ビルベリーとは?ブルーベリーとの違い・アントシアニンの特徴と目の健康維持に役立つ栄養素を解説

ビルベリーとは?ブルーベリーとの違い・アントシアニンの特徴と目の健康維持に役立つ栄養素を解説

OBARASOTARO

ブルーベリーといえば、濃い青紫色の果実を思い浮かべる方が多いでしょう。

そのブルーベリーの仲間の中でも、アントシアニンを豊富に含むベリーとして知られているのが「ビルベリー(Bilberry)」です。

ビルベリーは一般的な栽培ブルーベリーによく似ていますが、大きな特徴があります。

一般的なブルーベリーは主に果皮が青紫色で、果肉は白色から淡い色をしています。一方、ビルベリーは果皮だけでなく果肉まで濃い赤紫~青紫色をしています。

これは、ビルベリーでは果皮だけでなく果肉にもアントシアニンが含まれているためです。

アントシアニンはポリフェノールの一種で、植物が作り出す天然色素です。ビルベリーには複数種類のアントシアニンが含まれており、こうした特徴から植物成分として長く研究されてきました。

また、ビルベリーやアントシアニンは視覚機能や目の健康との関係についても研究されてきたことから、「目をよく使う人が気になる植物素材」として知られるようになりました。

では、ビルベリーと普通のブルーベリーは何が違うのでしょうか。そして、なぜアントシアニンと目との関係が注目されているのでしょうか。

この記事では、ビルベリーとブルーベリーの違い、アントシアニンの特徴、目との関係について研究されていること、さらにビルベリーエキスやサプリメントを選ぶときに確認したいポイントまで、分かりやすく紹介します。

ビルベリーとは?

ビルベリーは、学名をVaccinium myrtillusという植物です。

ブルーベリーと同じツツジ科スノキ属(Vaccinium属)に属し、ヨーロッパ北部をはじめとする地域などに自生しています。

英語ではBilberryと呼ばれ、European blueberryなどと表現されることもあります。

一般的な栽培ブルーベリーと比べると果実は比較的小さく、やわらかく潰れやすいという特徴があります。

そして、ビルベリーを特徴づけているのが果実全体の濃い色です。

実を割ってみると、一般的なブルーベリーとは違い、果肉まで濃い赤紫色をしています。

この色に関係している植物成分がアントシアニンです。

ビルベリーとブルーベリーは何が違う?

「ビルベリーもブルーベリーの一種なら、同じものでは?」と思う方もいるかもしれません。

どちらもVaccinium属に分類される近縁の植物ですが、一般的にスーパーなどで販売されている栽培ブルーベリーとビルベリーは異なる植物です。

特に分かりやすい違いが、果肉の色とアントシアニンの分布です。

一般的な栽培ブルーベリー

スーパーなどでよく見かけるハイブッシュブルーベリーなどは、果皮が濃い青紫色をしています。

ところが実を半分に切ると、果肉は白色から淡い緑色です。

アントシアニンは主に果皮付近に多く存在しています。

ビルベリー

一方のビルベリーでは、果皮だけでなく果肉にもアントシアニンが存在するため、実を切ると中まで濃い赤紫色をしています。

ビルベリーを潰すと果汁まで濃い紫色になるため、一般的な栽培ブルーベリーとの違いを見た目でも確認できます。

つまり、どちらもアントシアニンを含むベリーですが、果実のどの部分にアントシアニンが存在しているかに大きな違いがあるのです。

アントシアニンとは?

アントシアニンは、植物に含まれるポリフェノールの一種です。

赤、紫、青などの色を作り出す植物由来の天然色素で、ビルベリーやブルーベリー以外にもさまざまな植物性食品に含まれています。

例えば、次のような食品があります。

  • ブルーベリー
  • ビルベリー
  • ブラックベリー
  • カシス
  • 紫色のぶどう
  • 紫キャベツ
  • 紫いも
  • 黒米
  • 赤しそ
  • ナス

なお、「アントシアニン」という一つの物質が存在しているわけではありません。

実際には構造の異なる多くの種類があり、植物によって含まれるアントシアニンの種類や量も異なります。

ビルベリーでは、デルフィニジン、シアニジン、ペチュニジン、ペオニジン、マルビジンなどを基本構造とする複数種類のアントシアニンが知られています。

なぜビルベリーはアントシアニンで注目されているの?

