スピルリナとは?栄養・フィコシアニン・効果の研究・美容・安全性まで徹底解説【完全版】

スピルリナとは?栄養・フィコシアニン・効果の研究・美容・安全性まで徹底解説【完全版】

OBARASOTARO

「スピルリナって、結局どんなもの?」

健康や美容に関心がある方なら、「スーパーフード」という言葉と一緒に、 スピルリナの名前を一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

濃い青緑色のパウダーやタブレットとして知られ、 タンパク質、必須アミノ酸、ミネラル、カロテノイド、 そして鮮やかな青色色素フィコシアニンなど、 ひとつの素材の中に多彩な成分を持っています。

ところが、スピルリナを詳しく見ていくと、 単に「栄養豊富な緑色の食品」というだけでは説明しきれない、 かなり奥深い世界が広がっています。

たとえば、

  • 植物なのか、藻なのか、それとも別の生物なのか?
  • なぜ生物学では「シアノバクテリア」に分類されるのか?
  • Spirulina、Arthrospira、Limnospiraという名前は何が違うのか?
  • なぜ乾燥重量の多くをタンパク質が占めるのか?
  • 青いフィコシアニンと緑のクロロフィルは何をしているのか?
  • クロレラやミドリムシとは何が違うのか?
  • ビタミンB12については、どのように考えればよいのか?
  • アレルギー性鼻炎、脂質、血圧、体組成、腸などについて、ヒトではどこまで研究されているのか?
  • 食品として知られるスピルリナが、なぜ美容・スキンケア分野でも利用されているのか?

と、一つ知るたびに次の疑問が出てきます。

さらに現在では、スピルリナは地球上の食品素材だけにとどまりません。 食料となるバイオマスをつくり、二酸化炭素を利用し、光合成によって酸素を生み出す生物として、 将来の宇宙生活を支える可能性まで研究されています。

この記事では、生物学的な正体から栄養成分、天然色素、 クロレラ・ミドリムシとの違い、ヒトを対象とした研究、 美容への応用、安全性まで、 スピルリナを一つの記事で深く理解できる完全版として詳しく見ていきます。


この記事の目次

  1. スピルリナとは?「藻」のようで実はシアノバクテリア
  2. なぜスーパーフードと呼ばれる?栄養を詳しく見る
  3. 青のフィコシアニンと緑のクロロフィル|色に隠された秘密
  4. クロレラ・ミドリムシとは何が違う?
  5. スピルリナの健康研究|ヒトではどこまで調べられている?
  6. 食べるだけじゃない|スピルリナと美容・スキンケア
  7. 自然由来の複合栄養素材という見方|ローヤルゼリー・グレープシード・ビルベリー
  8. スピルリナを上手に選ぶ|摂り方・品質・安全性
  9. スピルリナについてよくある疑問
  10. まとめ|スピルリナを知ると「スーパーフード」の見方が変わる

 

スピルリナの正体・宇宙までの歴史

 

1. スピルリナとは?「藻」のようで実はシアノバクテリア

スピルリナは一般に「藍藻(らんそう)」や「微細藻類」として紹介されることの多い食品素材です。

水中で育ち、光合成を行い、見た目も藻のように見えます。 ところが生物学の世界から見ると、ここからすでにスピルリナの面白さが始まります。

光合成をする「シアノバクテリア」

スピルリナはシアノバクテリア(cyanobacteria)と呼ばれる生物グループに属します。

シアノバクテリアは、かつて英語で「blue-green algae」と呼ばれていたことから、 現在でも藍藻や微細藻類という名称で紹介されることがあります。

その特徴を理解するうえで重要なのが、細胞の構造です。

クロレラなどの一般的な藻類は、 細胞内に膜で囲まれた核を持つ真核生物です。

一方、シアノバクテリアは、 膜で囲まれた核を持たない原核生物です。

つまりスピルリナは、

水中で育ち、光合成をするという「藻らしい」特徴を持ちながら、
生物学的にはシアノバクテリアという細菌の仲間。

この少し不思議な立ち位置こそ、 スピルリナを理解する最初のポイントです。

地球の生命史にも登場するシアノバクテリア

さらに視野を広げると、 シアノバクテリアは地球の生命史において非常に重要な生物グループです。

シアノバクテリアは酸素を発生する光合成を行います。

太古の地球では、こうした光合成生物の活動が、 海洋や大気中に酸素が増えていく長い歴史と深く関わったと考えられています。

そのためスピルリナを知ることは、 単に一つの健康食品を知るだけでなく、 「光合成する微生物が地球環境とどのように関わってきたのか」 という壮大な生命史へつながっていきます。

Spirulina、Arthrospira、Limnospira——なぜ名前が3つある?

スピルリナについて学術論文を調べていくと、

  • Spirulina
  • Arthrospira
  • Limnospira

という複数の名前に出会います。

これは、研究が進む中で、 見た目や形態だけでなくDNAやゲノム情報を使った分類が行われるようになり、 分類体系が細かく整理されてきたためです。

食品として世界中で利用されてきた代表的な系統には、 かつてArthrospira platensis、Arthrospira maxima、Arthrospira fusiformis などと呼ばれてきたものがあります。

近年の分類では、これらは主にLimnospiraとして整理されています。

一方で「Spirulina/スピルリナ」という名称は、 食品名として世界中に定着しています。

そのため食品、サプリメント、研究紹介などでは現在も広く使われており、 この記事でも分かりやすさを優先して一般名称の「スピルリナ」と表記します。

名前の由来は、くるくるした「らせん」

スピルリナという名前は、 その特徴的な形から生まれました。

顕微鏡で観察すると、 細長い糸状の細胞が連なり、 小さなバネやコイルのようならせん状に見えるものがあります。

普段目にするスピルリナパウダーは深い青緑色をしていますが、 元の生物の姿を知ると、 「spiral=らせん」を思わせる名前にも納得できます。

約35億年前までつながる、シアノバクテリアの長い歴史

シアノバクテリアは、 地球上でも非常に古い歴史を持つ生物グループとして研究されています。

約35億年前までさかのぼる微生物の痕跡についても研究が続けられており、 酸素発生型光合成の進化と地球環境の変化を考えるうえで重要な存在です。

現在食品として利用されているLimnospiraそのものの年代を示す数字というより、 スピルリナが属するシアノバクテリアというグループの壮大な歴史 として見ると分かりやすいでしょう。

