2024年には自身の子役時代を振り返り、若いパフォーマーには仕事の最初から専門的な心理サポートへアクセスできる環境が必要だという考えまで語っています。
2025年には改めて、専門的なケアを受けながら音楽を作ることが、自分にとって大きな支えだったと振り返りました。
そして2026年には、Eternal Sunshine Tourで長年裏側から彼女のビジュアルを作ってきたヘアとメイクの担当者を、実際にステージへ登場させました。
本人は、音楽でも演技でもヘアとメイクはストーリーテリングの大きな一部だと説明しています。
さらにツアー終了後には、公の場へ出る仕事や出演を少し減らし、自分のための時間を取る予定であることも明らかにしました。
この記事では、2026年9月現在までのVogue、British Vogue、Allure、SELF、The FADER、Los Angeles Times、PEOPLE、本人とボーカルコーチの対談などをもとに、Ariana Grandeの美容法・美容習慣、スキンケア、紫外線対策、メイク、キャットアイ、ヘアケア、ポニーテール、自然なカール、運動、植物性の食生活、ボディイメージ、声・ボーカルケア、瞑想、休息、セラピー、セルフケアまでを詳しく掘り下げます。
1.赤髪のダメージから生まれたハイポニー。Ariana Grandeのヘア約20年史
現在ではAriana Grandeの代名詞になっているハイポニーテール。
その始まりは、10代のテレビ出演時代までさかのぼります。
Cat Valentineを演じていた頃、鮮やかな赤髪を維持するため、本人によれば約4年間、ほぼ隔週で髪をブリーチして赤く染めていた時期がありました。
2014年、髪型について多くのコメントを受けたArianaは、そのカラーリングによって自分の髪がかなり傷んでいたことを説明しています。
本人の髪はブルネットへ戻っていたものの、ダメージした部分が伸びるまでには時間が必要でした。
そこで、エクステンションを加えながら、自分が心地よく過ごせるスタイルとして選んだのがポニーテールでした。
💡豆知識|世界的なハイポニーは「傷んだ髪が伸びる間に選んだスタイル」から始まった
Cat Valentine役では約4年間、頻繁なカラーリングが続きました。Arianaにとってポニーテールは、傷んだ自分の髪が伸びていく時期に安心して選べる髪型として定着し、その後世界的なシグネチャーへ育っていきました。
その実用的な選択は、やがて世界で最も認識されるセレブリティヘアの一つになります。
2013年頃からポニーテールを本格的に定着させ、高さ、長さ、分け目、毛先、色を少しずつ変化させていきました。
高くタイトに結んだブラウンのポニーから、超ロング、プラチナ、ラベンダーを含んだカラー、低めのポニー、リボンを加えたスタイルまで。
2018年のThe FADERでは、Ariana自身もポニーテールが年月とともに進化してきたことを誇りに感じていると話しています。
本人にとってポニーテールは、自分のすべてではない一方、身につけることで「Ariana」というビジュアルが一瞬で完成するほど大きな象徴になっていきました。
その裏側では、自分自身のカールを少しずつ育てていた
ポニーテールが定着した後も、Ariana自身の髪を育てる時間は続いていました。
2019年には、自分の短めのブラウンの自然なカールをSNSなどで見せる機会が増えています。
当時の担当ヘアスタイリストJosh Liuは、自然なカールを扱う際には、熱を使う頻度を抑え、髪の太さや状態に合った保湿を意識し、自然乾燥や低温のディフューザーなどを活用する考えを紹介しました。
Ariana本人も、自分の髪が長いカラーリング期間から少しずつ伸びてきている様子をファンへ見せています。
2020年、自宅で過ごす時間にはブルネットの自然なカールで過ごす姿も公開しました。
同年のインタビューでは、自分の自然なカールについて、子どもの頃の自分を思い出させてくれる髪であり、プライベートな自分自身に近いものだという趣旨を話しています。
そして2026年3月、Arianaは肩ほどの長さになったブルネットの自然なカールを再び公開しました。
2025年秋に約3年間のGlindaブロンドからブルネットへ戻った後、今度はストレートなハイポニーとは違う、自分自身の巻き髪を見せた形です。