アントシアニンはさまざまな植物に含まれているのに、なぜビルベリーがこれほど注目されているのでしょうか。

その理由のひとつが、果皮だけでなく果肉にもアントシアニンが含まれているというビルベリー特有の性質です。

ビルベリーと一般的なブルーベリーを分析した研究では、ビルベリーで高いアントシアニン含有量が確認された例があります。

ただし、植物に含まれるアントシアニンの量は、植物の種類だけで決まるわけではありません。

品種、成熟度、生育環境、収穫時期、保存方法、加工方法などによっても変化します。

そのため、「ビルベリーには普通のブルーベリーの○倍のアントシアニンが含まれる」と一律に考えるより、ビルベリーはアントシアニンを豊富に含むことで知られる特徴的なベリーのひとつと理解するのがよいでしょう。

「北欧の白夜だからアントシアニンが多い」は本当?

ビルベリーについて調べると、「北欧の白夜で長時間太陽を浴びるため、アントシアニンが非常に多くなる」といった説明を見かけることがあります。

光などの生育環境が植物の色素生成に影響することはあります。

しかし、ビルベリーのアントシアニンの特徴を白夜だけで説明するのは単純化しすぎです。

植物そのものが持つ性質、品種、生育環境、成熟度など、さまざまな要因が関係しています。

「北欧産だから必ずアントシアニンが○倍」といったイメージだけではなく、実際の商品を選ぶ場合には、使用されている原料やエキス、成分表示を確認することが大切です。

ビルベリーと「目」の関係が注目されてきた理由

ビルベリーという名前を聞いて、「目によい成分」というイメージを持っている方も多いかもしれません。

実際、ビルベリーやそこに含まれるアントシアニンと視覚機能との関係については、長年さまざまな研究が行われてきました。

ビルベリーが目との関係で知られるようになった背景には、第二次世界大戦中に英国のパイロットが夜間視力のためにビルベリージャムを食べていた、という有名な話もあります。

ただし、このエピソード自体には不確かな部分があり、これをビルベリーの働きを証明する科学的根拠として考えることはできません。

その後、ビルベリーやアントシアニンと視覚機能との関係について実際に研究が行われるようになり、現在まで研究対象のひとつとなっています。

ここで大切なのは、「目との関係が研究されている」ということと、「ビルベリーを摂れば視力が良くなる」ということは同じではないという点です。

健康な人を対象とした夜間視力についても複数の研究がありますが、結果にはばらつきがあり、現時点でビルベリーによって夜間視力が改善すると明確に確認されているわけではありません。

そのため、「視力を回復させる」「老眼を改善する」といった目的の食品として考えるのは適切ではありません。

一方で、ビルベリーがアントシアニンを豊富に含む特徴的な植物素材であり、その成分と視覚機能との関係について研究が続けられていることは、ビルベリーが目をよく使う現代の人から関心を集めている理由のひとつといえるでしょう。

アントシアニンの「抗酸化」とは?

ビルベリーやアントシアニンについて調べていると、よく目にするのが「抗酸化」という言葉です。

私たちの体では、酸素を利用して生命活動を行う過程などで活性酸素種が生じます。

活性酸素種はすべてが不要なものではなく、体内のさまざまな生理的な働きにも関係しています。

一方で、活性酸素種の産生と、それに対応する体内の仕組みとのバランスが崩れた状態は「酸化ストレス」と呼ばれます。

アントシアニンについても、ポリフェノールの一種として抗酸化に関する性質が研究されています。

ただし、ここでも「抗酸化」という言葉だけから健康効果を大きく広げて考えないことが大切です。

成分について確認された性質や研究結果が、そのまま「その食品を食べれば病気を予防できる」「サプリメントを飲めば目の病気を防げる」という意味になるわけではありません。

ビルベリーの価値を理解するときも、過度な効能を期待するのではなく、アントシアニンを豊富に含む植物素材としてどのような特徴があり、どのような研究が行われているのかを分けて考えることが大切です。