メキシコとアフリカ——遠く離れた土地で食料になっていた

スピルリナには、 人間が食品として利用してきた興味深い歴史もあります。

16世紀のメキシコでは、 アステカなどの人々がテスココ湖から青緑色の生物を集め、 乾燥させた「tecuitlatl(テクイトラトル)」と呼ばれる食品として利用していた記録があります。

一方、遠く離れたアフリカのチャド湖周辺でも、 カネンブの人々が湖からスピルリナを集め、 乾燥させた「dihé(ディヘ)」として食文化の中に取り入れてきました。

メキシコとアフリカ。 距離も文化も異なる地域で、 人々がそれぞれ青緑色のシアノバクテリアを食品として利用していたというのは、 スピルリナ史のとても興味深い部分です。

そして2026年、研究の舞台は宇宙へ

スピルリナの研究は、 現在では地球を飛び出しています。

光合成をするスピルリナには、

  • 食料となるバイオマスを生産する
  • 二酸化炭素を利用する
  • 酸素を生み出す
  • 比較的小さな空間で培養できる可能性がある

という、閉鎖環境での利用を研究できる特徴があります。

2026年には、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」で、 JAXAの「Space Surface Spirulina」実験が行われました。

この研究では、 大量の水を満たした一般的な培養槽とは異なる、 担持体の表面でスピルリナを育てる培養方法が検討されています。

限られた水や空間を活用しながら、 タンパク質を含むバイオマスを生産し、 同時に二酸化炭素処理や酸素供給へつなげることができれば、 将来の長期宇宙滞在を支える技術へ発展する可能性があります。

かつて湖から集められていた食品が、 今では宇宙での食料生産や生命維持システムの研究対象になっている。

「古い食文化」と「未来の宇宙生活」が一本の線でつながっているところも、 スピルリナならではの面白さです。


 

なぜスーパーフードと呼ばれる?スピルリナの栄養を詳しく見る

 

2. なぜスーパーフードと呼ばれる?スピルリナの栄養を詳しく見る

スピルリナを語るときによく登場するのが「スーパーフード」という言葉です。

スーパーフードは、栄養成分や食品としての特徴に注目して使われる一般的な呼称です。

では、なぜ数ある食品の中でもスピルリナがこれほど注目されてきたのでしょうか。

その理由を理解するには、 一種類の成分だけではなく、複数の栄養成分や天然色素がひとつの小さな生物の中に共存している という視点で見ると分かりやすくなります。

乾燥スピルリナの中には何が入っている?

種類、培養条件、収穫時期、乾燥方法などによって組成は変化しますが、 乾燥スピルリナには主にタンパク質、炭水化物、脂質、ミネラル類などが含まれています。

主な構成 乾燥重量に占める目安 特徴
タンパク質 約60〜70%前後 必須アミノ酸を含む
炭水化物 約15〜20%前後 多糖類などを含む
脂質 約5〜8%前後 γ-リノレン酸などの脂肪酸を含む
ミネラル類 約6〜8%前後 鉄、マグネシウムなど複数のミネラルを含む

さらに、

  • フィコシアニン
  • クロロフィルa
  • βカロテンなどのカロテノイド
  • ゼアキサンチンなどの色素成分
  • さまざまなアミノ酸

なども存在します。

この多層的な成分構成が、 スピルリナを栄養素材として考えるときの大きな特徴です。

乾燥重量の約60〜70%をタンパク質が占めることも

スピルリナの栄養成分で、 特に目を引くのがタンパク質の割合です。

乾燥重量では約60〜70%前後がタンパク質として報告されることがあり、 食品素材として高いタンパク質比率を持っています。

さらに、そのタンパク質には、 人間が体内で十分につくることができず、 食品から摂る必要がある必須アミノ酸も含まれています。

高タンパク食品は「割合」と「実際に食べる量」の両方を見る

スピルリナを理解するときに役立つのが、 「含有率」と「実際の摂取量」を一緒に見ることです。

仮にタンパク質含有率を60〜70%として計算すると、

  • スピルリナ3g → タンパク質 約1.8〜2.1g
  • スピルリナ5g → タンパク質 約3〜3.5g

ほどになります。

乾燥重量に占めるタンパク質の割合は非常に高い一方、 一般的な利用量ではスピルリナそのものを数g程度摂るケースが多いため、 実際のタンパク質量も一緒に見ることがポイントです。

まとまった量のタンパク質を意識する場合は、 肉、魚、卵、乳製品、大豆食品などを含めた食事全体を基本にしながら、 スピルリナは多彩な栄養成分を持つ食品素材として組み合わせると、 その特徴を活かしやすくなります。

9種類の必須アミノ酸を含む

スピルリナのタンパク質には、

  • ロイシン
  • イソロイシン
  • バリン
  • リジン
  • メチオニン
  • フェニルアラニン
  • トレオニン
  • トリプトファン
  • ヒスチジン

といった必須アミノ酸が含まれています。

アミノ酸はタンパク質を構成する材料であり、 体内では筋肉、皮膚、酵素など、 さまざまなタンパク質をつくるために利用されています。

さらに、それぞれのアミノ酸は、 体内の異なる代謝経路にも関わっています。

たとえばトリプトファンは、 セロトニンなどにつながる代謝経路に関係するアミノ酸です。

フェニルアラニンは、 チロシンを経てカテコールアミン類につながる代謝経路を持っています。

食品から摂ったアミノ酸は、 消化・吸収されたあと、 他のアミノ酸や栄養素とともに体内の複雑な代謝ネットワークの中で利用される と考えると分かりやすいでしょう。

鉄などのミネラルも含まれる

スピルリナには、 鉄をはじめ、マグネシウム、カリウム、カルシウムなど、 複数のミネラルが含まれています。

特に鉄はよく注目される成分です。

鉄は、 酸素を運ぶヘモグロビンなどを構成するために必要な必須ミネラルです。

食品として評価するときには、 100gあたりの含有量と、実際に一日に摂る量の両方を見ることで、 日々の食生活の中でどれくらい摂取できるのかが分かりやすくなります。

