プロポリスは、ミツバチが植物から集めた樹脂などを利用して作る天然由来の物質です。
健康食品やサプリメントをはじめ、のど飴やスプレー、歯みがきなど、さまざまな商品で「プロポリス」という名前を目にするようになりました。
一方で、プロポリスについて調べてみると、 フラボノイド、ポリフェノール、ビタミン、美容、ニキビ、アトピー性皮膚炎など、非常に多くの言葉が一緒に出てきます。
そのため、
- そもそもプロポリスとは何なのか
- どのような成分が含まれているのか
- フラボノイドやポリフェノールとは何なのか
- ビタミンとはどのような関係があるのか
- なぜニキビができるのか
- アトピー性皮膚炎はなぜ起こるのか
- 肌の悩みと食生活・栄養はどう考えればよいのか
など、疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、プロポリスの基本から含有成分、ビタミンとの関係、さらにニキビやアトピー性皮膚炎が起こる仕組みまで、健康食品と医療情報を混同しないよう整理しながら分かりやすく解説します。
プロポリスについて知りたい方はもちろん、毎日の美容や健康、肌のコンディションを考えるための基礎知識としても参考にしてください。
プロポリスとは?ミツバチが作る天然由来の物質
プロポリス(Propolis)は、ミツバチが植物の芽や樹皮などから集めた樹脂性の物質に、ミツバチ自身の分泌物や蜜ろうなどを混ぜて作る物質です。
ミツバチは集めてきた材料を巣へ持ち帰り、巣の隙間や入口などに利用します。
ここで知っておきたいのは、プロポリスは人間のために作られているものではないということです。 本来はミツバチが自分たちの巣を維持するために利用しているものです。
多数のミツバチが暮らす巣の内部では、限られた空間を多くの個体が共有します。 その環境を維持するため、ミツバチはプロポリスを巣の隙間などに使用しています。
こうしたミツバチ特有の行動と、プロポリスに含まれるさまざまな植物由来成分が研究され、現在では健康食品をはじめ幅広い製品に利用されています。
プロポリスという名前の由来
「プロポリス」という少し特徴的な名前は、ギリシャ語に由来するとされています。
一般的には、
-
pro(プロ)=前・手前
-
polis(ポリス)=都市・共同体
という言葉に由来し、「都市を守るもの」といった意味につながる名称と説明されています。
ミツバチの巣を一つの「都市」にたとえると、プロポリスが巣を維持するために使われていることをイメージしやすいでしょう。
プロポリスにはどのような成分が含まれている?
プロポリスは、何か一つの成分だけでできているものではありません。
植物由来のさまざまな物質が複雑に含まれており、その組成はミツバチが利用する植物や採取地域などによって異なります。
研究ではプロポリスから多数の化合物が確認されており、代表的なものとして、
- フラボノイド類
- フェノール酸類
- 芳香族化合物
- テルペン類
- 蜜ろうなどに由来する成分
などが挙げられます。
中でも、プロポリスについて調べる際に頻繁に登場するのが「フラボノイド」です。
ただし、プロポリスの成分構成はすべての商品で一定というわけではありません。
天然由来の原料であるため、ミツバチが利用する植物などによって含まれる成分の種類や構成に違いが生じることがあります。
フラボノイドとポリフェノールの違い
プロポリスについて調べていると、「フラボノイド」と「ポリフェノール」という言葉がよく登場します。
この2つは、まったく別々のものではありません。
ポリフェノールは植物に広く存在する化合物の大きなグループで、フラボノイドはその中に含まれるグループの一つです。
簡単に整理すると、
ポリフェノール
└ その大きなグループの中にフラボノイドなどが含まれる
という関係です。
フラボノイドは植物の色や性質に関係する成分として知られ、果物、野菜、お茶など、私たちが普段口にしているさまざまな植物性食品にも含まれています。
プロポリスにも植物由来のフラボノイドなどが含まれているため、その化学成分についてさまざまな研究が行われています。
ここで大切なのは、ある成分について研究が行われていることと、その成分を含む健康食品に疾病の治療や予防などの効果が認められていることは別だという点です。
プロポリスについても、含有成分に関する研究情報と、食品・健康食品としての商品情報は分けて考えることが大切です。
