「コエンザイムQ10」という名前を、サプリメントや美容・健康関連の商品で見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
特に年齢を重ねて健康や栄養について意識するようになると、気になる成分のひとつがコエンザイムQ10(CoQ10)です。
では、コエンザイムQ10は一体何が注目されているのでしょうか。
大きなポイントは、CoQ10が単なる流行の健康成分ではなく、もともと私たちの体内に存在し、細胞が生命活動に必要なエネルギーをつくる仕組みに関わっている物質だということです。
さらに、体内の酸化還元にも関わっており、年齢による体内量の変化についても研究されてきました。
こうした特徴から、CoQ10は年齢とともに毎日の健康や栄養バランスを意識する方から長く関心を集めている成分のひとつです。
この記事では、コエンザイムQ10とは何なのか、体内でどのような仕組みに関わっているのか、「抗酸化」とはどういう意味なのか、そして酸化型と還元型の違いや年齢との関係まで、できるだけわかりやすく解説します。
コエンザイムQ10(CoQ10)とは?
コエンザイムQ10は、人の体内にも存在している脂溶性のビタミン様物質です。
英語では「Coenzyme Q10」、略して「CoQ10」と表記されます。また、酸化型のCoQ10は「ユビキノン(Ubiquinone)」という名称でも知られています。
CoQ10について理解するときに、まず知っておきたいのが「コエンザイム(Coenzyme)」という名前です。
Coenzymeは日本語で「補酵素」を意味します。
私たちの体内では、食事から摂取した栄養素を利用したり、必要な物質をつくったりするために、絶えずさまざまな化学反応が起こっています。
その反応に重要な役割を果たしているのが「酵素」であり、酵素が働く際に別の物質の助けを必要とする場合があります。そのような働きを支える物質が「補酵素」です。
CoQ10も、体内で行われる重要な反応に関わっている物質のひとつです。
CoQ10が注目される大きな理由は「エネルギー産生」との関係
コエンザイムQ10を理解するうえで特に重要なのが、私たちの細胞にある「ミトコンドリア」との関係です。
私たちは歩いたり、考えたり、食事をしたり、呼吸したりしています。眠っている間も、心臓をはじめ身体のさまざまな器官は働き続けています。
こうした生命活動にはエネルギーが必要です。
そのエネルギーを細胞が利用できる形につくり変えるうえで重要な役割を担っているのが、細胞内に存在するミトコンドリアです。
食事から摂取した糖質や脂質などは体内でさまざまな過程を経て利用され、ミトコンドリアではATP(アデノシン三リン酸)と呼ばれる、生命活動に必要なエネルギーがつくられます。
CoQ10は、ミトコンドリア内にある「電子伝達系」と呼ばれる仕組みの中で電子の受け渡しに関わり、ATPがつくられる過程で重要な役割を担っています。
少し難しい仕組みに聞こえるかもしれませんが、ここで覚えておきたいのは、
CoQ10は、私たちの細胞がエネルギーをつくる仕組みにもともと関わっている物質である
ということです。
CoQ10が健康・栄養分野で長く研究され、サプリメントの成分としても利用されている背景には、こうした身体の基本的な仕組みとの深い関係があります。
「エネルギー産生に関わる」=疲労回復という意味ではない
ここはCoQ10を理解するときに、ひとつだけ整理しておきたいポイントです。
CoQ10が体内のエネルギー産生に関わっているからといって、一般的なCoQ10サプリメントを「飲めばすぐに元気になる」「疲れが取れる」と考えるのは適切ではありません。
体内でその成分が持っている生理的な役割と、サプリメントとして摂取した場合の働きは分けて考える必要があります。
一方で、CoQ10が私たち自身の身体にもともと存在し、生命活動に欠かせないエネルギー産生の仕組みに関わっていることは、CoQ10という成分を知るうえで重要な特徴です。
「何か特別な効果を期待する成分」としてだけ見るのではなく、私たちの身体の基本的な仕組みに関係する成分として理解すると、CoQ10がなぜ長く注目されてきたのかが分かりやすくなります。
CoQ10のもうひとつの特徴「抗酸化」とは?