鉄の栄養状態には、 摂取量だけでなく、鉄の形態、他の食品との組み合わせ、 個人の栄養状態なども関係します。

スピルリナも、 鉄を含む多成分食品のひとつとして食生活の中で考えるとよいでしょう。

βカロテンなどのカロテノイド

スピルリナには、 βカロテンをはじめとするカロテノイドも含まれています。

βカロテンは黄色〜橙色系の天然色素で、 体内では必要に応じてビタミンAへ変換されます。

ビタミンAは、 皮膚や粘膜、視覚などの正常な機能に関わる必須栄養素です。

さらにスピルリナでは、 ゼアキサンチンなど別のカロテノイドも研究されています。

青いフィコシアニン。
緑のクロロフィル。
黄〜橙系のカロテノイド。

実はスピルリナは、複数の「色」を内側に持っている食品なのです。

γ-リノレン酸(GLA)も含まれる

スピルリナの脂質量そのものはタンパク質ほど多くありませんが、 脂肪酸組成を見るとγ-リノレン酸(GLA)が含まれています。

γ-リノレン酸は、 炭素数18の多価不飽和脂肪酸のひとつです。

タンパク質、色素、ミネラルだけでなく、 脂質の中にどのような脂肪酸が存在するかまで見ることで、 スピルリナという食品の構成がさらに立体的に見えてきます。

ビタミンB12は「量」と「形」の両方を見る

スピルリナの栄養について深掘りすると、 ぜひ知っておきたいのがビタミンB12関連物質です。

分析法によっては、 スピルリナからビタミンB12として測定される物質が検出されます。

一方、化学構造まで詳しく調べた研究では、 主要なB12関連物質として pseudo-vitamin B12(不活性型のB12類似体) が報告されています。

ここから分かるのは、 ビタミンB12については、

「どれくらい検出されるか」に加えて、 「人の体がビタミンB12として利用できる形なのか」 まで確認することが大切

ということです。

特にヴィーガン・ベジタリアンなど、 ビタミンB12の摂取源が限られる食生活では、 利用可能性が確認されたB12強化食品やサプリメントなど、 信頼できる供給源を別に確保するという考え方が重要です。

スピルリナの魅力は「ひとつの中に多彩」

ここまで見てきたように、 スピルリナには、

  • 高い割合のタンパク質
  • 必須アミノ酸
  • ミネラル
  • 脂肪酸
  • カロテノイド
  • クロロフィル
  • フィコシアニン

といった、性質の異なる成分が共存しています。

スピルリナの個性は、 ひとつの小さな生物の中に、多彩な栄養成分と天然色素が一緒に存在していること にあります。

この視点で見ると、 なぜスピルリナが長く食品研究の対象となり、 現在もさまざまな分野で研究されているのかが見えてきます。


3. 青のフィコシアニンと緑のクロロフィル|スピルリナの「色」に隠された秘密

スピルリナを初めて見たとき、 多くの方が印象に残るのは深い青緑色ではないでしょうか。

ところが、この色を詳しく見てみると、 スピルリナの中には「緑」だけではなく、 青・緑・黄〜橙という複数の天然色素が存在しています。

フィコシアニン|スピルリナを象徴する鮮やかな青

その代表がフィコシアニン(phycocyanin)です。

フィコシアニンは、 シアノバクテリアなどに存在する青色の色素タンパク質です。

「色素」と「タンパク質」が組み合わされた構造を持ち、 スピルリナの光合成における光エネルギーの受け渡しに関わっています。

シアノバクテリアには、 フィコビリソームと呼ばれる光を集めるための構造があります。

フィコシアニンはその構成要素のひとつとして、 クロロフィルだけでは利用しにくい波長の光も受け取り、 光合成系へエネルギーを伝える役割を担っています。

人間の目には鮮やかな青として見える分子が、 スピルリナ自身にとっては 太陽光を効率よく利用する仕組みの一部なのです。

「スピルリナブルー」はフィコシアニンから生まれる

深い青緑色のスピルリナからフィコシアニンを抽出すると、 驚くほど鮮やかなブルーになります。

この性質を利用し、 現在では菓子、飲料、デザートなどに使われる 天然由来の青色色素としても利用されています。

「スピルリナブルー」という名前を見かけたら、 その青色の主役がフィコシアニンです。

クロロフィルa|光合成を担う緑色

もうひとつの代表がクロロフィル(葉緑素)です。

スピルリナでは主にクロロフィルaが存在し、 光エネルギーを化学エネルギーへ変換する光合成の中心的な仕組みに関わっています。

クロロフィルは植物にも広く存在するため、 「緑色=クロロフィル」というイメージを持つ方も多いでしょう。

フィコシアニンが光を集め、 そのエネルギーを光合成系へ渡し、 クロロフィルが光化学反応の中心で働く。

そう考えると、 スピルリナの「青」と「緑」は、 見た目の色だけでなく光合成の仕組みそのものにつながっています。

βカロテンやゼアキサンチンなどのカロテノイド

さらにスピルリナには、 βカロテンやゼアキサンチンなどのカロテノイドも存在します。

カロテノイドは黄色〜橙色系の色素群です。

つまりスピルリナの中には、

  • フィコシアニン → 青
  • クロロフィルa → 緑
  • カロテノイド → 黄〜橙

という異なる色素が同時に存在しています。

私たちが目にする独特の深い青緑色は、 複数の光合成色素が重なった結果でもあるのです。

フィコシアニンは研究素材としても注目されている

フィコシアニンについては、 その美しい色だけでなく、 分子としての性質についても幅広い基礎研究が行われています。

試験管内、細胞、動物などを使った研究では、

  • 酸化に関連する反応
  • 炎症に関連するシグナル
  • 細胞内シグナル伝達
  • 免疫系に関連する反応

などが研究対象になっています。

こうした研究情報は、 研究がどの段階にあるのかを見ると理解しやすくなります。

研究を読むときの4つの段階

試験管内の研究 → 分子そのものの性質を調べる
細胞研究 → 細胞がどのように反応するかを調べる
動物研究 → 生体内での反応を探る
ヒト研究 → 実際に人を対象として測定する

同じ「研究されている」という言葉でも、 どの段階の研究なのかによって読み取れる意味は変わります。

何を使い、誰を対象にし、何を測定した研究なのか。

ここまで見る習慣を持つと、 スピルリナだけでなく、 さまざまな食品成分の研究情報をより立体的に理解できるようになります。


 

スピルリナ・クロレラ・ミドリムシは何が違う?

 

4. スピルリナ・クロレラ・ミドリムシは何が違う?