プロポリスとビタミンの関係
プロポリスとビタミンCは、美容や健康について調べる際に一緒に紹介されることがあります。
ただし、プロポリスとビタミンはそれぞれ異なるものです。
プロポリスは、ミツバチが植物由来の材料などから作る複雑な物質です。 一方、ビタミンは私たちの体の正常な機能を維持するために必要な栄養素です。
ビタミンCなどを一緒に配合した健康食品もありますが、まずはそれぞれの成分や栄養素の特徴を分けて理解することが大切です。
毎日の栄養は食事全体のバランスを基本とし、健康食品やサプリメントは必要に応じて食生活を補助するものとして考えましょう。
ビタミンCとは?美容と健康を考えるうえで知っておきたい栄養素
数あるビタミンの中でも、美容や健康について調べる際によく登場するのがビタミンCです。
ビタミンCは水溶性ビタミンの一つで、私たちの体に必要な栄養素です。
体内では、コラーゲンの形成に関わるほか、抗酸化作用を持つ栄養素としても知られています。
ビタミンCを含む食品には、
- 赤ピーマン・黄ピーマン
- ブロッコリー
- キウイフルーツ
- いちご
- 柑橘類
- じゃがいも
などがあります。
人の体内ではビタミンCを十分に合成することができないため、日々の食事から摂取する必要があります。
特定の栄養素だけに偏るのではなく、さまざまな食品を組み合わせて必要な栄養素を摂ることを基本にしましょう。
肌のコンディションと栄養・生活習慣
肌の状態は、一つの栄養素だけで決まるものではありません。
食生活だけでなく、
- 睡眠
- 紫外線
- 乾燥
- 摩擦などの外部刺激
- ストレス
- ホルモンの変化
- スキンケア方法
など、さまざまな要因が関係します。
そのため、「この食品を摂れば肌の悩みが解決する」と考えるのではなく、毎日の食生活やスキンケア、生活習慣を含めて考えることが大切です。
特に、ニキビやアトピー性皮膚炎は医学的には皮膚疾患に分類されます。
健康食品やサプリメントとは分けて、まずなぜその症状が起こるのかを知っておきましょう。
ニキビはなぜできる?
ニキビは医学的には「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」と呼ばれる皮膚疾患です。
単に「肌が汚れているからできる」というものではありません。
ニキビができる過程には、主に、
- 皮脂分泌の増加
- 毛穴の出口が詰まりやすくなること
- Cutibacterium acnes(アクネ菌)の関与
- 炎症
など、複数の要因が関係しています。
① 皮脂の分泌が増える
皮脂そのものは悪いものではありません。
肌表面を乾燥などから守るために必要なものですが、ホルモンなどの影響によって皮脂の分泌量が増えると、ニキビができやすい環境につながることがあります。
特に思春期には、成長に伴うホルモンの変化によって皮脂腺が活発になり、皮脂の分泌量が増える傾向があります。
② 毛穴の出口が詰まる
皮脂が多いだけで必ずニキビになるわけではありません。
毛穴の出口付近の角化などによって毛穴が詰まりやすくなり、皮脂が外へ排出されにくくなることもニキビ形成に関係します。
皮脂が毛穴の中にたまった状態は、面皰(めんぽう/コメド)と呼ばれます。
③ アクネ菌が関係する
アクネ菌は、ニキビがある人だけに存在する特殊な菌ではありません。
健康な皮膚にも存在する常在菌の一つです。
毛穴が詰まって皮脂がたまった環境では、アクネ菌などが関係して炎症につながる場合があります。
そのため、ニキビは単に「菌をなくせばよい」というものではなく、皮脂・毛穴・皮膚常在菌・炎症などを含めて考える必要があります。
④ 炎症を伴うニキビへ進むことも
毛穴の中で炎症が起こると、赤く腫れたニキビになることがあります。
さらに炎症が強くなると、治った後にも色素沈着やニキビ痕が残る場合があります。
ニキビができる流れを簡単に整理すると
皮脂分泌や毛穴の角化などの変化
↓
毛穴が詰まりやすくなる
↓
皮脂が毛穴にたまる
↓
アクネ菌などが関与
↓
炎症を伴うニキビへ進む場合がある
ニキビ対策も「とにかく皮脂を取る」「何度も洗顔する」といった一つの方法だけで考えず、肌の状態に合わせて考えることが大切です。
大人ニキビと思春期ニキビの違い
ニキビというと10代の肌悩みをイメージする方も多いかもしれませんが、大人になってからニキビに悩む方も少なくありません。
ニキビができる基本的な仕組みには共通する部分がありますが、年齢や生活環境によって関係する要因が異なる場合があります。