10代の頻繁な赤髪カラーから始まり、エクステンションのポニーテール、自分のカールを育てる時間、Glindaのためのブロンド、そして再びブルネットの自然なカールへ。
約15年以上の流れで見ると、ポニーテールの裏側にはずっと、「Ariana自身の髪」を少しずつ育てていくもう一つのヘアストーリーが続いていたことが分かります。
つまりArianaのヘア史は、ポニーテールと自然な髪という二つの表情を行き来しながら広がってきました。
仕事ではアイコニックなヘアを楽しみながら、その裏側では自分の髪そのものも育てていく。
その二つを長い時間をかけて共存させてきました。
『Wicked』では、象徴だったポニーテールをあえて封印
2022年頃から、Arianaの髪は大きな転換点を迎えます。
映画『Wicked』でGlindaを演じるため、長年のブルネットをブロンドへ変更しました。
制作チームは、Arianaの既存のシグネチャーを丁寧にほどきながら、Glinda独自の美容を作ることを重視しました。
監督はオーディションの段階から、ハイポニー、強くオーバーラインしたリップ、ウイングライナーなど、Arianaの代表的な美容記号から離れた姿を求めていました。
ヘア&メイクチームも、GlindaにはArianaのタイトなハイポニーを使わないことを明確に決めています。
髪を頭へタイトに張り付けず、柔らかく動くブロンドヘアへ。
Ariana自身も、Glindaへ入るために日常の自分自身もブロンドでいることが役への入り口になったと話しています。
映画ではウィッグを使用する場面があっても、本人の髪そのものまで明るくしたのは、鏡を見る日常からその人物の世界へ入るためでした。
さらに眉も明るくし、撮影期間中はGlindaの髪色と合うように約10日ごとにカラーを調整していました。
💡豆知識|Glindaのため、眉は約10日ごとにカラー調整
映画のヘア&メイク担当者によると、Arianaの眉は撮影中およそ10日ごとに明るくしていました。Glindaには12点のウィッグが制作され、『Wicked』全体では背景キャストまで含め3,500点を超えるウィッグやヘアピースが用意されています。
2025年秋には、約3年間続いたGlindaブロンドから温かみのあるブルネットへ戻りました。
そして2026年のゴールデングローブでは、高く結んだシグネチャーポニーが本格的に復活。
Eternal Sunshine Tourでも、腰まで届くロングポニーとバレリーナ風のまとめ髪を使い分けました。
赤髪によるダメージをきっかけに生まれたポニーは、自然なカールを育てる時期を経て、Glindaのため一度表舞台から離れ、2026年には現在のArianaを表現するヘアとしてもう一度選ばれています。
2.メイクを「隠れるもの」から「自分を生かすもの」へ。スキンケアと美容観の変化
Ariana Grandeのメイクといえば、長く鋭いウイングライナーが代表的です。
一方、本人の美容への考え方は、年齢とともに大きく変化しています。
2023年、VogueのBeauty SecretsでArianaは、自分が非常に若い頃から人前へ出てきたことで、外見について大量の声を浴びてきたと振り返りました。
17歳頃には、どの意見を自分へ取り入れ、どの意見から距離を置くかを判断することも難しかったと話しています。
その中で、ある時期には髪をどんどん大きくし、アイラインをどんどん太くし、美容を自分が隠れられる場所のように感じていたこともあったそうです。
本人はそうした強い美容表現にも現在まで愛着を持ちながら、30代では美容を別の方向から楽しむようになりました。
今ある自分を生かし、その日の気持ちや作品を表現するためにメイクする。
これが現在のArianaの美容観です。
2022年には「冷たいスキンケア」に夢中
2022年のBritish Vogueでは、普段の美容習慣についてもう少し日常的な一面も見せています。
朝は歯を磨いた後にスキンケアへ進むのが基本。
特に好きだと話したのが、ひんやりした感触の目元ケアやフェイスローラーでした。
冷蔵庫へ入れておき、冷たい状態で使うのを楽しんでいるそうです。
美容ブランドの開発を通じて、色や質感だけでなく処方や科学について学ぶことも楽しいと語り、自分を「美容オタク」のように表現する一面もあります。