スピルリナと一緒に名前が挙がりやすいのが、 クロレラミドリムシ(ユーグレナ)です。

どれも緑色で、 パウダーや健康食品として利用されることがあるため、 一見すると似た仲間に見えます。

しかし生物学の世界では、 3つはそれぞれ異なる特徴を持つ生物です。

特徴 スピルリナ クロレラ ミドリムシ(ユーグレナ)
分類 シアノバクテリア 緑藻の仲間 ユーグレナ類
細胞のタイプ 原核生物 真核生物 真核生物
膜で囲まれた核を持たない 持つ 持つ
代表的な形 糸状・らせん状 小さな球形 細長い単細胞
移動 滑走・回転するような動きを示す種類がある 基本的に遊泳しない 鞭毛を使って泳ぐ
代表的な色素 フィコシアニン、クロロフィルa、カロテノイド クロロフィルa・b、カロテノイドなど クロロフィルa・b、カロテノイドなど
特徴的な成分 フィコシアニンなど クロロフィルなど パラミロンなど

スピルリナとクロレラ|細胞の基本構造から違う

クロレラは緑藻の仲間で、 細胞内に核や細胞小器官を持つ真核生物です。

一方、スピルリナはシアノバクテリアなので原核生物です。

つまり、

スピルリナとクロレラは、 同じ「緑色の食品素材」に見えても、 細胞の基本構造から異なる生物です。

色素にも違いがあります。

クロレラではクロロフィルa・bなどが中心ですが、 スピルリナではクロロフィルaに加えて、 鮮やかな青色のフィコシアニンが大きな特徴になります。

ミドリムシは「ユーグレナ」という単細胞生物

ミドリムシは、 英語ではEuglena(ユーグレナ)と呼ばれる単細胞生物です。

細胞内に葉緑体を持って光合成を行う一方、 鞭毛を使って水中を移動できるというユニークな特徴を持っています。

さらにユーグレナの特徴として知られるのがパラミロンです。

パラミロンはβ-1,3-グルカンからなる貯蔵多糖で、 ユーグレナがエネルギーを蓄えるために利用しています。

それぞれの違いを知ると、選び方も面白くなる

スピルリナ、クロレラ、ミドリムシには、 それぞれ異なる生物学的背景と成分構成があります。

スピルリナならフィコシアニン。
クロレラなら緑藻としての細胞構造やクロロフィル。
ユーグレナなら鞭毛運動とパラミロン。

似た色をした食品素材でも、 中身を見ればそれぞれに異なる世界が広がっています。

「どれが一番か」という見方よりも、 それぞれの生物の特徴や成分を知ることで、 自分が興味を持てる素材を選びやすくなります。


5. スピルリナの健康研究|ヒトではどこまで調べられている?

ここからは、 スピルリナ研究の中でも特に興味深い ヒトを対象とした研究を見ていきます。

スピルリナについては、

  • アレルギー性鼻炎に関連する症状
  • 血中脂質
  • 血圧
  • 血糖・インスリンなどの代謝指標
  • 体重・BMI・体脂肪率などの体組成
  • 腸に関連する指標
  • 運動と組み合わせた研究

など、 想像以上に幅広い分野で臨床研究が行われています。

研究を読むときは「対象・量・期間・測定項目」の4つを見る

健康食品の研究を理解するときは、 結果だけを見るより、

  • 誰を対象にした研究か
  • 一日にどれくらい使用したか
  • 何週間・何か月続けたか
  • 実際に何を測定したか

を見ると、 研究の意味がぐっと分かりやすくなります。

健康な成人を対象にした研究なのか、 特定の疾患を持つ人を対象にした研究なのか。

使用量は1gなのか、2gなのか、数gなのか。

数週間なのか、数か月なのか。

そして、 主観的なアンケートを評価したのか、 血液検査や身体計測など客観的な指標を測定したのか。

「対象・量・期間・測定項目」を確認すると、 同じスピルリナ研究でも結果の意味をより正確に理解できます。

アレルギー性鼻炎|鼻の症状を評価した無作為化比較試験

アレルギー性鼻炎は、 スピルリナについて実際にヒト試験が行われているテーマのひとつです。

2008年に発表された無作為化二重盲検プラセボ対照試験では、 アレルギー性鼻炎の患者150人が研究に登録されました。

研究ではスピルリナ群とプラセボ群を比較し、

  • 鼻水
  • くしゃみ
  • 鼻づまり
  • かゆみ

などの鼻症状や診察所見が評価され、 複数の項目で群間差が報告されています。

さらに2020年には、 アレルギー性鼻炎の患者を対象として、 スピルリナと抗ヒスタミン薬セチリジンを比較した臨床研究も報告されています。

こうした研究から、 スピルリナとアレルギー性鼻炎は、ヒトを対象とした臨床研究まで行われているテーマ であることが分かります。

症状がある場合は医療機関での診断や治療を基本としながら、 こうした結果は食品・栄養研究として見ていくとよいでしょう。

血中脂質|20研究・1,076人をまとめたメタ解析

スピルリナについて比較的研究が積み重なっている分野のひとつが、 血中脂質です。

2023年に発表された無作為化比較試験の系統的レビュー・メタ解析では、 20研究・1,076人のデータが統合されました。

評価された主な項目は、

  • 総コレステロール(TC)
  • LDLコレステロール(LDL-C)
  • 中性脂肪(TG)
  • HDLコレステロール(HDL-C)