コエンザイムQ10について調べると、「抗酸化」という言葉を目にすることがあります。
私たちは生命活動を行うために酸素を利用していますが、その過程では「活性酸素」と呼ばれる反応性の高い物質も生じます。
活性酸素はすべてが身体にとって不要なものではなく、体内で一定の役割を持っています。
一方で、活性酸素の生成と、それに対応する身体の仕組みとのバランスが崩れた状態は「酸化ストレス」と呼ばれ、健康との関係についてさまざまな研究が行われています。
私たちの身体には、この酸化に対応するための仕組みが備わっており、CoQ10も体内の酸化還元や抗酸化システムに関係する物質のひとつです。
つまりCoQ10には、
- ミトコンドリアでのエネルギー産生に関わる
- 体内の酸化還元・抗酸化システムに関わる
という、身体の中での重要な特徴があります。
これらが、CoQ10が健康や栄養について研究されてきた大きな理由のひとつです。
ただし、「抗酸化」という言葉から「摂取すれば病気を防げる」「若返る」といった意味にまで広げて考えることはできません。
CoQ10については、まず身体の中でどのような仕組みに関わっている物質なのかを知ることが大切です。
コエンザイムQ10は私たちの体内でもつくられている
CoQ10の興味深い特徴のひとつが、サプリメントや食品から摂取するだけではなく、私たち自身の体内でも合成されていることです。
CoQ10は全身のさまざまな組織に存在し、特にエネルギー産生に重要なミトコンドリアとの関係が深い物質です。
つまり、CoQ10は外から取り入れるためだけにつくられた「健康成分」ではありません。
もともと私たちの身体の中に存在し、生命活動を支える仕組みの一部として働いている物質なのです。
この点は、コエンザイムQ10という成分の特徴を考えるうえで非常に重要です。
なぜCoQ10は「年齢」が気になる方から注目されているの?
CoQ10というと、「年齢を重ねてから意識したい成分」というイメージを持っている方もいるでしょう。
その背景のひとつに、体内に存在するCoQ10の量と年齢との関係が研究されていることがあります。
CoQ10は体内で合成されていますが、その量は生涯を通して常に同じというわけではなく、組織による違いや年齢による変化が報告されています。
もちろん、これは「CoQ10を摂取すれば老化を防げる」という意味ではありません。
しかし、年齢を重ねると、食事の内容や生活リズム、身体活動などを改めて意識する方も増えてきます。
そんなとき、自分たちの身体にもともと存在し、細胞のエネルギー産生や酸化還元に関わっているCoQ10について知り、日々の栄養について考えてみることは、年齢に応じた健康管理を考えるひとつのきっかけになります。
CoQ10が年齢を意識する方から長く注目されているのは、単に「若々しさ」をイメージさせる成分だからではなく、こうした身体の基本的な仕組みと関係している物質だからなのです。
CoQ10は食品からも摂取できる
コエンザイムQ10は、サプリメントだけに含まれているものではありません。
私たちは体内でCoQ10を合成しているほか、普段の食事からも摂取しています。
CoQ10を含む食品としては、たとえば次のようなものが知られています。
- イワシやサバなどの魚類
- 牛肉や豚肉などの肉類
- 大豆などの豆類
- ピーナッツなどのナッツ類
- ほうれん草やブロッコリーなどの野菜
- 一部の植物油
CoQ10だけを目的に特定の食品をたくさん食べる必要はありません。
魚、肉、大豆、野菜などにはCoQ10以外にも、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維など、それぞれ異なる栄養成分が含まれています。
まずはさまざまな食品を組み合わせ、食事全体のバランスを整えることが基本です。
そのうえで、年齢やライフスタイルをきっかけに栄養について考え、自分に合った方法でCoQ10を取り入れたいと考える方にとって、サプリメントも選択肢のひとつとなります。
コエンザイムQ10には「酸化型」と「還元型」がある
CoQ10のサプリメントを探していると、「酸化型CoQ10」や「還元型CoQ10」という言葉を目にすることがあります。
「どちらを選べばいいの?」「まったく違う成分なの?」と思う方もいるかもしれません。
コエンザイムQ10には、主に次の2つの形があります。
- 酸化型CoQ10:ユビキノン(Ubiquinone)
- 還元型CoQ10:ユビキノール(Ubiquinol)
名前は異なりますが、まったく別の成分というわけではありません。
体内では酸化還元反応によってそれぞれの形に変化しながら存在し、CoQ10として身体のさまざまな仕組みに関わっています。
酸化型CoQ10(ユビキノン)とは?