Florida育ちだからこそ、現在はSPFをスキンケアへ
2023年のVogueでは、本人が実際のスキンケアルーティンを公開しています。
まず美容液で肌を整え、保湿を行い、SPFを取り入れる。
目元には冷感のある保湿アイテムやアイパッチを使い、その後にメイクへ進んでいました。
ArianaはFloridaで育ち、子どもの頃には日差しを浴びる機会が多かったため、現在自分にあるそばかすや色むらの一部について、当時の日差しとの関係を本人なりに振り返っています。
撮影では長時間かなりの量のメイクを使うため、現在はその前に肌を整える時間も大切にしています。
世界的な美容アイコンでありながら、本人自身も撮影でメイクが続く時期には吹き出物が出ることがあると率直に話しています。
華やかな完成写真だけでなく、その裏には日によって変化する普通の肌があることまで公開しているのが現在のArianaらしいところです。
💡豆知識|撮影でメイクが続く時の肌変化まで本人が公開
2023年のVogueでは、美容液・保湿・SPFなどで肌を整える工程とともに、長時間のメイクが続く仕事では吹き出物が出る日もあると率直に話しています。
メイクへ進むと、Arianaらしさが一気に現れます。
眉は直線的で少しリフトした形。
目元にはピンクやブラウンを使い、1960年代を思わせるキャットアイ。
本人が長く参考にしてきた人物として挙げているのがAudrey HepburnやMarilyn Monroeです。
当時の俳優たちが眉、リップ、目元の形を細かく工夫していたことに、昔から強く惹かれてきたと話しています。
Arianaのウイングライナーは現代的なポップスターの記号に見えますが、そのルーツにはOld Hollywoodと1960年代の美容があります。
フィラーなど美容医療も公表。「笑った線をもっと深くしたい」へ
2023年のVogueで大きな注目を集めたのが、美容医療について本人が率直に話した場面でした。
Arianaは過去にリップフィラーやBotoxを多く取り入れていた時期があったことを自ら公表しています。
本人によれば、2018年にいったんそれらから距離を置きました。
背景として語ったのが、その頃の美容が自分にとって「隠れること」と結びついていたという感覚です。
現在は、自分が泣いたり笑ったりしてできた表情の線も見ていきたい、笑った線がもっと深くなるほどたくさん笑っていたいという思いを話しています。
同時に、将来また美容医療を選ぶ可能性についても柔軟な姿勢を示しています。
本人が大切にしているのは、自分にとってその時どんな美容が心地よいかを選ぶことです。
💡美容観|「笑った線がもっと深くなるくらい笑っていたい」
2023年、Arianaは美容医療との過去の付き合い方を振り返りながら、現在は自分が生き、笑ってきた表情の変化も見ていきたいと語りました。美容との関係も、その時の自分に合わせて変化しています。
香りへの情熱も、Arianaの美容を語るうえで欠かせません。
本人は香水づくりが好きな美容カテゴリーの一つだと語り、香りもヘアやメイクと同じように一つの世界観を作るものとして楽しんできました。
目、髪、香り、リップ。
Arianaにとって美容は顔だけの話ではなく、その人物や楽曲の空気まで作る「演出」の一部です。
3.『Wicked』で“Ariana Grande”を一度解体。Glindaを作った髪・眉・メイク
Ariana Grandeの美容史で最も興味深い章の一つが、『Wicked』です。
Arianaは幼い頃からGlinda役を強く望んでいました。
だからこそ、役を得た後は「Ariana GrandeがGlindaの格好をしている」状態から一歩進み、本当に別の人物として見えることを重視しました。
本人は、美容がポップスターとしての自分のイメージを一度ほどき、Glindaという人物を見つける助けになったという趣旨を話しています。
『Wicked』では、Arianaを象徴してきた要素を一つずつ変えながら、Glindaならではの世界観を作りました。
ハイポニーを外す。
ウイングライナーを柔らかくする。
眉を明るくする。
髪をブロンドへ変える。
唇や頬をピンクと柔らかな光で作る。