です。

統合解析では、 TC、LDL-C、TGでは低い方向、 HDL-Cでは高い方向への 対照群との統計的な差が報告されました。

メタ解析には、 健康状態、年齢、摂取量、研究期間などが異なる複数の試験が含まれています。

そのため、 どのような対象者・条件の研究をまとめた結果なのか まで確認すると、 数値の意味をより正確に理解できます。

血圧|GRADE評価付きメタ解析でも検討されている

血圧についても、 無作為化比較試験をまとめた研究があります。

2025年に掲載されたGRADE評価付きの系統的レビュー・メタ解析では、 成人を対象とした複数の臨床試験が統合されました。

その結果、平均すると、

  • 収縮期血圧:約4.4mmHg低い方向
  • 拡張期血圧:約2.8mmHg低い方向

への群間差が報告されています。

研究者は全体のエビデンス確実性を中程度と評価しています。

血圧には、 食事、体重、運動、睡眠、飲酒、喫煙など多くの要素が関係します。

スピルリナについては、 そうした生活習慣の中で研究されている栄養介入のひとつ として見ると位置づけが分かりやすくなります。

体重・BMI・体脂肪率|17件のRCTをまとめた2025年の研究

体組成についても研究が増えています。

2025年に発表されたメタ解析では、 17件の無作為化比較試験がまとめられました。

統合結果では平均して、

  • 体重:約1.07kg低い方向
  • BMI:約0.40低い方向
  • 体脂肪率:約0.84%低い方向

への群間差が報告されています。

ウエスト周囲径については、 統合解析の中で別の傾向を示しました。

こうした数字を見ると、 スピルリナ研究では 体重だけでなくBMIや体脂肪率など複数の身体指標を使って評価している ことが分かります。

体重管理では、 食事全体、活動量、筋肉量、睡眠などが大きく関係します。

スピルリナについても、 生活習慣と組み合わせた食品・栄養研究のひとつとして研究が続いています。

血糖・インスリン|対象者まで見ると研究がもっと分かる

血糖やインスリンに関連する指標も、 スピルリナ研究のテーマになっています。

この分野は、 研究対象となった人の健康状態を見ることの大切さがよく分かる例です。

2型糖尿病の人を対象とした臨床試験をまとめた研究では、 空腹時血糖などの指標について群間差が報告されたものがあります。

一方、過体重・肥満の成人を中心にまとめた別の解析では、 空腹時血糖やインスリンについて異なる結果が示された項目もあります。

つまり、

「スピルリナと血糖」というテーマを見るときは、
どのような健康状態の人を対象にした研究なのかまで確認する

ことで、 研究結果をより深く理解できます。

腸|便秘型IBSを対象にした2025年の臨床試験

スピルリナと腸についても、 具体的な測定項目を使った研究が行われています。

2025年には、 便秘型過敏性腸症候群(IBS-C)の患者60人を対象とした 無作為化二重盲検プラセボ対照試験が報告されました。

研究ではスピルリナ1g/日またはプラセボを12週間使用し、

  • 生活の質
  • IBSの重症度スコア
  • 腸管透過性に関連する指標
  • 酸化ストレスに関連する指標
  • 炎症に関連する指標

などが測定されています。

複数の評価項目で群間差が報告され、 「スピルリナと腸」というテーマが、 具体的な測定指標を使う臨床研究へ広がっていることが分かります。

IBS-Cは医療上の疾患ですので、 こうした研究は特定の条件で行われた臨床研究として読み、 症状がある場合は医療機関での診断・治療を基本に考えます。

食物繊維は食事全体から考える

スピルリナには、 食物繊維や多糖類も含まれています。

一日に数g程度利用する場合は、 そこから摂る食物繊維に加えて、

  • 野菜
  • 果物
  • 豆類
  • 全粒穀物
  • きのこ
  • 海藻

など、 普段の食事から幅広く摂ることが基本です。

スピルリナも、 多彩な食品を組み合わせる食生活の中へ加えられる素材のひとつ として考えると自然です。

運動との組み合わせも研究されている

スピルリナは、 タンパク質を多く含む食品素材であることから、 運動との組み合わせについても研究されています。

近年の研究では、 スピルリナ摂取と運動を組み合わせ、

  • 体組成
  • 脂質関連指標
  • 血糖関連指標
  • 血圧
  • 心肺機能

などを評価した例があります。

スピルリナは、 タンパク質に加えて、色素、脂肪酸、ミネラルなど複数の成分を持つ食品素材 として、運動分野でも研究対象になっています。

貧血・睡眠・疲労・二日酔い・髪|含有成分と研究を整理する

スピルリナには多彩な栄養成分があるため、 さまざまな健康テーマとの関係が語られています。

ここでは、 「スピルリナに含まれる成分が体内でどのような役割を持つのか」と、 「スピルリナそのものを使ったヒト研究」 を分けて見ると整理しやすくなります。

テーマ 含有成分・研究を見るポイント
鉄・貧血 スピルリナは鉄やタンパク質を含みます。 鉄は正常な赤血球やヘモグロビン形成に必要な栄養素です。 貧血には複数の原因があるため、症状や検査値が気になる場合は原因を確認することが大切です。
睡眠 トリプトファンを含みます。 トリプトファンはセロトニンやメラトニンにつながる代謝経路の材料となるアミノ酸です。 睡眠について考える場合は、含有成分の役割と、睡眠そのものを評価したヒト研究を分けて見ます。
疲労・運動 アミノ酸や色素成分などを含み、運動時のさまざまな指標を測定した研究があります。 対象者、運動条件、摂取期間、測定項目を確認すると研究結果を理解しやすくなります。
二日酔い スピルリナにはアミノ酸、脂肪酸、ミネラルなど複数の成分があります。 飲酒後の状態には飲酒量、水分、食事、睡眠など多くの要素が関係するため、食品としての栄養特性と個別の研究を分けて考えます。
タンパク質やアミノ酸は、身体を構成するタンパク質の材料となります。 髪について考える場合も、タンパク質、鉄、亜鉛などを含む食生活全体と、毛髪・頭皮を対象とした研究を分けて見ます。

研究情報は、

含有成分 → 体内での役割 → 基礎研究 → ヒト研究

という順番でたどっていくと、 「その成分について何が分かっていて、どこまで人で調べられているのか」 がとても理解しやすくなります。

これはスピルリナだけでなく、 さまざまな健康食品や美容成分の情報を読み解くときにも役立つ考え方です。

 

食べるだけじゃない|スピルリナと美容・スキンケア

 

6. 食べるだけじゃない|スピルリナと美容・スキンケア

ここまで、食品としてのスピルリナを中心に見てきました。

スピルリナのもうひとつ興味深いところは、 食品だけでなく、化粧品・スキンケア素材としても利用されていることです。

化粧品分野では、

  • スピルリナ由来エキス
  • スピルリナ由来の各種成分
  • フィコシアニンなどの色素成分
  • 微細藻類由来の成分を組み合わせた化粧品処方

などについて研究や応用が進められています。

食品と化粧品では、同じスピルリナでも見方が変わる

食品としてスピルリナを見るときは、 タンパク質、アミノ酸、脂肪酸、ミネラル、カロテノイドなど、 食品として摂取する成分に注目します。

一方、化粧品に配合される場合は、 肌表面へ使用する化粧品原料として評価されます。

同じ「スピルリナ」という名前でも、 食品と化粧品では使用方法も研究方法も異なります。

この違いを知っておくと、 スピルリナという素材が健康食品から美容分野まで 幅広く利用されている理由が見えやすくなります。

微細藻類は化粧品素材としても研究されている

スピルリナを含む微細藻類やシアノバクテリアには、 色素、タンパク質、アミノ酸、脂質など、 さまざまな成分が存在します。

美容・皮膚科学の研究では、 微細藻類由来成分を含む処方について、

  • 肌の水分量
  • TEWL(経皮水分蒸散量)
  • 皮膚表面の状態
  • 角化細胞
  • 線維芽細胞

などを評価した研究も行われています。

TEWL(経皮水分蒸散量)は、 「肌からどのくらい水分が外へ逃げているか」を見る指標です。

肌の水分量を「タンクの中にある水」と考えるなら、 TEWLは「そのタンクから外へ出ていく水」と考えると分かりやすいでしょう。

美容研究では、 こうした具体的な測定方法を使いながら、 肌表面の状態や化粧品処方について評価が行われています。

ここでのポイント
美容研究は、研究ごとに使用されたスピルリナ由来成分、配合量、処方、評価方法を確認して読みます。
ここでは、スピルリナ由来素材が美容分野でも研究対象になっていることを知るための情報としてご紹介しています。