スマートフォンやパソコンを使う時間が長い現代の生活

現在は、仕事でもプライベートでも、スマートフォンやパソコン、タブレットなどの画面を見る時間が長くなっています。

画面を長時間見続けると、まばたきが減ったり、近い距離にピントを合わせ続けたりするため、目の疲れや乾燥、かすみなどを感じることがあります。

こうした日常的な目の負担を考える場合、特定の食品やサプリメントだけに頼るのではなく、まずは目の使い方そのものを見直すことも大切です。

例えば、長時間画面を見続けない、適度に休憩する、意識してまばたきをする、画面との距離や明るさを調整するといった習慣があります。

さらに、睡眠や食生活などを含めた毎日の生活習慣も意識しながら、目を酷使しすぎない環境をつくっていきましょう。

年齢とともに変化する「見え方」

40代頃から、「近くの文字が見えにくい」「スマートフォンを少し離した方が読みやすい」と感じる方が増えてきます。

代表的な変化が老眼(老視)です。

私たちの目は、目の中にある水晶体などの働きによって、見る距離に合わせてピントを調節しています。

年齢とともに水晶体の弾力性などが変化すると、近くを見るためのピント調節が難しくなってきます。

これは加齢に伴って起こる自然な変化であり、ビルベリーやアントシアニンを摂取することで老眼そのものが治るというものではありません。

一方で、年齢を重ねるほど、目の使い方、適切な休息、食生活、定期的な目のチェックなどを含めて、日頃から目の健康を意識することは大切になります。

急な視力低下、視野の異常、強い目の痛みなど、いつもと違う見え方がある場合には、食品やサプリメントで様子を見るのではなく、眼科などの医療機関へ相談してください。

目の健康を考えるときも、まずは毎日の食生活から

目の健康を意識すると、「目によい食品や成分を摂らなければ」と考えてしまうかもしれません。

しかし、私たちの体は一つの栄養成分だけでつくられているわけではありません。

毎日の食事から、たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなど、さまざまな栄養素を摂取しています。

アントシアニンも、ビルベリーだけに含まれるものではありません。

ブルーベリー、カシス、ぶどう、紫色の野菜など、さまざまな植物性食品から摂取できます。

そのため、目や年齢に応じた健康を考える場合も、まずはさまざまな食品を取り入れた食生活を基本にすることが大切です。

そのうえで、アントシアニンを豊富に含むビルベリーという特定の植物素材に関心がある場合に、ビルベリーエキスを利用するという選択肢があります。

 

 

なぜビルベリーは「エキス」として利用されているの?

日本では一般的なブルーベリーを生の果物や冷凍食品として食べる機会はありますが、ビルベリーそのものを日常的に食べる機会はそれほど多くありません。

また、植物に含まれるアントシアニンの量は、品種や成熟度、生育環境、加工方法などによっても異なります。

そこで、ビルベリーに含まれる植物由来成分に着目し、食品やサプリメントに利用しやすい形に加工したものがビルベリーエキスです。

ビルベリーエキスを使用したサプリメントには、普段の食生活では取り入れる機会の少ないビルベリー由来成分を、原材料や配合量を確認しながら取り入れやすいという食品としての特徴があります。

特に、ビルベリーの特徴であるアントシアニンに関心がある場合には、エキスの使用量だけではなく、アントシアニンについてどのような表示がされているのかを見ることがポイントになります。