Arianaを象徴してきた美容記号を少しずつ変えることで、Glindaという人物を前へ出したのです。
ヘア&メイクデザイナーがGlindaの参考にした人物の一人はGrace Kelly。
クラシックで柔らかく、華やかさがありながらも時代を限定しすぎない美しさが一つの基準になりました。
若いGlindaから「Glinda the Good」へ、美容だけで成長を表現
『Wicked』の面白さは、Glindaが物語の中で美容まで少しずつ成長していくところです。
学校時代の若いGlindaは、頬のピンクが強く、髪もやや短く暖かみのあるブロンド。
物語が進んだGlindaは、髪が長くなり、より淡いブロンドへ。
メイクもオパールのような光や細かなきらめきを加え、少しずつ「Good Witch」としての存在感へ変化していきます。
さらに2025年公開の『Wicked: For Good』では、時間が進んだGlindaの成熟を示すため、髪はさらに長く淡くなり、目元には以前より強いまつ毛と奥行きを加えています。
柔らかな色を保ちながら、まつ毛や目元の深さを少しずつ変える。
観客が意識しすぎない細かな美容の変化で、人物の時間経過を伝えています。
💡映画美容|Glinda用のウィッグは12点、『Wicked』全体では3,500点超
主役だけでなく背景キャストまでウィッグやヘアピースを使用。Glindaにも複数の髪が用意され、髪の長さやブロンドの色味で物語の時間経過まで表現しています。
Ariana自身も役の世界へ深く入り込み、撮影だけでなく普段の服装にもピンクが増えました。
それまで生活の中心にある色ではなかったピンクを、Glindaのオーディションや役作りを通じて少しずつ集めるようになり、やがて自分自身にも特別な色になったと話しています。
髪を変え、眉を変え、色を変えることで、撮影現場だけでなく生活の中から役へ近づいていきました。
撮影と長いプロモーションを経た2025年には、温かみのあるブルネットへ。
そこで美容は再び、Glindaを表現するものから「Glindaを演じたAriana自身」を表現するものへ移っていきます。
4.日常に動きを取り入れる。運動・食生活・ボディイメージ、そして「声」のケア
Ariana Grandeについては、インターネット上に「毎日これを食べる」「この運動で体型を維持している」といった情報が数多くあります。
この章では、本人や担当者が実際に公表した年代の分かる情報を中心に見ていきます。
2017年は「一日の中でこまめに動く」ことを重視
2017年、Dangerous Woman Tour中にSELFへ話したArianaは、運動についてかなりシンプルな考えを持っていました。
本人は、とてもハードなトレーニングを一度行って残りの時間を座って過ごす日より、一日の中で継続して体を動かしている方が自分は心地よく感じると説明しています。
当時のトレーナーも、ツアー生活では毎回設備の整ったジムへ行けるわけではないため、場所を選びにくい動きを重視していました。
ジムのないコンサート会場では、廊下を使ってウォーキングランジをすることも。
紹介された短いメニューは、ウォーキングランジを約2分、グルートブリッジを約2分、それを3回繰り返すというシンプルな内容でした。
これは2017年当時のツアーに合わせた運動方法です。
💡運動豆知識|ジムがなければ「会場の廊下」でランジ
2017年のツアーでは、設備がなくてもできる動きを活用。ウォーキングランジとグルートブリッジという基本的な運動を、移動の多い生活へ組み込んでいました。
2018年のBritish Vogueでは、自宅で過ごす時期に6マイルほど走る日が何度もあったことも明かしています。
これも2018年当時の生活についての本人発言として見ることで、年代ごとの変化が分かりやすくなります。
Arianaの運動情報を長い期間で見ると、その時の仕事、移動、心身の状態へ合わせて動き方を変えてきたことが分かります。
2013年に始めた植物性の食生活。2024年にも継続を確認
食生活について比較的はっきり本人が公表しているのが、植物性中心の食事です。
2013年、Arianaはそれまで肉を少なめにしていた生活から、植物性の食生活へ移行することを公表しました。
当時は動物への思いも大きな理由の一つとして挙げています。