ニュージーランドならではの「スピルリナ × 天然泥」

食品のイメージが強いスピルリナですが、 実際のスキンケアでは意外な組み合わせにも出会えます。

そのひとつが、

NB ロトルア天然泥 フェイスマスク 200g

です。

ニュージーランド北島にあるロトルアは、 間欠泉、温泉、蒸気、マッドプールなどで知られる地熱地帯です。

この地域ならではのロトルアサーマルマッドを使ったフェイスマスクに、 スピルリナ由来成分が組み合わされています。

ロトルアサーマルマッド・ベントナイト・カオリン

このフェイスマスクには、

  • ロトルアサーマルマッド
  • ベントナイト
  • カオリン

といった泥・クレイ系の素材が使われています。

肌へ広げて洗い流すことで、 肌表面の余分な皮脂や古い角質などの汚れを洗い流し、 清潔ですっきりとなめらかな肌へ整えるタイプのフェイスマスクです。

ロトルアという土地を感じられる素材を取り入れているところも、 ニュージーランドコスメならではの魅力です。

スピルリナ・ローヤルゼリー・ビタミンEも組み合わせ

さらに、このフェイスマスクには、

  • スピルリナ ― 肌を整えるためのコンディショニング成分
  • ローヤルゼリー ― 肌にうるおいを与え、整えるための美容成分
  • ビタミンE ― 肌を健やかに整えるための美容成分

も組み合わされています。

ロトルアの天然泥やクレイで肌をすっきり洗い上げながら、 自然由来の美容素材を組み合わせているのが特徴です。

食品から美容へ——同じ素材の違う顔

ここまでスピルリナを、

  • シアノバクテリアという生物
  • タンパク質を多く含む食品素材
  • フィコシアニンを持つ色素素材
  • 健康研究の対象
  • 化粧品原料

という、さまざまな角度から見てきました。

ひとつの自然素材が、食品とスキンケアという異なる分野で利用されている。

こうした用途の広がりも、 スピルリナを知る面白さのひとつです。

自宅で楽しむロトルア・ホームスパ

使い方もシンプルです。

洗顔後の清潔な肌へ、 目の周りを避けながらフェイスマスクを均一に広げます。

そのまま約15〜20分置き、 最後にぬるま湯で丁寧に洗い流します。

その後は、 化粧水、美容液、フェイスクリームなど、 いつものスキンケアで肌を整えます。

ゆっくり本を読んだり、 お茶を楽しんだりしながら、 ニュージーランドの天然泥を使ったスペシャルケアを 日々の美容時間へ取り入れてみるのもよいでしょう。

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7. 自然由来の複合栄養素材という見方|ローヤルゼリー・グレープシード・ビルベリー

スピルリナについて深く見てきたことで、 もうひとつ面白い食品の見方が見えてきます。

それが、

ひとつの有名成分だけでなく、自然素材そのものが持つ成分構成を見る

という考え方です。

スピルリナの面白さは「複合素材」であること

ここまで見てきたように、 スピルリナにはタンパク質やアミノ酸、脂肪酸、ミネラル、 カロテノイド、フィコシアニン、クロロフィルなど、 性質の異なる成分がひとつの生物の中に共存しています。

こうした自然素材そのものが持つ複雑な成分構成に注目すると、 スピルリナとは由来の異なる食品にも、 また別の面白さが見えてきます。

スピルリナとローヤルゼリー|由来の異なる2つの自然素材

その代表として挙げたいのがローヤルゼリーです。

スピルリナとローヤルゼリーは、 生まれる仕組みも、つくられる成分も異なる自然素材です。

スピルリナは、 光合成を行うシアノバクテリア。

一方、ローヤルゼリーは働き蜂によってつくられ、 女王蜂の食物となる独特な天然素材です。

由来は異なりますが、 どちらもひとつの素材の中にさまざまな成分を持つ「複合素材」 として見ると、それぞれの個性がより分かりやすくなります。

ローヤルゼリーには、

  • タンパク質・ペプチド
  • アミノ酸
  • 脂質
  • 糖質
  • ビタミン類
  • ミネラル類
  • 10-HDA(10-ヒドロキシ-2-デセン酸)

など、さまざまな成分が存在します。

ローヤルゼリー特有の成分「10-HDA」

ローヤルゼリーを知るうえで特徴的なのが、 10-HDA(10-ヒドロキシ-2-デセン酸)です。

10-HDAは、 ローヤルゼリーを特徴づける脂肪酸のひとつで、 ローヤルゼリー原料の品質を見る指標としても利用されています。

NZ産ローヤルゼリーサプリメントでは、 10-HDA 6%に規格化されたローヤルゼリー原料を使用しています。

1カプセルにはローヤルゼリーパウダー340mgを配合し、 生ローヤルゼリー換算1,020mg相当、 10-HDAは約20mgとなる設計です。

スピルリナにはフィコシアニン、 ローヤルゼリーには10-HDA。

自然素材を詳しく見ていくと、 その素材を象徴する特徴的な成分が見えてくるところも面白いですね。

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グレープシード|植物の種子に含まれるポリフェノール

植物の世界へ目を移すと、 今度はグレープシード(ブドウ種子)があります。

ブドウの種子には、 プロアントシアニジンをはじめとするポリフェノール類 が含まれることで知られています。

スピルリナとは由来も構造も異なりますが、 植物の種子にも、 その植物ならではの成分が蓄えられています。

スピルリナの青いフィコシアニン。
ブドウ種子のポリフェノール。

どんな生物・植物から生まれ、どのような成分を持つ素材なのか というところまで見ていくと、 自然由来食品の世界がさらに面白くなります。

ビルベリー|青紫色を生み出すアントシアニン

さらに「色」という視点で見るなら、 ビルベリーも非常に分かりやすい自然素材です。

ビルベリーの果実は濃い青紫色をしており、 その色に関わる植物成分としてアントシアニンが知られています。

ビルベリー配合サプリメントには、 ビルベリー由来成分に加えて、

  • ルテイン
  • ゼアキサンチン
  • βカロテン

などを組み合わせた製品もあります。

たとえば ビルベリー 30,000mg相当 60粒では、 1カプセルあたり、

  • ビルベリー果実エキス 300mg(生果実30,000mg相当)
  • アントシアニン 約75mg相当
  • ルテイン 約12mg相当
  • ゼアキサンチン 2mg
  • βカロテン 800μg