思春期ニキビ
思春期には、成長に伴うホルモンの変化によって皮脂腺が活発になり、皮脂の分泌量が増える傾向があります。
そのため、額や鼻など皮脂の分泌が多い部分を中心にニキビが目立つことがあります。
大人になってからのニキビ
大人のニキビでは皮脂だけでなく、
- 睡眠不足
- ストレス
- 月経周期などに伴うホルモンの変化
- 肌の乾燥
- 化粧品やスキンケアによる刺激
- 摩擦
- 生活リズム
など、さまざまな要因が関係することがあります。
特に大人の場合、「皮脂が多い=ニキビ」という単純なものではなく、乾燥している肌にもニキビが生じることがあります。
ニキビ対策で見直したいポイント
ニキビが気になる場合には、まず毎日のスキンケアや生活習慣を見直してみましょう。
1.洗いすぎない
皮脂が気になるからといって、強くこすったり一日に何度も洗顔したりすると、肌への刺激になる場合があります。
やさしく洗い、必要以上に摩擦を与えないようにしましょう。
2.肌の状態に合わせて保湿する
ニキビがあると保湿を避けたくなることもありますが、乾燥を防ぐこともスキンケアの基本です。
自分の肌に合った化粧品を選び、刺激を感じる場合には使用方法を見直しましょう。
3.ニキビを触ったり潰したりしない
ニキビを無理に潰したり繰り返し触ったりすると、炎症が強くなったり痕が残ったりする場合があります。
4.睡眠や生活リズムを整える
肌のコンディションを考えるうえでは、スキンケアだけでなく日々の睡眠や生活リズムも大切です。
5.食生活は全体のバランスを見る
「この食品を食べればニキビがなくなる」「この食品を食べると必ずニキビになる」と単純に考えるのではなく、食生活全体を見ることが大切です。
主食・主菜・副菜などを組み合わせ、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどをさまざまな食品から摂取しましょう。
ビタミンCをはじめとするビタミン類についても、ニキビを治療する成分として考えるのではなく、毎日の食生活に必要な栄養素として摂取することが基本です。
ニキビが長期間続く場合、赤み・腫れ・痛みが強い場合、ニキビ痕が心配な場合などは、皮膚科などの医療機関へ相談しましょう。
アトピー性皮膚炎はなぜ起こる?
アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す皮膚疾患です。
一つの原因だけで起こるものではなく、 皮膚のバリア機能、体質、免疫反応、環境など複数の要因が関係すると考えられています。
皮膚のバリア機能
私たちの皮膚には、外部からの刺激や異物などから体を守り、皮膚内部の水分が過剰に失われることを防ぐ役割があります。
このバリア機能が低下すると皮膚が乾燥しやすくなり、外部からの刺激を受けやすくなる場合があります。
アトピー性皮膚炎では、この皮膚バリア機能の低下が重要な要素の一つとされています。
アトピー素因とは?
アトピー性皮膚炎について調べると「アトピー素因」という言葉が出てきます。
一般的には、本人または家族に、
- アトピー性皮膚炎
- 気管支喘息
- アレルギー性鼻炎
- アレルギー性結膜炎
などのアレルギー疾患があることや、IgE抗体を作りやすいことなどを指します。
ただし、アトピー素因があるから必ずアトピー性皮膚炎になるという意味ではありません。
かゆみと掻くことの悪循環
皮膚にかゆみが生じると、どうしても掻きたくなります。
しかし、強く掻くことで皮膚が傷つき、バリア機能がさらに低下すると、外部からの刺激を受けやすくなり、再びかゆみにつながる場合があります。
アトピー性皮膚炎で起こることのある悪循環
皮膚の乾燥・バリア機能の低下
↓
刺激を受けやすくなる
↓
かゆみ
↓
掻く
↓
皮膚がさらに傷つく
↓
バリア機能がさらに低下
アトピー性皮膚炎の基本的な対策
アトピー性皮膚炎は、皮膚の状態や症状に応じて医師の診断のもとで治療を行います。
一般的には、
- 薬物療法
- スキンケア
- 症状を悪化させる要因への対策
などを組み合わせて管理します。
薬による治療
症状や部位、年齢などに応じて、ステロイド外用薬をはじめとするさまざまな治療薬が使用されます。
治療薬の種類や使用方法、変更・中止については、自己判断せず医師の指示に従うことが大切です。
スキンケア
皮膚を清潔に保つことと、肌の状態に合わせた保湿も大切です。