現在について本人が明確に公表している食生活の大きな軸は、植物性の食事を続けていることです。
2024年の『Hot Ones』でも、自分が今も植物性の食生活を続けていることを本人が改めて話しました。
そこで登場したのが、イタリア系の家族らしい小さなエピソードです。
祖母が今でも肉団子を勧めてくるため、そのたびに「今も植物性なんだよ」と伝えているそうです。
💡食生活|10年以上経っても、家族から肉団子を勧められる
2013年に植物性の食生活を始めたAriana。2024年にも続けていると話しつつ、家族からは今でも肉料理を勧められるというエピソードを明かしています。
Arianaの食事については、植物性という本人が公表した大きな軸を中心に見ることで、現在の習慣をより正確に捉えられます。
そして本人自身が、食生活や体型から他人の健康を単純に判断することへ強く注意を促しています。
2023年、「見た目だけでは相手の健康状態は分からない」
2023年、Arianaは自分の体について増えていたコメントへ、自ら動画で言葉を返しました。
そこで伝えたのは、体が大きい、小さい、健康そう、以前の方が良かったといった評価を、善意であっても簡単に他人へ向けないことでした。
特に重要だったのが、ファンが「あの頃の方が健康的に見えた」と比較していた過去の自分についての説明です。
本人は、その頃こそ自分にとって非常につらい状態だったと話し、当時の服薬、飲酒、食生活、精神的に低い状態だった時期について率直に振り返りました。
これは過去についてのAriana本人の説明であり、現在の健康状態を外見から判断する材料ではありません。
本人が繰り返した中心的な考えは、健康や美しさにはさまざまな形があり、外側からは相手について分からないことがたくさんあるということです。
2017年のSELFでも、運動の話へ入る前に、本人は人の美しさは運動や食事の一日だけで決まるものではなく、その人自身が大切だという趣旨を話していました。
この考えは、2023年のボディイメージに関するメッセージまで一貫してつながっています。
「歌う体」も守る。ツアーを支えてきたボーカルケア
Arianaのウェルネスを深く見るなら、体型や運動だけでなく、仕事の中心にある「声」も重要です。
2019年のVogueでArianaは、幼い頃から他の歌手を真似することを通じて歌い方を研究し、特にCeline Dionの声の使い方から多くを学んだと話しています。
大きく力いっぱい押し出すだけがパワフルな歌声ではなく、声の位置や音域のつなぎ方を工夫することで、必要以上に力を使わず強く聞かせる方法を学んできました。
本人は声を、使い方を考えながら長く付き合っていく大切な資源のように表現しています。
2021年には、長年のボーカルコーチEric Vetroとの対談で、ツアー中の声の準備をかなり具体的に公開しました。
声の状態が良くない日は、朝に声を多く使わず、時間をかけて少しずつ目覚めさせる。
本格的なウォームアップでは、約15分歌う→約5分沈黙して休む→再び約15分→再び約5分休むというように、発声と休声を組み合わせることもありました。
海外ツアーで時差が大きい時には、ボーカルコーチが深夜や早朝にオンラインでウォームアップを行うこともあったそうです。
💡声の豆知識|15分歌ったら、5分“黙る”
ツアー中には、ウォームアップを続けっぱなしにせず、発声と短い休声を交互に行う日もありました。何時間も歌う本番へ向け、声の状態を見ながら段階的に準備していたことが分かります。
そして2024年には、インタビュー中に話し声の高さが変化した動画が話題になりました。
Ariana本人は、これは以前から行っていることで、歌う量などに応じてvocal placement=声を出す位置の感覚を高めたり低めたりすることがあると説明しています。
『Wicked』では歌声そのものもGlindaに合わせるため、日々トレーニングして自分の歌唱を一度組み直したとも話しました。
ポニーテールやキャットアイだけでなく、声まで含めて「Ariana Grande」という仕事を支えるために長年ケアしてきたことが見えてきます。
5.セラピー、休息、瞑想、音楽。Arianaが自分へ戻る時間を作ってきた方法