酸化型CoQ10は「ユビキノン」と呼ばれ、CoQ10サプリメントに長く利用されてきた形です。
商品パッケージや原材料表示では、「Coenzyme Q10」「CoQ10」「Ubiquinone」などと記載されていることがあります。
摂取された酸化型CoQ10は、体内の仕組みによって還元型へ変換されながら利用されます。
当店で取り扱っているコエンザイムQ10にも、酸化型のユビキノンが使用されています。
還元型CoQ10(ユビキノール)とは?
還元型CoQ10は「ユビキノール」と呼ばれます。
CoQ10が体内の酸化還元や抗酸化システムに関わる際の重要な形として知られています。
酸化型と還元型にはそれぞれ特徴がありますが、「還元型だから必ず優れている」「酸化型だから劣っている」というように、形だけで商品の価値を決める必要はありません。
CoQ10サプリメントを選ぶときには、使用されているCoQ10の形だけではなく、配合量、原材料、1日の摂取目安量、品質管理、価格、続けやすさなども含めて商品全体を見ることが大切です。
CoQ10サプリメントを取り入れる意味をどう考える?
ここまで読んで、「CoQ10は体内でもつくられるし、食品にも含まれているなら、サプリメントで摂る意味はないの?」と思った方もいるかもしれません。
CoQ10には、ビタミンやミネラルの一部のように、一般成人に対して「1日に必ず○mg摂取する」といった公的な推奨量が設定されているわけではありません。
そのため、「食事だけでは必要量を摂れないから、すべての人がサプリメントで補う必要がある」と考えるものではありません。
一方、サプリメントには、自分がどれくらいのCoQ10を摂っているのかを商品表示から確認しやすく、毎日の生活の中で一定量を取り入れやすいという食品としての特徴があります。
年齢をきっかけに栄養について考えるようになった方や、CoQ10という成分に関心を持ち、普段の食生活にプラスする方法を探している方にとって、サプリメントは取り入れ方のひとつになります。
大切なのは「誰にでも必要だから飲む」のではなく、CoQ10がどのような成分なのかを理解したうえで、自分の食生活やライフスタイルに合わせて選ぶことです。
CoQ10サプリメントを選ぶときに確認したい4つのポイント
CoQ10サプリメントにはさまざまな商品があり、価格やパッケージだけでは違いが分かりにくいことがあります。
そこで、購入するときには次のポイントを確認してみましょう。
1.CoQ10の配合量を見る
まず確認したいのが、CoQ10がどのくらい配合されているのかという点です。
「320mg」など大きな数字が表示されている商品でも、それが1粒あたりなのか、1日分なのかによって意味が変わります。
数字の大きさだけを比較するのではなく、商品表示を確認して、何に対する配合量なのかを把握しましょう。
なお、配合量が多ければ多いほど優れた商品という意味ではありません。メーカーが設定している摂取目安量と合わせて確認することが大切です。
2.酸化型・還元型と原材料を確認する
CoQ10には酸化型のユビキノンと還元型のユビキノールがあります。
商品によっては使用している形が表示されているため、「CoQ10」「Ubiquinone」「Ubiquinol」などの記載を確認してみましょう。
また、CoQ10以外の成分が配合された複合タイプもあります。
複数のサプリメントを利用している方は、同じ成分を重複して摂っていないか、原材料表示も合わせて確認するとよいでしょう。
3.1日の摂取目安量と摂取方法を確認する
サプリメントを選ぶ際には、1粒あたりの配合量だけではなく、メーカーが設定している1日の摂取目安量も確認しましょう。
CoQ10には一般成人に対する公的な1日の推奨摂取量が設定されていないため、サプリメントを利用する場合は各製品に表示されている摂取方法や目安量を確認することが基本です。
また、CoQ10は脂溶性の物質です。
その性質から、脂質を含む食事と一緒に摂取することは吸収の面で合理的とされています。