「ビルベリー○○mg」の数字だけでは分からないこと

ビルベリーサプリメントの商品ページやパッケージには、「ビルベリー○○mg」「ビルベリーエキス○○mg相当」などの数字が表示されていることがあります。

ここで注意したいのが、実際に使用されているエキスの重量と、原料となったビルベリーに換算した量は同じとは限らないということです。

植物エキスでは、一定量の植物原料から成分を抽出し、濃縮した原料が使われることがあります。

その場合、「ビルベリー○○mg相当」という数字は原料換算量を示しており、実際にその重量のエキスがカプセルに入っているという意味ではない場合があります。

そのため、大きな数字だけを見て商品を比較するのではなく、その数字が「エキス量」なのか「原料換算量」なのかを確認しましょう。

ビルベリーサプリメントを選ぶときに確認したいポイント

ビルベリーを使用したサプリメントには、ビルベリーを中心としたものから、ほかの植物素材や栄養成分を組み合わせたものまで、さまざまな商品があります。

商品を比較するときには、パッケージの印象だけでなく、次のような表示を確認すると特徴が分かりやすくなります。

1.原材料を確認する

まず確認したいのは、実際にどのような原材料が使用されているかです。

「ビルベリーサプリメント」という名称でも、ビルベリーエキスを中心とした商品もあれば、ほかのベリー類や植物素材、ビタミンなどを組み合わせた商品もあります。

自分がビルベリーそのものに関心があるのか、複数の素材をまとめて取り入れたいのかによっても、選ぶ商品は変わってきます。

2.アントシアニンの表示を確認する

ビルベリーの特徴に着目して商品を選ぶなら、アントシアニンについての表示も確認したいポイントです。

商品によっては、使用しているビルベリーエキスについてアントシアニンの含有割合や規格などが表示されている場合があります。

「ビルベリーを使用している」という情報だけでなく、どのようなエキスを使用しているのかまで確認すると、商品の特徴を比較しやすくなります。

3.エキス量と原料換算量を区別する

先ほど説明したように、「○○mg」という数字が何を示しているのかは商品によって異なります。

ビルベリーエキスそのものの配合量なのか、ビルベリー果実に換算した量なのかを確認しましょう。

数字が大きい=必ず優れた商品というわけではありません。

4.1日の摂取目安量を確認する

サプリメントを比較するときには、1粒あたりの量だけではなく、メーカーが示している1日の摂取目安量も確認しましょう。

1日1粒の商品と複数粒を目安としている商品では、1粒だけを比較しても実際の違いが分かりにくいためです。

1日分としてどのくらいのビルベリーエキスや関連成分を摂取する設計なのかを見ると、商品の特徴を理解しやすくなります。

ビルベリーを中心としたタイプと複合タイプ

ビルベリーサプリメントには、大きく分けるとビルベリーを中心としたタイプと、ほかの素材を組み合わせた複合タイプがあります。

ビルベリーを中心とした商品は、ビルベリー由来のアントシアニンなどに着目した比較的シンプルな構成です。

一方、複合タイプでは、ルテインを含むマリーゴールド由来原料など、別の植物素材や栄養成分を組み合わせた商品もあります。

どちらが一律に優れているというものではありません。

自分がどの素材に関心があるのか、実際に何がどのくらい配合されているのかを確認して選ぶことが大切です。

ビルベリーエキスをサプリメントで取り入れる意味

「アントシアニンなら普通の食品にも含まれているのに、ビルベリーサプリメントを利用する意味はあるの?」と思う方もいるでしょう。

確かに、アントシアニンはブルーベリーやカシス、ぶどう、紫色の野菜など、さまざまな食品から摂取できます。

一方、ビルベリーには、果皮だけでなく果肉にもアントシアニンが存在し、アントシアニンを豊富に含む植物素材として知られているという特徴があります。

そして、日本ではビルベリーそのものを日常的に食べる機会は多くありません。

ビルベリーエキスを使用したサプリメントは、こうしたビルベリー特有の植物由来成分に着目し、原材料や配合量を確認しながら毎日の生活に取り入れやすくした食品と考えることができます。

また、ビルベリーやアントシアニンと視覚機能との関係について長年研究が行われてきたことから、目をよく使う方や、年齢とともに目の健康を意識する方が関心を持つ植物素材のひとつとなっています。

「飲めば視力が良くなる」というものではありませんが、ビルベリーという植物素材の特徴を理解したうえで、日々の食生活を補う選択肢のひとつとして取り入れるという考え方がよいでしょう。

ビルベリーサプリメントを利用するときに知っておきたいこと

ビルベリーエキスを含むサプリメントを利用する場合は、商品に表示されている摂取目安量や注意事項を確認しましょう。

食品由来の成分でも、多く摂れば摂るほどよいというものではありません。

また、医薬品を使用している方や治療中の方は、サプリメントを追加する前に医師や薬剤師などの専門家へ相談してください。

妊娠中・授乳中のサプリメントとしての使用についても十分な情報が確認されていないため、該当する方は必要に応じて専門家へ相談しましょう。

まとめ|ビルベリーはアントシアニンを豊富に含む特徴的なベリー

ビルベリーは、一般的なブルーベリーと同じVaccinium属に分類される植物ですが、果皮だけでなく果肉まで濃い赤紫色をしているという特徴があります。

この濃い色に関係しているのが、ポリフェノールの一種であるアントシアニンです。

ビルベリーはアントシアニンを豊富に含む植物素材として知られており、アントシアニンと視覚機能との関係についても長年研究が行われてきました。

ただし、ビルベリーを食べたりサプリメントとして摂取したりすれば、視力が回復する、老眼が改善する、目の病気を予防できるという意味ではありません。

ビルベリーの魅力は、こうした過度な効能にあるのではなく、アントシアニンを豊富に含み、その特徴について研究が続けられている植物素材であることにあります。

また、ビルベリーそのものを日常的に食べる機会が少ない場合でも、ビルベリーエキスを使用した食品やサプリメントなら、原材料や配合量を確認しながら取り入れることができます。

商品を選ぶ際には、「ビルベリー○○mg」という数字だけではなく、使用されている原料、アントシアニンの表示、エキス量と原料換算量、1日の摂取目安量などを確認してみましょう。

そして、目の健康を考える場合には、食生活だけでなく、スマートフォンやパソコンの使い方、休息、睡眠、定期的な目のチェックなども含めて考えることが大切です。

毎日の生活を基本にしながら、ビルベリーという特徴的な植物素材を知り、自分の食生活やライフスタイルに合った取り入れ方を考える。

それが、ビルベリーやアントシアニンと上手につき合うための基本になります。

※本記事は、ビルベリー、アントシアニンなどに関する一般的な食品・栄養情報を紹介することを目的としています。特定の食品・サプリメントによる疾病の診断、治療、治癒または予防を目的としたものではありません。見え方に異常を感じる場合や、医薬品を使用している方、治療中の方、妊娠・授乳中の方などは、必要に応じて医師・薬剤師などの専門家へご相談ください。

参考:
NCCIH(National Center for Complementary and Integrative Health)「Bilberry」

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