Ariana Grandeの健康習慣を語るなら、心のケアも重要なテーマです。
本人は長年、不安やセラピーについて自分の言葉で話してきました。
特に大きな転機になったのが2017年のマンチェスター公演後です。
2018年のBritish Vogueで、Arianaは帰宅後に強い不安、めまい、息苦しさなどを経験し、本人自身がPTSDについて話しています。
同時に、亡くなった人や負傷した人、その家族の経験を思うと、自分の経験をどう語ればいいのか複雑な気持ちがあることも率直に説明しました。
ここでは本人が公表した経験として、その後のセルフケアの変化を見ていきます。
仕事を続けてきたArianaが「今日は休む」を覚えた時期
当時のArianaは、自分自身をかなり強い仕事人間だと表現しています。
10代前半から舞台やテレビの仕事を続け、仕事をしている状態そのものに慣れていました。
マンチェスター後も、本人の本能としてはすぐ仕事へ戻りたい気持ちがあったそうです。
しかし2018年頃には、それまでとは違う過ごし方も取り入れるようになりました。
セラピーを受ける。
家でドラマを見る。
家族と料理をする。
6マイルほど走る。
そして本当にしんどい日は、ベッドへ入り、その日を休息の日として過ごす。
British Vogueは、この時期をArianaが初めて大きく立ち止まった時間として描いています。
💡セルフケア|「休む日」を生活へ入れた
長く仕事を続けることに慣れていたArianaですが、2018年にはセラピー、家族との料理、ランニング、家で過ごす時間に加え、つらい日はベッドで休むという選択も生活へ取り入れました。
音楽も重要な存在でした。
『Sweetener』や『thank u, next』の制作時期は、本人がPTSD、悲しみ、抑うつ、不安と向き合っていた時期と重なっています。
2025年、Arianaはその頃を改めて振り返り、専門的なケアを真剣に受けながら、音楽を作ることも自分を支える大きな一部だったと説明しました。
本人は、専門的なケアを受けながら、創作も自分を支える大切な要素だったと説明しています。
セラピーと音楽、その両方を自分に必要なものとして大切にしていました。
瞑想、長いお風呂、ラベンダー。静かなセルフケアも
2022年のBritish Vogueでは、ストレスの多い日の終わりに好きな過ごし方として、瞑想、長い入浴、スキンケアを挙げています。
瞑想する時にはラベンダー系の精油の香りを楽しむこともあるそうです。
これはAriana本人が心地よいと感じる個人的な習慣として紹介されているものです。
そして『Wicked』撮影期の2023年には、さらに具体的な話が登場します。
非常に早い時間から撮影へ向かう日には、朝4時頃、車の中でヘッドホンをつけて瞑想してからセットへ向かっていたと本人が話しました。
大規模な映画撮影へ入る直前に、静かな車内で自分へ意識を戻す。
2018年のセラピーと休息、2022年の入浴と瞑想、2023年の早朝瞑想、2025年の音楽についての振り返り。
方法は時期によって変わっても、Arianaのセルフケアには、自分の状態へ意識を戻す時間が繰り返し登場します。
自分の子役経験から「若い人には最初から心理的サポートを」へ
2024年、Arianaは自身が若くしてテレビ業界へ入った経験についても改めて話しました。
本人は、自分自身には家族からの強い支えがあり、若い頃の仕事には良い思い出も多いとしています。
そのうえで、子どもが非常に大きなメディア露出を伴う仕事へ入る場合には、専門家による心理的なサポートへ最初からアクセスできる仕組みが必要だという考えを語りました。
本人の提案としては、セラピーを契約の中へ組み込み、週に2〜3回利用できるくらいの体制があってもよいのではないか、と具体的に話しています。
さらに、親が必要な時に現場へアクセスできる環境や、突然生活が大きく変わる経験を若い本人が整理できる専門的な場の重要性についても言及しました。
8歳頃から舞台へ立ち、10代で広く知られるようになり、17歳頃には外見について大量の声を受け取っていたAriana。
30代になった現在は、自分の経験を振り返りながら、若いパフォーマーが最初から心のケアへアクセスできる環境について話すようになっています。
2026年、ツアーを終えた後は「公の場から少し離れる時間」へ