という構成になっています。

同じ自然界の「色」でも、

スピルリナの青 → フィコシアニン
植物の緑 → クロロフィル
ビルベリーの紫 → アントシアニン
黄〜橙 → カロテノイド

と、色をつくっている分子はそれぞれ異なります。

自然界を「色素の世界」として眺めてみるだけでも、 植物や微細藻類の見方が少し変わってきます。


8. スピルリナを上手に選ぶ|摂り方・品質・安全性

スピルリナを毎日の生活へ取り入れるときは、 含有成分に加えて、 量・品質・製造環境・自分の体質まで確認すると、 製品を選びやすくなります。

一日の量は「製品表示」を基準にする

スピルリナの摂取量は、 製品の濃度や形状、設計などに合わせて設定されています。

臨床研究でも研究目的によって、 1g、2g、数gなど、 さまざまな摂取量が使用されています。

日常的に利用するときは、 それぞれの製品に表示されている一日の摂取目安量 を基準にするのが分かりやすいでしょう。

研究で使用された量は研究条件のひとつとして確認し、 日常利用では製品ごとの表示をもとに取り入れます。

朝・夜・食前・食後|続けやすい時間を選ぶ

スピルリナは、 製品に記載された使用方法を基本に、 毎日の生活へ取り入れやすい時間帯を選ぶ という考え方が実用的です。

  • 製品に記載された方法を確認する
  • 毎日続けやすい時間帯を選ぶ
  • 胃腸の状態など自分の体調に合わせる

朝食、昼食、夕食など、 普段の生活リズムと組み合わせて習慣にすると続けやすくなります。

パウダー・タブレット・カプセル|生活に合う形を選ぶ

スピルリナ製品には、

  • パウダー
  • タブレット
  • カプセル
  • 食品や飲料へ配合されたタイプ

などがあります。

パウダーは、 スムージー、ヨーグルト、料理などに加えやすく、 スピルリナらしい鮮やかな色も楽しめます。

タブレットやカプセルは、 摂取量を管理しやすく、 携帯しやすいところが特徴です。

形状だけでなく、 含有量・品質・風味・使い方・続けやすさ を比べながら選ぶとよいでしょう。

スピルリナは「培養環境」まで見る

スピルリナ製品で特に確認しておきたいのが、 どのような環境で培養・製造されているかです。

シアノバクテリアを食品として利用する場合、 培養環境と原料管理は品質を考えるうえで重要です。

培養水や原料を適切に管理し、 目的とするスピルリナ以外の微生物や シアノバクテリア由来毒素などの混入を管理することが、 製品品質につながります。

商品を選ぶときは、

  • 原料の生産地や培養環境が確認できる
  • 製造元が明確である
  • 品質管理された工場で製造されている
  • 微生物や重金属などの検査・管理体制がある
  • シアノトキシンなどの品質管理について確認できる
  • 信頼できる流通経路で販売されている

などを見ると、 価格だけでは見えにくい製品の違いが分かります。

原料管理と製造管理を見ることは、 自然由来の食品を選ぶうえでとても重要なポイントです。

初めて取り入れるときは、自分の体調も確認する

食品は体質や体調によって感じ方が異なります。

スピルリナについても、 人によっては胃腸の不快感や腹部症状、 アレルギー反応などが現れる場合があります。

初めて取り入れるときは、 製品の目安量や注意事項を確認しながら、 自分の体調にも目を向けて利用することが大切です。

利用中に体調の変化を感じた場合は使用を中止し、 症状が続く場合や強い症状がある場合は 医療機関へ相談してください。

フェニルケトン尿症(PKU)の方はフェニルアラニンを確認

スピルリナのタンパク質には、 必須アミノ酸のひとつフェニルアラニンも含まれています。

フェニルケトン尿症(PKU)では、 フェニルアラニンの摂取量を管理する必要があります。

該当する方は、 スピルリナを含む健康食品を利用するときに、 医師や管理栄養士など専門家へ相談してください。

妊娠・授乳中、治療中、薬を使用している方

妊娠・授乳中の方、 持病の治療中の方、 継続して薬を服用している方は、 新しいサプリメントを追加する前に 医師・薬剤師などへ相談しておくと安心です。

健康食品も日々の食生活の一部です。

自分の健康状態と、現在使用している薬やサプリメントを含めて考える ことで、自分に合った取り入れ方を選びやすくなります。

品質・量・体質の3つを確認する

スピルリナは、 世界各地で食品として利用されてきた素材です。

自然由来の食品は、 原料の状態、培養環境、製造方法、保存状態などによって 品質に違いが生まれます。

そこで覚えておきたいのが、

確かな品質。
製品に合った量。
自分の体質。

この3つです。

これはスピルリナに限らず、 健康食品やサプリメントと上手に付き合ううえで役立つ基本でもあります。


9. スピルリナについてよくある疑問

スピルリナは植物ですか?

スピルリナは光合成を行いますが、 生物学的にはシアノバクテリアの仲間です。

細胞内に膜で囲まれた核を持たない原核生物で、 食品として利用される代表的なスピルリナは、 現在の分類では主にLimnospiraとして整理されています。

スピルリナは海藻ですか?

ワカメ、昆布、海苔などとは、 生物学的な分類が異なります。

一般的な海藻は真核生物ですが、 スピルリナはシアノバクテリアという原核生物です。

水中で育ち、光合成を行うという共通点がありながら、 細胞の仕組みを見ると違いがはっきり分かります。

スピルリナを食生活へ取り入れるときのポイントは?

スピルリナには、 タンパク質、アミノ酸、ミネラル、脂肪酸、色素など、 多様な成分が含まれています。

日々の食生活では、 穀類、野菜、果物、豆類、肉、魚、卵、乳製品など、 さまざまな食品を組み合わせることが基本です。

その中へ、 特徴的な栄養・色素成分を持つ食品素材のひとつとしてスピルリナを加える と考えると分かりやすいでしょう。

ビタミンB12を意識する場合、スピルリナはどう考える?