強く洗ったりこすったりせず、肌への刺激をできるだけ抑えるようにしましょう。
悪化する要因を把握する
汗、乾燥、摩擦、衣類、季節、環境など、症状に影響する要因には個人差があります。
自分の場合は何が肌への刺激になりやすいのかを把握することも、日々の管理につながります。
また、特定の食品を自己判断で一律に除去すると栄養バランスを崩す場合があります。 食物アレルギーが疑われる場合には医師などへ相談しましょう。
プロポリスと肌について研究されていること
プロポリスには、フラボノイドやフェノール酸など、植物に由来するさまざまな化合物が含まれています。
こうした成分については、抗酸化活性をはじめ、さまざまな観点から研究が行われています。
ただし、研究で確認されている成分の性質や研究結果を、そのまま市販のプロポリス食品によるニキビやアトピー性皮膚炎への効果として解釈することはできません。
プロポリスは食品・健康食品の一つとして考え、皮膚疾患の治療とは分けて理解することが大切です。
プロポリスを利用するときの注意点
アレルギーには注意する
プロポリスは天然由来の食品ですが、体質によってはアレルギー反応が起こる可能性があります。
ハチ由来の食品や製品などでアレルギー症状が出たことがある方や、アレルギー体質の方は、原材料や使用上の注意を確認してください。
また、医薬品を使用している方、治療中の方、妊娠中・授乳中の方などは、必要に応じて医師や薬剤師などへ相談してください。
プロポリスの選び方
プロポリスを使用した商品には、カプセル、タブレット、液体、スプレーなどさまざまなタイプがあります。
商品を比較するときには、次のポイントを確認してみましょう。
1.プロポリスの配合量を確認する
商品によってプロポリス原料の配合量や濃度などは異なります。
具体的な配合量が表示されている場合には、その数字も商品の特徴を知るための目安になります。
2.その他の配合成分を見る
プロポリス単独の商品だけでなく、ビタミンや植物由来成分などを組み合わせた商品もあります。
何が配合されているのかを確認し、自分が取り入れたい成分や商品の特徴に合わせて選びましょう。
3.利用しやすいタイプを選ぶ
液体タイプのプロポリスは、商品によって独特の香りや風味があります。
味や香りが気になる場合には、カプセルやタブレットなどのタイプが取り入れやすい場合もあります。
スプレーや液体なども含め、自分の使い方に合った形状を選びましょう。
4.商品表示を確認する
原材料、配合量、摂取目安量、使用上の注意など、商品に表示されている情報を確認して選びましょう。
5.価格と内容量も確認する
商品を比較するときには価格だけでなく、
- 内容量
- 1日の摂取目安量
- プロポリスの配合量
- その他の配合成分
などをあわせて確認すると、商品ごとの特徴を把握しやすくなります。
まとめ|プロポリスと肌の悩みは正しい知識で分けて考えよう
プロポリスは、ミツバチが植物の芽や樹皮などから集めた樹脂性の物質を利用して作る天然由来の物質です。
植物由来のフラボノイドやフェノール酸など、さまざまな化合物を含み、その成分について研究が行われています。
また、プロポリスと一緒に紹介されることの多いビタミンCは、私たちの体に必要な栄養素の一つです。
一方、ニキビやアトピー性皮膚炎は皮膚疾患であり、健康食品とは分けて理解することが大切です。
ニキビには、皮脂分泌、毛穴の詰まり、アクネ菌、炎症など複数の要因が関係します。
アトピー性皮膚炎には、皮膚のバリア機能、体質、免疫反応、環境などさまざまな要因が関係しています。
肌のコンディションを考えるときには、
- バランスのよい食生活
- 睡眠や生活リズム
- 肌への刺激を抑えたスキンケア
- 適切な保湿
- 自分の肌状態に合わせたケア
などを基本に考えましょう。
そのうえでプロポリスを取り入れる場合には、食品・健康食品の一つとして、配合量や原材料、形状、その他の配合成分などを確認しながら選ぶことがポイントです。
【ご注意】
本記事は、プロポリス、ビタミン、ニキビ、アトピー性皮膚炎などについて一般的な情報を紹介することを目的としています。特定の食品・健康食品による疾病の診断、治療、治癒または予防を目的としたものではありません。
ニキビやアトピー性皮膚炎などの治療については、症状に応じて医師などの専門家へご相談ください。健康食品を利用する際には、商品の原材料、摂取目安量、使用上の注意などをご確認ください。