そして2026年、Arianaのセルフケアを考えるうえで新しい節目が加わりました。
6月から続いたEternal Sunshine Tourは、9月1日のロンドン公演で全41公演を終了しました。
ツアー終了前の8月、本人の代理人は、Arianaがツアー終了後に公の場へ出る仕事や出演を少し減らし、自分のための時間を取る予定であることを明らかにしました。
翌日のシカゴ公演でAriana自身もファンへ説明し、その選択は突然決めたものではなく、以前から静かに考えてきたものだと話しています。
同じスピーチでは、今回のツアーを自分にとって非常に特別で、心に残る経験だったと振り返りました。
さらに8月の別のインタビューでは、以前のツアーより今はファンとの時間をより深く感じられるようになり、今回のツアーを自分にとって「corrective experience」と表現しています。
2018年に「今日は休む」という一日を生活へ取り入れ、2022年には瞑想や長い入浴、2023年には早朝の車内で瞑想する時間を持ったAriana。
2026年には、公の活動量そのものを自分で調整し、長いツアーを終えた後にまとまった休息を選ぶところまで、セルフケアの考え方が広がっています。
これはすべての仕事を停止するという意味ではなく、一部の映画関連やブランド活動は続けながら、公の場へ出る仕事との距離を調整していく予定だと報じられています。
6.8歳の舞台メイクから2026年のツアーへ。「美容=ストーリーテリング」という現在地
ここまでAriana Grandeの美容と健康習慣を追うと、ヘアやメイクは単なる身だしなみ以上の役割を持っていることが分かります。
本人にとって、美容は子どもの頃から「役」や「音楽」と結びついていました。
2023年のVogueでArianaは、Floridaの地元劇場で舞台へ出始めた8歳頃から、演じるキャラクターごとに違うメイク道具を使うのが楽しかったと振り返っています。
『Annie』を演じる時には、その役のためのチーク。
別の役には別の色。
まだメイク自体は非常に薄くても、「この人物にはこの美容」という発想を子どもの頃から楽しんでいました。
Broadwayへ進むと、舞台の後にドラァグパフォーマーたちのショーを見る時間からも大きな刺激を受けたと話しています。
ドラァグカルチャーから受けた美容的・創造的な影響についても、本人は何度も言及してきました。
そして音楽活動が始まると、曲やミュージックビデオごとにメイク、髪、服、香りまでを一つの世界観として組み合わせるようになります。
💡豆知識|美容と「役」を結びつけ始めたのは8歳頃
地元劇場へ出演していた子ども時代から、役ごとに違うメイク用品を使うことを楽しんでいたAriana。現在の「美容は物語を伝えるもの」という考え方には、長い原点があります。
『Wicked』では、その考え方がさらに大きなスケールへ広がりました。
長年自分を象徴してきたヘアやメイクを変え、Glindaという別の人物を作る。
そして役を演じ終えた後は、自分自身のブルネットやポニーテールをもう一度選ぶ。
2026年のEternal Sunshine Tourでは、その関係性をさらに面白い形で見せました。
約2時間にわたる公演の途中、長年Arianaのビジュアルを支えてきたメイク担当者とヘア担当者が実際にステージへ登場。
「7 Rings」の前には、観客の目の前でリップを整え、腰まであるポニーテールをブラッシングします。
別の場面では、舞台裏で準備する様子を映像としてショーへ組み込んでいます。
普段なら観客から見えない「美容を作る人たち」まで、作品の一部として表舞台へ出したのです。
Arianaは2026年のVogueで、ヘアとメイクは音楽でも演技でも、自分にとってストーリーテリングの非常に大きな一部だと説明しました。
そして自分の作品は、長く一緒に仕事をしてきた美容チームの仕事が加わって完成するものだという深い感謝も語っています。
💡2026年|ツアー中、ヘア&メイク担当者がそのままステージへ
Eternal Sunshine Tourでは、美容チームがArianaのリップとポニーテールを観客の前で整える場面まで演出に。長年“舞台裏”にあった美容そのものをストーリーへ組み込みました。