ただし、CoQ10を摂るために脂質を多く食べる必要はありません。普段の食事を基本として、使用する商品の表示に従いましょう。
4.品質管理や製造情報も見る
サプリメントは継続して口にするものだからこそ、配合量だけではなく「どのようにつくられている商品なのか」も確認したいポイントです。
製造元や販売元、原産国、品質管理に関する情報など、商品ページやパッケージに必要な情報がきちんと表示されているか確認しましょう。
「有名だから」「価格が高いから」「数字が大きいから」だけではなく、自分が商品を選ぶために必要な情報がきちんと開示されているかを見ることも大切です。
当店のCoQ10は1カプセルに320mg配合
当店で取り扱っているコエンザイムQ10 320mgは、1カプセルあたりCoQ10を320mg配合しています。
使用されているのは、CoQ10サプリメントとして長く利用されてきた酸化型CoQ10(ユビキノン)です。
メーカーでは、成人は1日1~2カプセルを食事と一緒に摂取することを推奨しています。
商品を比較するときには「CoQ10配合」という表示だけを見るのではなく、1カプセルあたりの配合量、使用されているCoQ10の形、1日の摂取目安量などを確認すると、商品の違いが分かりやすくなります。
CoQ10を毎日の生活に取り入れるなら
コエンザイムQ10は医薬品ではなく、CoQ10を配合した一般的なサプリメントは毎日の食生活を補うための食品です。
「飲めばすぐに身体が変わる」というものではありませんが、だからといってCoQ10という成分そのものの価値がなくなるわけではありません。
CoQ10は、私たちの身体にもともと存在し、細胞のエネルギー産生や酸化還元という生命活動の基本的な仕組みに関わっている物質です。
そして、体内のCoQ10と年齢との関係についても研究されてきました。
年齢を重ねて栄養や毎日の健康管理について考えるようになったとき、「何となく健康によさそうだから」という理由ではなく、CoQ10がどのような物質なのかを知ったうえで、自分の生活に取り入れるかどうかを考えることが大切です。
CoQ10について知っておきたいこと
酸化型と還元型はどちらを選べばいいですか?
酸化型はユビキノン、還元型はユビキノールと呼ばれます。形だけで単純に商品の優劣を決めるのではなく、配合量、原材料、摂取方法、品質管理、価格や続けやすさなども含めて選ぶとよいでしょう。
CoQ10はいつ摂ればいいですか?
まずは使用する商品の摂取方法に従ってください。CoQ10は脂溶性の物質であるため、その性質から食事と一緒に摂取することは合理的とされています。
まとめ|CoQ10は「なぜ注目されているのか」を知って選ぼう
コエンザイムQ10(CoQ10)は、私たちの体内にも存在する脂溶性の物質です。
その大きな特徴は、細胞内のミトコンドリアで行われるエネルギー産生に関わっていること、そして体内の酸化還元・抗酸化システムにも関係していることです。
さらに、体内のCoQ10量と年齢との関係についても研究されており、こうした特徴が、年齢とともに栄養や健康管理を意識する方からCoQ10が長く注目されてきた背景のひとつになっています。
CoQ10を「疲労回復」「若返り」といった単純な言葉だけで捉えるのではなく、もともと私たちの身体に存在し、生命活動の基本的な仕組みに関わっている物質として理解することが大切です。
サプリメントとして取り入れる場合には、CoQ10の形、配合量、摂取目安量、原材料、品質管理などを確認し、自分の食生活やライフスタイルに合った商品を選びましょう。
毎日の食事を基本にしながら、年齢やライフスタイルに合わせて栄養を考える。その選択肢のひとつとして、CoQ10について正しく知ることから始めてみてはいかがでしょうか。
※本記事は、コエンザイムQ10および栄養・健康に関する一般的な情報提供を目的としています。特定の食品・サプリメントによる疾病の診断、治療、治癒または予防を目的としたものではありません。医薬品を使用している方、治療中の方、妊娠・授乳中の方などは、サプリメントを利用する前に医師・薬剤師などの専門家へご相談ください。