スピルリナではB12関連物質が検出されますが、 研究では人がビタミンB12として利用しにくいB12類似体 が主要部分を占める例が報告されています。

特にヴィーガン・ベジタリアンなどで ビタミンB12を意識する場合は、 利用可能性が確認されたB12強化食品やサプリメントなどを 確実な供給源として確保すると安心です。

体重・BMI・体脂肪率についてはどんな研究がありますか?

体重、BMI、体脂肪率などを評価した 無作為化比較試験があり、 複数の研究をまとめたメタ解析も発表されています。

2025年に17件のRCTを統合した解析では、 体重、BMI、体脂肪率について 対照群との平均差が報告されました。

体重管理には、 食事量、栄養バランス、活動量、筋肉量、睡眠など 多くの要素が関係します。

スピルリナについても、 生活習慣と組み合わせて研究されている食品素材 として捉えると分かりやすいでしょう。

「アルカリ性食品」という言葉はどう考える?

食品については、 食品そのものの性質や、 代謝後に生じる成分から 「酸性食品」「アルカリ性食品」と表現されることがあります。

人の血液のpHは、 肺、腎臓、血液中の緩衝系などによって 非常に狭い範囲に調節されています。

食事によって尿のpHなどが変化することはあります。

スピルリナの栄養を考えるときは、 タンパク質、ミネラル、脂肪酸、カロテノイド、 フィコシアニンなど、実際に含まれている成分を見る ことで、その特徴をより具体的に理解できます。

アレルギー性鼻炎についてはどんな研究がありますか?

アレルギー性鼻炎を対象とした 無作為化比較試験が実際に行われています。

2008年には150人を対象とした試験で、 鼻水、くしゃみ、鼻づまり、かゆみなどが評価されました。

その後も比較試験が報告されており、 スピルリナとアレルギー性鼻炎は、 ヒトを対象とした臨床研究まで進んでいるテーマのひとつです。

症状がある場合は医療機関での診断・治療を基本にしながら、 こうした結果は食品・栄養研究として見ると理解しやすくなります。

スピルリナは肌にも使われていますか?

はい。

スピルリナ由来エキスやフィコシアニンなどは、 化粧品・皮膚科学の分野でも研究されています。

実際の化粧品では、 NB ロトルア天然泥 フェイスマスク のように、 スピルリナを肌を整えるためのコンディショニング成分として配合した製品もあります。

クロレラとスピルリナは、どう選べばいい?

どちらも緑色の食品素材ですが、 生物として異なる特徴を持っています。

スピルリナはシアノバクテリアで、 フィコシアニンを持つことが大きな特徴です。

クロレラは緑藻で、 細胞内に核を持つ真核生物です。

含まれている成分、製品の形状、摂取量、品質、続けやすさなどを比較しながら、 それぞれの素材の個性を理解して選ぶとよいでしょう。


10. まとめ|スピルリナを知ると「スーパーフード」の見方が変わる

スピルリナを詳しく見ていくと、 「栄養豊富な緑色の食品」という一言だけでは説明しきれない 奥深い素材だと分かります。

その正体は、 光合成を行うシアノバクテリア

高い割合のタンパク質をはじめ、 必須アミノ酸、ミネラル、脂肪酸、 カロテノイド、クロロフィル、フィコシアニンなど、 ひとつの小さな生物の中に多彩な成分が存在しています。

特に鮮やかな青色のフィコシアニンは、 スピルリナの色をつくるだけでなく、 光合成で光エネルギーを受け渡す仕組みに関わる、 スピルリナを象徴する成分のひとつです。

ヒトを対象とした研究も、 アレルギー性鼻炎、脂質、血圧、体組成、腸、運動など 幅広いテーマへ広がっています。

研究を見るときは、 対象者・摂取量・期間・測定項目を確認することで、 その結果をより立体的に理解できます。

食品から美容へ広がるスピルリナ

スピルリナは、 食品だけでなく美容分野でも利用されています。

NB ロトルア天然泥 フェイスマスク 200gでは、 ロトルアサーマルマッド、ベントナイト、カオリンなどの泥・クレイ素材に、 ローヤルゼリー、スピルリナ、ビタミンEが組み合わされています。

食品として知ったスピルリナを、 今度はスキンケア素材という別の角度から見る。

同じ自然素材でも、 用途が変わることで新しい表情が見えてきます。

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自然素材を深く見ると、さらに世界が広がる

スピルリナから少し視野を広げると、 ローヤルゼリー、グレープシード、ビルベリーなど、 また違った自然素材に出会えます。

スピルリナにはフィコシアニン。
ローヤルゼリーには10-HDA。
グレープシードにはプロアントシアニジンなどのポリフェノール。
ビルベリーにはアントシアニン。

自然界を詳しく見ていくと、 生物や植物ごとに異なる成分をつくり出していることが分かります。

そしてスピルリナについて深く知ることで、

「この生物は何者なのだろう?」
「どんな成分を持っているのだろう?」
「研究者は何を測っているのだろう?」

という視点まで広がっていきます。

スピルリナは、 健康食品という枠を超えて、 生物学、栄養学、食品科学、美容、バイオテクノロジーをつなぐ 興味深い研究素材でもあるのです。

湖から食卓へ。そして宇宙へ

何世紀も前には湖から集められ、 人々の食料として利用されていたスピルリナ。

現代では食品、栄養学、化粧品、バイオテクノロジーへ研究分野を広げ、 2026年には国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」で、 効率的なタンパク質生産と二酸化炭素処理を目指した培養実験 まで行われました。

湖から食卓へ。
食卓から研究室へ。
そして研究室から宇宙へ。

小さなシアノバクテリアの世界は、 想像以上に大きく広がっています。

ご覧いただく際のポイント

本記事は、 スピルリナ、食品成分および関連研究について 一般的な情報を紹介することを目的としています。 疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。

研究で使用されたスピルリナの種類、製法、摂取量、 対象者、期間、評価項目は研究ごとに異なります。 研究結果は、それぞれの研究条件に沿ってご覧ください。

サプリメントなどを利用して体調に異変を感じた場合は使用を中止してください。 妊娠・授乳中の方、治療中の方、薬を服用している方、 フェニルケトン尿症など食事管理が必要な方は、 必要に応じて医師・薬剤師・管理栄養士などへご相談ください。

記事内で紹介したスピルリナの美容・皮膚研究と、 NB ロトルア天然泥 フェイスマスクの商品特性は、 それぞれの研究内容・商品情報に基づいてご覧ください。 商品については、一般化粧品としての配合成分・使用方法・使用感を紹介しています。


参考文献・資料

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