ここまでAriana Grandeの美容法・健康習慣を長い時間軸で見ると、いくつかの大きなテーマが見えてきます。
- 髪が傷んだ時期に、自分が心地よく過ごせるポニーテールを見つける
- ポニーテール、キャットアイ、リップを自分だけのシグネチャーへ育てる
- 仕事用のヘアと並行して、自分自身の自然なカールも長い時間をかけて育てる
- スキンケアでは保湿やSPFを取り入れ、撮影が続く時の肌変化とも付き合う
- 美容を「隠れる場所」から「自分を生かす自己表現」へ更新する
- 役に合わせて自分のシグネチャー美容を変化させ、新しい人物を作る
- 運動は、その時の仕事や生活へ合わせて日常の中へ取り入れる
- 食生活や外見を単純に結びつけず、他人の体へやさしい視線を向ける
- 長く歌うために、発声だけでなく休声や声の使い方まで意識する
- セラピー、休息、音楽、瞑想など、その時々で必要なセルフケアを選ぶ
- 自分の経験から、若いパフォーマーの心理的サポートについても考える
- 美容を、自分一人ではなくチームと一緒に作る「作品」の一部として大切にする
地元劇場で役ごとのメイク用品を楽しんでいた8歳のAriana。
赤髪を維持するためのカラーリングで髪が傷み、20歳頃にポニーテールへ落ち着いたテレビ時代。
その裏では自分自身のカールを育てながら、ハイポニー、キャットアイ、ニーハイブーツまで含めた「Ariana Grande」というポップスター像を作った20代。
大きな出来事を経験し、セラピー、家族、運動、休息、音楽の中で自分へ戻る時間を探した時期。
世界を回るツアーでは、何時間も歌うためのウォームアップと休声を繰り返し、声そのものも大切な仕事道具として扱ってきました。
30歳では、若い頃にメイクを隠れるために使ったこともあったと振り返り、表情の変化まで含めて年齢を重ねることを前向きに語るようになりました。
そして『Wicked』では、何年もかけて作った自分のシグネチャーを変化させ、髪も眉も色も変え、Glindaという別の人物を作りました。
2025年にはブルネットへ戻り、2026年には自然なカールを見せる一方、ステージではもう一度ハイポニーを選びました。
Ariana Grandeの美容史で最も興味深いのは、自分だけのシグネチャーを確立しながら、その意味を人生や作品に合わせて何度も更新し、自分自身で選び直してきたことです。
ポニーテールは、傷んだ髪が伸びる時期に安心して選べるスタイルから、世界的なアイコンへ。
自然なカールは、プライベートな自分を思い出させる髪から、2026年には再び人前で見せる現在の自分の一部へ。
キャットアイは、若い頃に自分を守るための強いメイクから、1960年代への愛と遊び心を表す自己表現へ。
美容は、自分を覆う場所から、役や音楽を語るための言語へ。
運動や食生活については、外見のための単純な公式としてではなく、その時の生活や価値観の一部として取り入れてきました。
声については、日々のウォームアップ、短い休声、声の位置の調整まで含め、長く歌い続けるための技術を積み重ねています。
心のケアでは、自分自身がセラピーや休息を経験した後、若いパフォーマーにも専門的な支援が最初から届く環境について語るようになりました。
そして2026年9月1日、Ariana GrandeはブルネットのポニーテールとともにEternal Sunshine Tour全41公演を完走しました。
現在はその大きなツアーを終え、公の場へ出る仕事の量を調整しながら、自分のための時間を取る新しい時期へ進んでいます。
それは、Glindaという大きな役を通過し、美容との関係、体への視線、声の使い方、休息やセラピーの意味まで何度も考えた後に、自分自身で選び取った現在のArianaの姿です。
子どもの頃から美容を「物語を作る道具」として楽しんできたArianaにとって、美容とウェルネスは人生や作品とともに成長していくものです。
髪も、メイクも、体も、声も、心のケアも、その時の人生や作品に合わせて丁寧に更新していく。
その約20年の変化まで追うことで、Ariana Grandeという人物の美容と健康習慣は、単なる「ビューティーシークレット」ではなく、自分を守り、自分を表現し、新しい役へ変化し、そして再び自分自身を選び直してきた長いストーリーとして見えてきます。